NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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カテゴリ:ライフサイクルコンサート( 42 )

630コンサート~充電の1時間~ 塩谷 哲・松本和将(ピアノ・デュオ)

9月15日(水)18:30開演
【報告者:K.T/千葉県在住/団体職員】

最高潮のところで終わった感じですが、大丈夫です、悔いは残りません。

ただただ、音楽を楽しませていただきました、の一言です。それ以上でも以下でもありません。さはさりながらいくつか、思いつきで恐縮ですが感想を記しておきます。

1時間のコンサートというのは、初めてでしたがとても満足しています。後1時間あれば、別の世界を見せてくれたのだろうな、という物足りなさの一方で、ここでお二人とお別れしたくない、もっと聴かせてという欲求が心地よかったです。最高潮のところで終わった感じですが、大丈夫です、悔いは残りません。余韻を残し、だからいつまでも忘れないです。

目に付いたのは、30代~40代の男のサラリーマン風でした(数は多くはないようですが)。これから一杯飲んで別のリフレッシュ、そんな感じで軽やかにホールを後にしているように見えました。好きでなければ、2時間はしんどいけれど、1時間だったら、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。音楽(の魅力)に接する良い企画、機会だなとも思いました。

構成も良かったです。親しみのある曲から始まりましたが、違和感なくジャズとクラシックとを行き来でき、最終的にはふたつが融合し、最後には音楽の楽しさ、豊かさが心を満たしてくれていました。
塩谷さんの曲も演奏も初めてでしたが、「ヴァルス」という曲には魅かれました。ラテンとおっしゃったでしょうか。陽気な旅をさせてもらった感じです。それと松本さんの動きが良かった(おもしろかった)。一緒に音楽を楽しんでください、と言われているようで、こちらも弾みます。ピアノ・デュオというのは迫力があるものなんですね。塩谷さんと松本さんの触発の仕合が客席まで届き、規律あるライブハウスの感じで楽しめました。塩谷さんの演出でしょうか、いや人柄ですよね。

とにかく、音楽を楽しめる企画内容、コンサートでした。良質なホスピタリティに包まれた1時間でした。これからも良い演奏、良い企画を楽しみにしています。次は歌を聴きたいです。
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by tritonmonitor | 2010-09-15 18:30 | ライフサイクルコンサート

音楽のある週末 <弦楽器の魅力> 第2回 南紫音

7月24日(土)14:00開演
【報告者:井出春夫/会社員 2階L2列25番】

そして、彼女を聞くならやはりライブだろう。

南紫音というヴァイオリニストは何回かテレビで見て知っていたが、あまり印象のない演奏家のように思っていた。でも「一度くらい生で聴いておこうか」時間もあるし、今度新しく始まった「音楽の週末」という土曜日のコンサートシリーズもちょっときになるし。とても気楽な気持ち、半ばひやかしのような気持ちでホールにむかった。ホールにはいってみると、思ったよりもお客さんが少ない。土曜の午後はコンサートの激戦日でやはり分散してしまうのだろうか?などと考えながら開演を待つ。

第1曲目のイザイの無伴奏第6番では、「音がきれいな人だなぁ」と思ったくらいだが、2曲目以降、彼女の音楽に魅せられてしまった。
モーツァルトのヴァイオリンソナタ28番と25番。とても自然な歌い出し、美しい音それでいてのびのび弾いている。南紫音という人は、メロディを歌うのがとても上手い。彼女のヴァイオリンの音はリート歌手の歌のように思えた。後半は、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、ラヴェルという近代作曲家の作品がとりあげられた。これらの作品は少しとっつきにくさがあるけれど、曲がとても聞きやすく、曲のよさを改めて感じさせてもらえた。このような曲を聞いていてもヴァイオリンの技術が前に出てこないのがいい。
江口さんとの共演も素敵だ。江口さんの音は時にきらきら輝いて、「のだめカンタービレ」の、のだめが弾いている時にピアノからあふれ出てくる音を表すいろんな形のCGが見えるよう。江口さんと南さん、何だかお互いとても弾きやすそうに感じた。

