NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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カテゴリ:アドヴェント&クリスマス( 10 )

アドヴェントセミナー 室内楽ロビーコンサート

12月22日(水)12:15開演
【報告者:佐藤浩子/TANサポーター】

受講生達の若い力がロビーという身近な空間でズンズン伝わってきました。

前夜から降り続いた雨も明け方にやみ、12月にしては暖かな快晴になったこの日、アドヴェントセミナー受講生が10日間の練習の成果を発表するロビーコンサートが行われました。
当日はロビーコンサートを待ちわびていたお客様が開場とともに入られあっという間に100席の椅子は埋まりました。

プログラムは、
Ⅰ ハイドン:弦楽四重奏曲第62番変ロ長調(全楽章) 約19分
  松原勝也(1stVn)講師&受講生3人
Ⅱ ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調(全楽章) 約34分
  山崎伸子(Vc)講師&受講生4人
10分間の休憩をはさみ
Ⅲ ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調(第1.2.4楽章)22分
  市坪俊彦(Va)講師&受講生3人
Ⅳ メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲変ホ長調(全楽章) 約32分
  川崎和憲(1stVa)講師&受講生7人

と、ホールでのコンサートを聞いているような、聞き応えのあるコンサートでした。
受講生達の若い力がロビーという身近な空間でズンズン伝わってきました。

今回、お子様連れのお客様も15組ほどいらっしゃいましたが、1作曲家だけ聞いて帰られたり後半だけ聞いていたりと小さい子供が飽きないようにお母さんが工夫していました。そういうことが出来るのもロビーコンサートの良い点だと思います。

このアドヴェントセミナーは10年前に「若い音楽家がプロの演奏家として社会にはばたいてゆくのを応援しよう」という主旨のもと毎年12月に行われていましたが、残念なことに今年で最後となるそうです。
これからもどこかのホールでこのアドヴェントセミナーの卒業生達の演奏を聞ける事を期待しています。
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by tritonmonitor | 2010-12-22 13:34 | アドヴェント&クリスマス

12/23(水・祝)クリスマスコンサート2009

2009年12月23日(水・祝)17:00開演
【報告:S.K/千葉県在住/1階C2扉13列32番】

 本年度の第一生命ホールでのクリスマスコンサートは「アドヴェント弦楽合奏団」によるものでした。この合奏団のメンバーは、音大在学生や卒業生を中心とした20人程の若いメンバー。プログラムによると、今日のコンサートの為に、ベテラン講師陣の指導のもと9日間もの特訓を受けてきたとのこと!このエピソードを見た時に、勝手ながら講師陣が厳しい様子で指導している練習風景を想像してしまい、妙に親しみが湧いてきたのを憶えています。

 コンサート開演の合図と共に、街のイルミネーションに負けない、色とりどりの華やかな衣装を纏った演奏者らが舞台に登場。この視覚的にも楽しい演出で、ひょっとしたら演奏が始まる前から早くもクリスマス気分になってしまった方もいらっしゃったのではないでしょうか。演奏は、モーツァルト:ディヴェルティメント変ロ長調 K.137(125b)で軽快にスタートしました。これに続く曲は、そのコンサートのタイトルにふさわしく「パッヘルベル:カノンニ長調」、「J.S.バッハ:エア~管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1068より」、「J.S.バッハ:主よ、人の望みの喜びよ」と、定番とも言えるクリスマス曲がずらり。彼女らは、有名曲を演奏するというプレッシャーにもかかわらず、透明感のある優しい音色で我々を楽しませてくれました。クラシックコンサートの楽しみの1つに、コンサートホールならではの音響を楽しむことがあると思いますが、特にこの3曲は心地良い音圧の響きを醸し出しており、曲を聴くというよりも空間を楽しむという感覚でした。周囲を見渡しお客さんの様子を見ると、ゆったりとした曲に合わせて静かに頷くようにリズムを取っている方が見受けられるなど、全体的にリラックスした様子でした。

 続いて、メンデルスゾーン:弦楽のための交響曲第10番ロ短調、ヴォルフ:セレナード ト長調、チャイコフスキー:「フィレンツェの思い出」 ニ短調の3曲が演奏されました。単純な感想ではありますが、「弦楽器はこれほど大きな音が出て、多彩な表現ができるのか!」と感じるくらい、演奏は力強く、生命力に溢れていました。私にとってこの3曲は初めて聴く曲でしたが、アドヴェント弦楽合奏団の生演奏を通して知ることができたのは幸運だったと思います。周囲のお客さん方に目をやると、演奏者達の気迫が伝わってきた為でしょうか?一瞬たりとも気を緩めてなるものかとばかり、舞台一点に集中力を注いでいる様子でした。

 コンサート全体を通しての印象は、クリスマスというコンセプトに軸をおきながらも、有名な曲もあればあまり有名でない曲もあり、20人余りの大編成の曲もあれば四重奏もあり、激しい曲もあれば安らぎを感じる曲もありと、バリエーションに富んだ素敵なコンサートだったと思います。クラシック初心者の方もベテランの方も、皆が楽しめたのではないでしょうか
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by tritonmonitor | 2010-01-04 18:01 | アドヴェント&クリスマス

12月24日 クリスマスコンサート2008 レポート

 【報告:井出春夫 会社員 /2階C3列1番】

 このコンサートで演奏するアドヴェント弦楽合奏団は、オーディションにより選抜された弦楽セミナー受講生による合奏団。この合奏団の名前になっている「アドヴェント」とはキリスト教会でクリスマスを待ち望みろうそくに火を灯す幸福な期間だそうである。
 受講生は、この期間コンサートのために講師の先生の暖かい指導の下、毎日リハーサルを繰り返して、クリスマスコンサートの日を迎えたように思います。日本中でベートーベンの第九交響曲が至るところで鳴り響き、合唱団が「汝の優しき翼の覆うところすべてのものは兄弟となる」なんて歌っている時、受講生の皆さんは第九での歌詞を引用すればバリトンソロが歌う「おお、友よ。この音ではない。もっと快い、よろこびに満ちた調べに声を合わせよう」という言葉をかみしめていたかも知れない。(勝手な推測です。)
 アドヴェントセミナーの初日を少しだけ聴講してみると、とても緊張した感じで周りの状況を見ながら合わしているように思えた。休憩時間もみんな静かであった。初日の感想としては、今年はどんな風に変わっていくのだろうと思った。一週間後ホールの袖で聞いてみるとかなり完成度が高い。本番が楽しみだと思った。
 今年、アドヴェントセミナーでの特徴は、聴講にいらっしゃる方が昨年まで比べると多かったこと。何回も聴講に足を運んで下さり、長い時間演奏を聞いて下さる方も多かったのではないだろうか。中には、「コンサート当日どうしても今年は来られないので今年は少し前に聞きに来た」といわれた 方もいらした。
 22日は、講師の先生と受講生による室内コンサート。23日は子供のための公開リハーサル。(残念ながら今年は聞けませんでした)そして、クリスマスコンサート当日。
 クリスマスコンサートの第1曲目はメンデルスゾーンのシンフォニアで始まる。昨年は第6番で今年は第3番。共にメンデルスゾーン12歳の時の作品。今年の曲は友人のクリスマスプレゼントとして捧げた曲だそうである。
 この曲は、受講生のみで演奏された。
 気持ちの入ったきれいな演奏だった。昨年まではあまり意識していなかったので聞き逃していたのかも知れないが、今年は、全体の響きにはよく溶けている響きですがホールによく響く音が合奏団の何人かから聞こえてきた。なんだかこんな音を聞くとうれしくなってしまう。
 2曲目は、グリーグの組曲「ホルベアの時代より」
この曲は、講師の松原勝也氏と受講生による演奏。曲の冒頭からテンションが高く、音にしなりがある。音の1音1音が生きている感じがする。
 3曲目のバルトーク「弦楽四重奏曲第2番」は講師の先生方によって演奏された。
なんだかとても暗い曲。決して前の2曲のように聞き易くはなかったが、この曲の持つとても深い響きがあるように思えた。
 休憩後、チャイコフキー「弦楽セレナーデ」これは、確か2004年に一度取り上げられた曲である。前回は、素晴らしい熱演で体が熱くなった記憶がある。今回も素晴らしい演奏だった。第1楽章の冒頭を聞いたとき、今回は少し渋めかなぁと思ったが、弾き込んでいくうち音が輝いてきて、響きの透明感が増し、呼吸も見事なまでに一つになっていた。演奏者だけでなくホール全体が一つになったようになったような気がした。こんな演奏は、1年に何回も出会えるものではない。演奏を聞きながら、昔、小澤征爾さんが時折言っていた「神様って本当にいるんだよね」という言葉を思い出していた。
 アンコールは、山本祐ノ介編曲による「聖夜」。とても親しみ易い編曲できれいだった。
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by tritonmonitor | 2009-01-08 10:25 | アドヴェント&クリスマス

2007年12月24日 クリスマスコンサート2007

【報告:齋藤健治/月島在住・編集者/1階8列26番より報告】

「よかったわねえ。なんだかクリスマスプレゼントをもらった気がした」

アンコールが終わり,ホールを後にする人々の姿。その中から今日の演奏を讚える声が聞こえてきた。

TANが2001年に活動を開始して以来続けている「クリスマスコンサート」。今年ですでに7回目を迎えた。

* * *

クリスマス・イブという特別な日もあってか,笑顔いっぱいの人々が集まっている。あれは親子連れか,こちらはカップルだろうか,受付前で待ち合わせをして入ってきたのはきっと親しい友人同士,だって会話が弾んでいる……。ふだんのコンサートでよくお見かけする方も,この日ばかりは優しげな二人連れ。そうした人々が客席を埋めつくし,ステージの始まりを今や遅しとばかりに待ちかねる雰囲気にホールは包まれていた。

* * *

席に着き,モギリでもらったパンフレットを広げてみる。それによると,7年間の受講生は112名。その一人ひとりの名前が掲載されていたが,アウトリーチやTAN主催の研修会で再開した方を発見したり,プロ・オーケストラに入団して活躍中のアーティストも見つけた。さて,今年の受講生の将来はいかなるものに発展していくのだろうか。そんな未来の絵が思わず浮かんだ。