音の大きさも決してデカイ音がしない。楽譜を見たわけではないので何ともいえないが、私の聞いている感じでは、フォルテ1個が最も大きい音。それでも、フォルテ2個のように感じられる時もある。音楽がとても上品である。ホールの響きを考慮してダイナミックスを押さえ気味だったのかどうかはわからない。でも、このホールの響きにはぴったりだったと思う。この演奏会が素晴らしかったのでそう思ってしまったのかも知れないけど、このヴァイオリニストは、大きなホールでガンガン弾くよりも、何だか第一生命ホールみたいなあまり大きくないホールで弾いた方が彼女のよさがわかるように思う。そして、彼女を聞くならやはりライブだろう。

また聞いてみたい演奏家である。そしてその時はどんな風に変わっているだろう。
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by tritonmonitor | 2010-07-24 14:00 | ライフサイクルコンサート

音楽のある週末 <弦楽器の魅力> 第2回 南紫音

7月24日(土)14:00開演
【報告者:KT/三鷹市在住/会社員 11列16】

今後が楽しみなアーティスト

私がクラシック音楽を聞き始めたのも、コンサートに行くようになったのも最近の事。世間の「のだめ」旋風に乗った一人です。

今回はTANモニターとして初めてのヴァイオリン・リサイタル体験となりました。
どれも素敵な曲ばかりでした。ヴァイオリニストも情熱的で、音もしっかりと響き、今後が楽しみなアーティストだったと思います。スタッフの方々の丁寧な応対や、細かな配慮、進行が隅々に見られました。お客様の盲導犬の入場に際し、ポスターを掲示して他のお客様の理解を得る姿勢は好感が持てました。

会報に目を通すと、週末のほか、平日の昼休憩時間や、会社帰りにクラシックなど、様々な音楽を楽しむ機会が用意されているのは素晴らしい事だと思いました。このところ都心では増えてきた取り組みであるように思いますが、私は普段郊外へ勤務しているので、こういった機会にはなかなか恵まれません。是非こういった流れを大きくしていくような活動にも期待したいです。

勝どき駅からトリトンスクエアへの道のりは長く、少々つらいなと感じました。駅に直結するような会場に比べると、行きにくいと正直思います。

私は肩身の狭い喫煙者です。分煙が徹底されていながらも、喫煙所が適度に配置されているため、気持ち良く一服できる場所でした。昨今喫煙のために休憩時間に慌ただしく入退場しなければならない会場が多いですが、入場後も喫煙できる環境はとても助かりました。

会場である第一生命ホールですが、座席が非常に良くできていると思いました。映画館などとは異なり、木製のしっかりとした作りの肘掛けのおかげで近隣の席をあまり意識する事無く鑑賞できました。空調も程よく、最適です。

今予定されているクァルテットなどは、非常に興味をそそられております。クラリネットやフルートの木管の響きは非常に美しく、第一生命ホールにはぴったりなのではないかと、勝手に思っておりますが、いかがでしょうか(笑)。
今後もどうぞ、いろいろな企画をおこしてください。楽しみにしております。
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by tritonmonitor | 2010-07-24 13:37 | ライフサイクルコンサート

音楽のある週末 <弦楽器の魅力> 第2回 南紫音

7月24日(土)14:00開演
【報告者:A.O/三鷹市在住/11列15番】

若いアーティストの方をどんどん聴けるようなイベントが、第一生命ホールでどんどん開かれるといいなあと思います。

初めて、第一生命ホールのコンサートを聴きに来ました。暑い中で、会場が遠いように思いましたが、トリトンまで来るとホールはわかりやすい表示でした。清澄通りとの交差点のところに一枚看板があるだけでも、わかりやすいのではと思いました。

「音楽のある週末」ということで、ゆったりとした気分でヴァイオリンの音色を楽しみました。ピアノ曲をヴァイオリンに編曲したものなど演目に含まれており、ピアノとのかけあいも楽しみにして、聴き始めました。ホールの座席もゆったりめで座り心地もよし。演目はモーツァルトソナタ28番が素敵でした。多彩な音をたくさん聴けました。モーツァルトは好きな方も多いとは思うのですが、真剣に聴いている方が多く、拍手も大きかったように感じます。アンコールのアルベニスも、爽やかにさらっと弾き、若いアーティストの方をどんどん聴けるようなイベントが、第一生命ホールでどんどん開かれるといいなあと思います。また、トリトンで働く人たちの為にも、ランチタイムのミニコンサートを是非開いて欲しいと思います。もう、あったらすみません。ただ、実際は会社員の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか…。
一階の中央後ろでしたが、音の反響もよかったです。弦楽器のリサイタルには丁度良いと感じました。