* * *

コンサートのプログラムは例年どおり,受講生だけによるもの,そこに講師の松原氏・川崎氏が加わったもの,講師だけによる演奏,そして最後は講師・受講生全員が舞台にあがりクライマックスを迎える。

1曲目は受講生17名によるメンデルスゾーン「弦楽のためのシンフォニア第6番変ホ長調」。第1楽章はメロディの美しさが際立つが,いささか音量が小さい。それが第2楽章になると緊張がほぐれてきたのか堅さのとれた演奏に変わり,第3楽章では生き生きとした動きへとなる。

2曲目はホルスト「セント・ポール組曲op.29-2」だ。受講生の間に講師の松原氏(Vn)と川崎氏(Va)の姿が見える。この2人にリードされるかのように,第1楽章は神秘的でもあり広大なスケールをもって展開される。あたかも何らかの動物が広い草原を縦横に駆け回るかのようなダイナミックさだ。第2楽章は愛らしい小品のような面持ち。第3楽章は冒頭部分しめやかながらも一転して躍動感あふれる演奏。そして第4楽章は大地の鼓動が感じられるが,もう少し音量がほしいとも思われる。

しかし受講生の音に接していくうちに,その考えは変わってきた。なにも大音量でもって人々をひれ伏すだけが芸ではない。そもそも楽器を鳴らす,あるいは音を奏でるとはどういうことなのか? また,音符をつないでいけば,それはそっくり「音楽」というものに昇華されるのだろうか? あまりにも素朴な疑問を覚えさせるほど,受講生の演奏は丹念であり好ましいものに感じた。

3曲目は講師4人の「プレアデス・ストリング・クァルテット」によるショスタコーヴィッチ「弦楽四重奏第8番ハ短調op.110」。都会にひっそりと佇む人々が醸し出す憂うつさと少しばかりの滑稽さ,静謐で文学的な世界が展開される。

* * *

休憩をはさみ,いよいよ舞台は最後。受講生と講師全員によるドヴォルザーク「弦楽のためのセレナード ホ長調op.22」だ。ダイナミズムあふれる第1楽章,秀逸な演奏が披露された第2楽章,そして第3楽章は優雅であり,第4楽章はひたすら美の世界を突き進む。それはあたかも一人の少女が大人の女性へと成長したかのようであり,ここにおいて受講生はアーティストとしての新たな一歩を踏み出したことが感じられる。

そして第5楽章。爽やかな表現が魅力的であり,今年のステージの印象を一言で表さなければならないとしたら,この言葉にまとめられるかもしれない。

* * *

終演を迎えた夕暮れ。クリスマス・イブのこの日,まだ今日を祝う時間はたっぷりある中,肩を寄せ合いながら席を後にする人々の合間から聞こえてきたのが冒頭に記した言葉だ。再度繰り返そう。それがこの日の受講生の演奏を集約したものに違いないと思われるからだ。

「よかったわねえ。なんだかクリスマスプレゼントをもらった気がした」
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by tritonmonitor | 2008-02-07 12:57 | アドヴェント&クリスマス

2006年12月24日 クリスマスコンサート2006

【報告:齋藤健治/月島在住・編集者/2階C1列4番より報告】

ホールへと続く,長いエスカレーター。
そこを埋める観客の群れ。

「今年はとてもお客さんが入っているのではないですか?」
「お蔭様で6回めを迎えましたので」
プロデューサーの一人はこのように語る。
もう一人のプロデューサーはトナカイの耳を頭につけて微笑んでいる。
「これ,あんまりお辞儀をしていると,とれそうなんですよ」
かたや,旧第一生命ホール解体時には美しい写真を残しているサポーターの方は二人の息子さんを連れ,接客に忙しい。そして子どもの一人は,サンタクロースの帽子を被り,愛らしい。

今年もTANのクリスマスコンサートが始まった――。豪華な飾り付けを施すでもなく,大枚をはたいて著名アーティストを招聘するというものでもない。その真逆に,オーディションに受かった若手アーティストが,10日間のセミナーで磨いた腕を披露するという今宵の趣向。海のものとも山のものとも知らぬ未来の可能性に,かける。そこに,600を超える観客が集まっていた。

* * *

「よく溶け合っているのだけれども、膨らみがほしい。一人ひとりの声が聞こえてこない。少々表現に平坦なところが寂しい」
これは一昨年にモニターを務めた際のレポートの一部である。

毎年受講生は変わるので,“去年に比べて今年は……”という比較はおかしいが,“さて,今回はどうだろう!”という思いは増す。
なぜなら,観客はその日,一日しか,その場には,いない,からだ。どうか,今日のステージは,びっくりするようなサウンドを聴かせてくれ,と願う。なぜなら,楽器で人を酔わせるという力は,選ばれた,あなた方しかできないんだから。

* * *

そして今年も,プログラムの1曲目は受講生だけによる演奏。そして2曲目は講師の松原勝也氏を交えてのアンサンブル。3曲目は講師による室内楽であり,最後は受講生と講師全員による合奏。この流れは変わらない。
さて,今回はどうだろう?