席の案内の方も適宜いらっしゃって、曲の合間に丁寧に案内されているところに好感が持てました。案内の方も人数が丁度よかったと思います。
チェロのリサイタルもこのあと予定されているようですが、木管楽器のコンチェルトやカルテットも聴いてみたいと思いました。木管楽器の重奏も、好みに走ってしまって申し訳ないのですが、是非聴きたいです。

蛇足ですが、アンケートを書くコーナーを設けたりすると、(たとえばスタンディングのテーブルに、公演終了後にはボールペンを置くなど)アンケートの回収率も良くなるのでは!アンケートに、「DMを送ってよいか」というところに、E-mailで、郵送で、という欄があるといいと思いました。郵便物はいらないですが、E-mailであったら是非受け取りたいと思いました。
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by tritonmonitor | 2010-07-24 13:31 | ライフサイクルコンサート

音楽のある週末 <弦楽器の魅力> 第1回 千住真理子

5月22日(土)14:00開演
【報告者:Y・F/会社員/1階14列28番】

バッハの世界に浸れる至福のひととき-プロの技に感動-

今回はなんとJ.S.バッハの『無伴奏ヴァイオリンソナタ&パルティータ』全曲の演奏会だ。
私は全曲を通す演奏会を聞くのは初めてだった。バッハの世界に浸れる至福のひとときに期待がふくらんだ。無伴奏はソリストを100%丸ごと楽しめる。演奏者にとって、自分の世界を100%味わってもらえる機会でもあるのだ。
会場はほぼ満席で、年齢層も割と高めな印象を受けた。
第1番のソナタ、アダージョ。弓の先まで神経が行き届いている音色に会場が引き込まれていくのが客席の雰囲気でわかった。続くフーガやシチリアーノ、プレストが一気にバッハの静寂で厳かな世界へ誘っていく。
第1番のパルティータ。全体的に穏やかな曲想に高貴な音色が乗り、会場全体が陶酔感に包まれていた。
3番ソナタ。タフさが必要なフーガやアレグロ・アッサイは重音の連続の間に入ってくる高音は気をつけていないと、神経質な響きになりがちなのだが、千住さんはこの高音の扱いがとても丁寧で、人の声のようなソフトで美しい音色が響きわたった。
3番パルティータ。会場がもっと広く感じるような音色。なおかつ小さな音さえもきちんと拾っている。ホールの音響と曲・演奏者の相性のせいか、まるで石造の神殿で演奏を聴いているかのような神聖な空気と響きだった。
2番ソナタ。間の取り方が絶妙だった。余韻のある間の取り方をしつつ、なおかつ前進感がある。特にフーガは洗練された音と前進感と相まって、抑えたテンポでもみずみずしさを感じさせた。アレグロなどの躍動感のある激しいパッセージのある部分でも、音自体に全くブレがなかった。音のコントロールが行き届いていた。

観客の集中力がさらに高まっているのをホールの息遣いから感じる。後半にこれだけ観客をひきつけられるのも本当にすごい。それは、長いプログラムを計算して、パフォーマンスもきちんとコントロールできているからではないだろうか。

2番パルティータ。バッハを密度の高い音で綴ったという感じがした。最後にふさわしい集中力だった。2番は有名なシャコンヌを含む曲で構成されている。2番のこのシャコンヌでしめくくられるわけだが、このシャコンヌに対してはなんの気負いもなく始まったような気さえした。しかし、そこで演奏されたのは圧倒的に孤独で美しい音楽だった。人生の苦悩を癒すバッハの包み込むような音楽が会場を満たす。孤独が孤独を癒し、強さを与えてくれるようだった。

演奏終了後、ブラボーの声がかかる。鳴りやまない拍手。
全曲演奏でここまでの集中力を持続させたのだ。気力体力共に極限までこのステージで使っただろう。常人ならあの長時間の集中したステージでは倒れてもおかしくはなかった。千住さんプロとしての気魄を感じた演奏会となった。プロの演奏を生で観て・聴いて、バッハの無伴奏演奏の難しさとともに、プロの技に感動した。バッハの無伴奏は、普段ピアノの伴奏などがカバーしてくれるメロディーを一人でこなすので、重音がその他の伴奏付きの曲よりも圧倒的に多い。重音が多い分、弓のコントロールが難しいのだ。千住さんの演奏では、そのコントロールはもちろんのこと弓の先までムラのない音を出していた。これはまさにプロの技だと感動した。