* * *

1曲目は,メンデルスゾーン「弦楽のための交響曲 第4番 ハ短調」。
16名の受講生がステージにつく。
さて!
冒頭の響きが生き生きとしている。躍動する。それは第2楽章に入ると緩やかさを加え,第3楽章は古典的なサウンドを奏でる。
なんとも堂々とした演奏だ。
2曲目のブリテン「シンプル・シンフォニー 作品4」でもそれは変わらない。特に第3楽章は音の連なりが物語を語るようなサウンドにあふれ,終楽章での広がりにつながっていく。

そして,受講生の「顔」が見えてくる。顔とは「いま,ここで,私は,何を,どのように,表現したいのか」という意味においてである。
ヴィオラの一人が,非常なる存在感をもって目に映ってきて,やまない。

ここで昔聞いた某音楽ジャーナリストからのアドバイスを思い出す。

「まず,一人のアーティストに注目してみなさい。その音にじっくり耳を傾けてみなさい。そこから,あなたは,コンサートを“愉しむ”ことが,できるでしょう」

それを思いだし,今回はヴィオラの音に神経を傾け,その地点からアンサンブルを聴いた。ここから生まれてくるものは,ヴァイオリン・パートの奏でる数ミクロンとでも言えるかの柔らかく暖かく,しかし強靭なベールの響きであり,チェロがはなやげ,コントラバスが大地のごとく締める。

サポーター/モニターのA氏は,こう言った。
「コントラバスがとってもうれしそうに弾いていましたね」

600人を超える観客の中,その観客一人ひとりの印象はまるで違うかもしれないし,その観客一人ひとりに浮かぶ「顔」も異なるだろう。
しかし,ステージの若者たち一人ひとりの,端正な姿は,たしかに「顔」として,一人ひとりのアーティストと一人ひとりの観客の間で,刻まれたのではないだろうか。

「今年は,特に,パートごとに集まって話し合いをしたそうですよ」とは,広報嬢の言葉だ。

* * *

ステージは続く。講師の「プレアデスQ」は流石の安定感を魅せ,最後のバルトーク「弦楽のためのディベルティメント Sz.113」は,第1楽章で壮大なスペクタクルと厚みを魅せ,第2楽章は地響き,大きな風,大地の揺れ,を表現する。最後は,リズム! リズム! リズム! の応酬。荒れ狂いながらも,アンサンブルは密集する。

* * *

コンサートが終わり,レセプションの場へと移る。
受講生は「こんな経験ができて嬉しい」「10日間みなさんに会えて,幸せな時間でした。また来年も受けることができたら」と語る。
一方,TANを支えるサポーターの代表は「音楽の仲間というのは素晴らしい」と告げる。

そして松原氏の「これは出発点なのです」という発言が続く。

目を転ずれば,プロデューサーは今宵集った方々との談笑。またTAN職員はサポーターとじっくり語り合う。
一方では,新年開けての新企画のため,早速打ち合わせているサポーターもいる。

その中で,一人の,今宵のステージに立ったアーティストと語ることができた。
ふと見ると,その左肩は真っ赤である。
この音楽に接したいがため,来年以降もクリスマスコンサートが続くことを。
そして,この東京湾岸というちっぽけなエリアに,音楽と,そして「人」が集う,ことを。
なぜなら,このクリスマスコンサートは,「出発点」だから,だ。
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by tritonmonitor | 2007-01-09 16:04 | アドヴェント&クリスマス

アドヴェントセミナー&クリスマスコンサート          【報告:小川泰史/大学院生】 

【報告:小川泰史/大学院生(比較組織ネットワーク学)/2階C3列3番】 

アドヴェント・セミナーの集大成、クリスマスコンサートである。このコンサートはセミナー受講生が10日間におよぶ練習を経て、最後に成果を出す場である。(セミナーの模様は別のモニター原稿があるので参考に)
クリスマスということもあって、会場はとても多くの方が来られていた。親子連れや学生など年齢層も様々で、会場がいつもよりにぎやかな雰囲気だった。私も友人を引き連れて騒いでいたのでその雰囲気づくりに一役買ったのかもしれない。
個人的には、これからプロの演奏家となっていく同世代の学生がどのような音楽をつくるのか興味があった。モニターということもあり、また奏者の真剣さも伝わり、演奏は集中して聴くことができた。

一曲目はモーツァルトのアダージョとフーガ・ハ短調である。この曲は講師なしで完全に受講生のみの弦楽合奏だった。曲は低音の荘厳なアダージョから始まった。ます気づいたことは音色がいつもホールで聞くようなプロの演奏とは違うことだった。透き通った響きをしているが、少し線が細いような感じで、学生オケでもなければ大人たちの弦楽合奏でもない、不思議な清涼感があった。演奏は、やはりよく練習しているだけあってお互いをよく聴き合い、アンサンブルができているように感じた。そのためフーガもお互いが掛け合っている姿が見え、曲の構造が浮かんでくるような演奏だったと思う。一方で、お互いが探り合っているようにも聴こえ、もう少し前に進むような推進力が欲しかったように思う。あと、冒頭の緊張感というかキレのようなものがフーガでも続けばなお良かった。

 二曲目はヤナーチェクの弦楽のための組曲。23歳(!)の時の作品である。曲は6つに分かれている。1曲目(モデラート)は冬の森の中にいるような、みずみずしい曲だった。1stバイオリンの音が抜きん出て聴こえ、モーツァルトの演奏にはなかった勢い、熱いものを感じた。2曲目(アダージョ)ではっきりと分かったのだが、この曲から一緒に弾き始めた講師の松原さんが他のバイオリンの受講生をぐいぐい引っ張っていた。他の奏者をあおり、「リーダーシップとはこういうものだ!」「もっと表現できるぞ!」と演奏しながら示しているようだったし、それに受講生が応えて才能が引き出されているように聴こえた。この曲ではビオラの演奏にも光るものがあった。3曲目(アンダンテ・コン・モト)は、演奏が素晴らしく、曲に聴き入ってしまった。ヤナーチェクは20世紀に入ってから作られた晩年の曲が有名で、私もそれしか聴いたことがない。その音楽の魅力は、よく「植物の細胞の増殖」に例えられる、うごめくような生命力、そして素朴なうたごころであると思う。23歳でのこの作品は、晩年の作品の毒気を抜いたような感じで、素直でうたごころにあふれていて好感が持てた。4曲目(プレスト)はよく全般的にアンサンブルができていた。ただ、決めるとこは決めるようなハッとした瞬間が欲しかったように思う。5曲目(アダージョ)は、こまかいニュアンスにこだわりすぎず、よく楽器を響かせ、おおらかにうたってほしかった(2階席だからそう感じたのかもしれないが)。6曲目(アンダンテ)は心に残る演奏だった。ホールの雰囲気も良く、お客様も演奏に聴き入っているように思った。
このヤナーチェクの演奏では、「すごい!」と思える瞬間が何度かあった。演奏は全般的に丁寧で、柔らかい印象だった。ただ、自分をさらけ出すようなエネルギーや、個人の自発性が他の奏者の自発性を呼ぶような面白さも同時に表現できればなお良かったと思った。
 
三曲目はショスタコーヴィチの弦楽四重奏第一番・ハ長調。講師の先生によるカルテットである。1曲目(モデラート)はコミカルな曲だった。演奏で驚いたのは表情の多彩さ。ミーラッラ、レーラッラ、といったごく単純なモチーフも表情豊かであった。音の立ち上がりと音の終わりのちょっとしたニュアンスの付け方が自由自在、といった感じである。2曲目(モデラート)は憂鬱な曲。心が曇った時の雰囲気を作るのはショスタコーヴィチの得意分野であるが、この曲ではビオラのソロがそれを表現していた。このはかないメロディーを歌うことができるのは、もちろん技術的なこともあるが、音楽への理解と共感がなければできないことだろうと思った。3曲目(アレグロ・モルト)は軽やかでコンパクトな曲。弱音器をつけて疾走する。アンサンブルは巧い。4曲目(アレグロ)はスケルツォのような曲だった。彼の交響曲の10番や12番のアレグロに出てくる、速すぎて音が「帯」になって聞こえる音型や、バイオリン協奏曲第1番のスケルツォのような「不健康な軽さ」など、彼の個性と才能が百貨店のように現れる曲だった。演奏はこの曲がもつ面白さを余すことなく引き出していた。

休憩を挟んで、メインプログラムであるシェーンベルグの浄夜が演奏された。受講生、講師全員での弦楽合奏である。照明が降り、静まりかえったホールの中から音楽が浮かび上がるように演奏が始まった。心情の変化がうねるように現れる曲である。余計なことは考えず、音楽の流れに身を任せるように聴いた。この曲は、音のダイナミクスの変化が非常に広い。演奏では、盛り上がってくる部分では雄弁でゾクゾク来るものがあった。一方で、ピアニッシモで弾くところは難しかったのかもしれない。心を押し殺したような緊張感が今一歩という気がした。聴きながらあらためて感じたのは、この曲が古典主義的な形式感とは対極にあり、全体像がわかりずらいということだった。だからこそ聴き手は、音楽が表現している心情やストーリーに入っていけるかどうかで感動の度合いが変わってくるように思う。私自身は、演奏者が表現しようとしている世界に部分的にしか入り込めず、少し消化不良だったのが悔やまれた。演奏者と聴き手が共感するのが難しい曲なのかもしれないと思った。
 
演奏を聴きながら気づいたことは、私が今まで第一生命ホールで演奏していたプロの演奏と同列で比較して聴いてしまっていることだった。これはたぶん私だけの感覚ではなくて、他の多くのお客様もプロ演奏が聴けると思って来場するし、実際聴いているのだと思う。つまり、セミナー受講生はもう既に社会からの評価を受け、荒波にもまれているのだなと気づいた。
今回の演奏会は、作曲家の若いころの作品を集め、演奏者も若く、聴き手もそれなりに若い人が集まっていた。作曲家は(もちろん事情は異なるけれど)、自分の音楽を追求するために修行の真っ最中であっただろう。受講生も凄まじい練習をしているだろうし、ホールという社会に開かれた場で演奏を重ねることで逞しくなっているのだと思う。また私自身も、自己の専門性をつけるためにヒーヒー言いながら研究しているし、修活が本格化して(笑)、社会との接点が強くなってきている。
アンコールを聴きながら、「若さ」について共通するものが見えてきた気がした。経験が少ない分、新しく学ぶことや状況の変化に敏感になり、それによって迷いだとか、今後の期待が生まれることなのだと思う。不覚にも自分自身を振り返ることになったし、受講生の頑張る姿に感銘を受けた。

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by tritonmonitor | 2006-01-16 13:40 | アドヴェント&クリスマス

アドヴェントセミナー&クリスマスコンサート          【報告:藤井利勝/サポーター】 

~アドヴェントセミナー受講生による室内楽コンサートを聴いて 

 アドヴェントセミナーは、今年で5年目になります。このセミナーは、弦楽器を対象に9月にオーデイションがあり、それに選ばれた受講生達が、一流の講師に徹底的な指導を受けることを狙いとしています。
 そして、クリスマスイヴの本番コンサートに向けて結成されたのがアドヴェント弦楽合奏団です。今日は、本番前のロビーコンサートです。今回の受講生にとっては、ロビーコンサートといっても初の晴れ舞台といえます。特に今回のロビーコンサートは、通常とは異なり、弦楽室内楽5曲で2時間の本格的コンサートです。平日の昼時でもあり、企画サイドとしては、聴衆を若干少なめに予想し80席ほどの椅子を用意しましたが、杞憂でした。急遽、予備の椅子を20席加えるほどでした。一部立ち見のお客様もありました。

☉1曲目・・シューベルト弦楽四重奏曲第10番変ホ長調D87
 第2楽章のリズムが楽しい。第3楽章はいかにもシューベルトらしく、メロデイの豊かさに引き込まれる感じであった。第4楽章もリズム感が心地よい。
 演奏は、音符に忠実でいかにもキチットした真面目な演奏という感じでした。2曲目以降も含めて、上質な室内楽でした。各曲に、講師が参加されて要所を引き締めていたということでもあろう。しかし、欲をいえば何か一つ足らない感じでした。これは、全曲の受講生ついて感じた私見でありますが、技術を別にしても、講師の先生達と相違しているのは、その演奏スタイルです。加えて表情です。これらは、プロの卵ととしてこれから成長して行くために経験していく過程であると思いますが。しかし、熱心さ、ひたむきさは良く伝わってきました。

☉2曲目・・ボッケリーに弦楽五重奏曲ハ短調op37-1
講師を含めて全員女性であり、衣装がとてもカラフルで楽しい。
 第1楽章は、ゆっくりしたテンポで始まり、一転アップテンポになり魅力的なリズムに引き込まれる。第2楽章は、日本の歌曲風牧歌的なメロデイで、癒される感じでした。
 ボッケリーには、18世紀後半の作曲家で、優雅で明るい曲調に特徴があり且つ、当代随一のチェロ奏者であったといわれています。それだけに、チェロの特徴を活かした楽しい美しい曲でした。演奏も、これを裏付ける熱演でありました。ボッケリーニが好きになりました。

☉3曲目・・コダーイセレナーデへ長調op12
コダーイは、20世紀前半にかけて活躍したハンガリー出身の作曲家。バルトークとも付き合いがあったとのことです。現代作曲家にありがちな構えて聴くような曲ではなく、とても幻想的な雰囲気が印象的でした。特に、第2楽章のヴィオラで始まるメロデイがファンタジックでした。
 トリオの中ではやはり、1stヴァイオリンが抜きん出ていたのは、当然か。聴衆の中に
、講師の鈴木理恵子さんの演奏を聴きにきたんです、という方がいたのも肯けるところでした。これがコダーイなんだ。いい演奏でした。

☉4曲目・・モーツアルト弦楽五重奏曲ト短調K516(第1.第3楽章)
 これは、私の最も好きな室内楽曲でもあります。モーツアルトには、600曲を超える曲があります。(ケッヘルでは626)その中でも短調の名曲が多いといわれています。
代表的な曲として、交響曲第40番(ト短調)、ピアノ協奏曲K466(二短調)、レクイエム(二短調)それにこの弦楽五重奏曲(ト短調)等々です。しかし、モーツアルトの曲には、圧倒的に長調の曲が多いのです。短調の曲は一割くらいです。でも、印象深いのは、短調の曲ではないでしょうか。
 演奏は、第1楽章の短調の特徴をうまく引き出したいい演奏でした。松原講師のリードが目立っていました。天才モーツアルトが紡ぎだした悲しみのメロデイ、余韻を残した演奏でした。
 なお、長調と短調の比較を体感としてつかむには、同時期に作曲された弦楽五重奏曲第3番(ハ長調)と聴き比べてください。違いは、一目です。

☉5曲目・・ドヴォルザーク弦楽五重奏曲第2番ト長調op77(第1.第2楽章)
 本日唯一のコントラバス登場。これで弦楽器のそろい踏み。コントラバスが入ることにより、曲の多様性が増す。 
 優美なメロデイの中にリズムを強調したドヴォルザークらしい曲で、演奏も好演でした。

 受講生達は、12月14日からほとんど毎日本番に備えてのリハーサルが21日まで続きました。それも1日のリハーサル時間が長時間に亘りました。皆さん初めての経験とのことでした。出身大学、演奏団体もバラバラなのに、本番直前にはガッチリ一本化しました。とても良い体験でした。とは、受講生の言葉でした。
 松原先生を中心として講師の先生方の熱意ある指導で、ここまでの水準にレベルアップしたのでしょう。技術的には、まだこれからでしょうが、熱心さがすぐ目の前で直に伝わる。これもロビコンの魅力でしょう。
 これだけの内容と時間をかけての演奏。これが無料。クリスマスツリーをバックにしての演奏。まさにクリスマスプレゼントでした。受講生の皆さん、講師の先生たちありがとうございました。
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by tritonmonitor | 2006-01-05 17:03 | アドヴェント&クリスマス

アドヴェントセミナー&クリスマスコンサート          【報告:渡辺和/音楽ジャーナリスト】 

5回目のアドヴェント

報告:渡辺和/音楽ジャーナリスト・TANサポーター


 今年のアドヴェントセミナーは、12月14日から始まっていた。筆者がやっと練習を覗きに行けた21日は、もう顔合わせからまるまる1週間、連日午前中から夜までの練習もそれなりに進んだ状態である。
 というわけで、アドヴェント・セミナーというTANと第一生命ホールにとっては最も大きなイベントを初年度からずっと定点観測しているウォッチャーとすれば、以下はちょっと心許ないレポートとならざるを得ない。お許しあれ。

◆12月21日午後合奏練習6日目

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 毎度ながらの年末進行の原稿にもってきて、今年は某定例地方議会最終日に向けての動きの取材もあったため、例年のアドヴェントセミナーを見物していて最も緊張感に溢れ興味深い最初の数日の様子が、まるで眺められなかった。やっと21日午後の練習に向かうと、舞台の上では全講師陣が頭に座った「浄夜」の前半が響いている。なんだかすっかり立派な響きで、ちょっと拍子抜け。まるでオーケストラのような分厚い響き、というのは誉め言葉でもあり、まだまだこれから、という意味でもあるんですけど。

 自分らのパートが休みになる部分では、講師がさりげなく隣の学生に指導をしたり、眺めているとあちこちで細かいやりとりが成されている。精密さを求めて特定の指導者が奏者ひとりひとりをギリギリに絞り上げる、というタイプの練習風景ではないけど、厳しさは伝わってくる練習風景だ。

 ちなみに、客席で練習を見物するギャラリーの姿は総計5名。このセミナー、一番面白いのは練習風景だし、受付では舞台上で使っているのと同じ楽譜を無料で貸してくれるというセミナー聴講としては異例の配慮まである。みんな、もっとどんどん見物に来ましょう、と言いたいところだけど、まあこの時期じゃあしょうがなかろうなぁ。

 さて、1時から始まった「浄夜」の練習は全体の半分ほどまで進め、3時前に小休止。休み時間の雰囲気を含め、なんか今年は真面目な感じ。ちょっと皮肉に言えば、なんだか妙に温和しい感じもする。松原講師に直接訊ねてみると、今年は初めての参加者ばかりだから…との返事。「去年のバッハも大変だったけど、モーツァルトもかなり手こずってますよ(松原)」。

 しばしのお休みを挟んで、3時15分から問題のモーツァルト作曲「アダージョとフーガ」である。毎年1曲用意される、講師が一切の指導をせずに、参加者だけで頭を捻る課題曲だ。我々無責任なギャラリーは「松原勝也の虎の穴」と呼ぶこの合奏練習の様子を見物していると、生徒らの盛り上がり具合が手に取るように判る。

 もうセミナーも終盤のこの日、始まる前、トップ数人が舞台上に集まり、ぐるりと輪になり、合奏練習をしている。パート合わせと別に、責任者が集まって合奏のポイントを合わせているようだ。なかなか熱心である。実際に音が出始めると、アダージョはともかく、フーガはここまでやっても「この楽譜の何を聴かせるのか」という一番重要な部分でまだまだ議論が出来そう。誠に奥深い楽譜だ。生徒らの間でも、譜面を睨んだ無言のお見合いと、なんとも騒々しい言い合いが錯綜する時間であった。

 客席でスコアを眺めながら聴いていた松原講師と藤森講師が、生徒らが一息入れた瞬間を見計らって、具体的なアドヴァイス。ではもういちど、と始める前に、コンサートミストレスが楽屋下手に備えられたMD録音機のスイッチを入れに来る。弾き終えて、全員が楽屋にゾロゾロと戻り、譜面を開いてプレイバックに熱心に耳を傾ける。まるでオーケストラの録音現場を取材してるみたいだ。余りの真剣さに、声をかけられるような雰囲気ではない。

 というわけで、わずか数時間の練習風景はこんなもの。さて、明日はロビーコンサート。公開の合奏練習が終わったら、それぞれのグループでの室内楽練習が始まるそうな。

◆12月22日昼ロビーコンサート

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 アドヴェントセミナーにとって、合奏練習と同じくらい重要なのが、参加者が講師と直接室内楽を共演できるロビーコンサートだろう。昨年から、昼間の第一生命ホールでのロビコンのクリスマス特別ロングヴァージョンという位置づけになって、そんな性格は一層明快になったかも。

 毎度ながらのロビコンだが、なんせクリスマスイブイブの天皇誕生日前日。多くのオフィスがメチャクチャに忙しい日だ。果たしてお客さんが来るのやら。筆者だって午前中に何本も入ってきた校正を次々と入れて、慌ててトリトンまでチャリチャリと走ったのだけど、それでも昼飯を食べる暇が無い。結局、ホール下のお昼の弁当販売ギャラリーで買ったサンドイッチは、終演後まで腹に入れられないままであった。嗚呼。

 さて、クリスマスツリーの前に据えられた椅子と譜面台に向かい合い、もう聴衆はいっぱい。お母さんと子供、企業のOLさんやサラリーマン、最近ロビコンで見かけるようになっているオバチャン、常連のご隠居、そればかりか1列目にはスコアを広げる熟年まで陣取っている。席が無く、後ろに立っている聴衆も沢山います。

 それぞれの演奏に対するコメントは控えるけど、ちょっと厳しいことを言ってしまいましょう。このセミナーが「若いプロフェッショナルのための」と名打っている以上、10日間の中でどれほど状況が厳しくても、個々人がプロとしてのレベルの演奏をできるようにするのは演奏者の義務。シューベルトの変ホ長調クァルテットにせよ、モーツァルトのト短調五重奏曲にせよ、ある程度以上の負担がある声部が存在するのは判っているはず。そんなシンドイ仕事を引き当ててしまった奏者は、徹夜して浚ってもまだ足りない状況だろうと、無責任な聴衆にだって痛いほど判る。でも、このロビーコンサートに来ている人たちは、ことによるとモーツァルトの「駆け抜ける悲しみ」をライブで聴くことは生涯ないかもしれない。その人達に、その作品のあるべき「凄さ」を感じさせられないとなると、ちょっと残念です。

d0046199_17161556.jpg 演奏の出来が良かったとか悪かったとかではない。このセミナーで大事なのは、演奏の出来ではなく、「音楽演奏のプロとは限られた時間で最善の結果を出すようにギリギリまで努力する経験」なのだろう。厳しさを感じ、大いに落ち込んでくれれば、それはそれで良し。というか、大いに落ち込んでくれなければ、TAN会員として残念だ。










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 23日の子供のための公開リハーサルを経て臨んだ24日の本番。「クリスマス・コンサート」と題された土曜日の午後、ホールは600人を超える聴衆でいっぱい。本番のレポートは別の方にお譲りし、最後にひとことだけ。ロビーコンサートで生徒と一緒にシューベルトを弾いた澤Qのヴィオラ奏者、市坪氏がこう漏らしていた。「ここでやってること、スゴイですね。ホントにコミュニティじゃないですか。近くのお年寄りとかがこんなに来てるなんて。」当たり前に思えるけど、第一生命ホールの舞台はオープニングの年以来の市坪氏の素直な感想は、TANやホールの活動に対する率直な賞讃として受け止めるべきだろう。石の上にももう4年。



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by tritonmonitor | 2005-12-26 17:04 | アドヴェント&クリスマス

アドヴェントセミナー初日

本日いよいよアドヴェントセミナーが始まりました。

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TAN・WEB編集部
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by tritonmonitor | 2005-12-14 14:56 | アドヴェント&クリスマス

アドベントセミナー、スタート!

12/24(土)聖なる夜のコンサート「クリスマスコンサート2005」の前に、今年もアドヴェントセミナーを開催します。

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●アドヴェントとは?
クリスマスイヴまでの4週間の事。子どもがワクワクしながら過ごす、待降節と訳されるこの季節、第一生命ホールの周辺はにわかに騒がしくなります。

オーディションによって選ばれた「アドヴェントセミナー受講生」と第一線で活躍中の講師が一緒に演奏しつつ、クリスマスイヴのコンサートに向けて10日間じっくりじっくり時間をかけて音楽を創り上げていくのが「アドヴェントセミナー」。 ブレーンストーミング、練習を積み重ねた演奏は、若いエネルギーの発散される心地よさとともに、ほかの演奏会では味わえない完成度の高い演奏になっていきます。この「アドヴェントセミナー」の聴講生を募集していますので、ご興味ある方は是非ご来場ください。(要申込み)

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●子どものための公開リハーサル
コンサートにリハーサルはつきもの。実際に演奏する場所で本番同様に演奏をして、響きや音色など最後の「打ち合わせ」をします。演奏が途中で止まって、話し合って、また演奏をする…なんてこともあるかもしれません。そんな舞台裏をみんなに見せてしまうのが公開リハーサルです。演奏者にとってはとても貴重な時間です。 (定員に達しましたので受付を締め切らせていただきました)

●ロビーコンサート
第一生命ホールロビーでセミナー受講生と講師によるコンサートを開催します。入場は無料。是非お気軽にご来場ください。

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by tritonmonitor | 2005-12-14 10:00 | アドヴェント&クリスマス