今回の演奏会では,演奏者と一対一で向かい合っているような気分に観客はなったのではないかと思う。それほど演奏者・観客が集中をしていた演奏会だった。それとともに、そのように演出した照明も素晴らしかった。ほぼ中央のスポットライトのみが演奏者を照らす。そのような演出のおかげで,観客の視界も演奏者に集中し,一対一の精神状態を作り上げることができた。
演奏は一曲ごとに盛大な拍手がおくられ,感嘆のため息が観客からもれた。
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by tritonmonitor | 2010-05-22 14:00 | ライフサイクルコンサート

昼の音楽さんぽ 第1回 藤原道山 尺八リサイタル

5月13日(木)11:30開演

【報告者:荒木紀子/中央区在勤/】

尺八クールジャパン

改めて考えてみると、今まで尺八の演奏会に行った経験がなかったことに気がついた。
尺八と聞いて思い浮かべるものと言えば、TVや映画の中で尺八を演奏する虚無僧の姿ぐらい。平均的な日本人がもつ尺八に関する知識といえばこのぐらいだろう。だから、藤原道山さんが革のジャケット姿で颯爽と舞台に登場した時には、何か今までの印象を変えるような事件が起こりそうな予感がした。

1曲目は「アメイジング・グレース」。いろいろなアーティストによって演奏されてきた名曲を日本の伝統楽器が奏でる。アイルランドやスコットランドの民謡が本になっているという説もあるからか、一瞬、尺八で奏でられる音が、アイリッシュフルートの音色のように感じられた。でも、すぐ次の瞬間には、私の中のDNAが音色の奥に潜む陰影のような部分を探し当てていた。

日本人にとって、尺八はDNAに組み込まれた音。どこかもの哀しく、それでいて緊迫した静寂感をもたらす音色は、つつましい日本の文化を表し、自分の体内の深い部分に語りかけてくるようで、遠い歴史の世界に想いを馳せる。

2曲目は、古典の邦楽として有名な「鶴の巣籠」。藤原さんは、今日の演奏会のために何種類かの尺八を携えて舞台に登場した。実は尺八は木ではなく、真竹という竹から作られているそうだ。そのため、長さや色もまちまち。その中からバームクーヘンのように縞模様の入った尺八で演奏する。前の曲よりもこもった奥ゆかしい音が響いた。尺八は、同じ高さの音でも、息や指の使い方、そして首の動きによって全く違う音色になるのだそうだ。尺八を演奏している姿をよく見ると、たえず首を動かしていることに気が付く。なかなか上下運動を要する楽器なのだ。

尺八には、「閉じられた空間を緊張感と静寂で満たすような音」というイメージがあったが、「かざうた」(作:川江美奈子)、「空」(作:藤原道山)では、聴いている内に、尺八の音が自分の内を経由して、開かれた外の世界へと広がっていく。それは音がホール内に響くだけでなく、外へ外へと未知なる世界へと誘ってくれるような心地良さだった。あとでプログラムを読み返して、「空」という曲名はまさにうってつけだったと気がついた。この曲に込められた、広隆寺の弥勒菩薩像への憧憬の念が、聴いている者を時空も超えた遥かな世界へと旅立たせてくれたのだ。

最後に藤原さんは、自身の師匠、山本邦山さんの作品「甲乙」(かんおつ)でしっとりとリサイタルの幕を閉じた。
最近では、尺八は海外でも人気があり、オーストラリアで尺八コンテストも開かれるそうだ。昨今の相撲界よろしく、尺八も海外のプレイヤーに押され気味で、日本人の演奏家が少ないらしい。

これまでDNAに刻まれてきたこの音が、これからもそうあり続けてほしい。日本の伝統楽器を見直して広める人も出てきている。東儀秀樹さんもそのパイオニアとして有名だが、藤原さんにも尺八でクールジャパンの世界をぐんぐん切り拓いていってほしい。幸い、これからもクラシック音楽とのコラボレーション、テレビや舞台での活躍もあるようでとても楽しみだ。
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by tritonmonitor | 2010-05-13 11:13 | ライフサイクルコンサート

育児支援コンサート〜子どもを連れてクラシックコンサート

3月28日(日)14:00開演

【報告者:山白真代/江東区在住/】

3月28日、トリトン・アーツ・ネットワーク主催の親子で楽しめる春のコンサートがやってきました。
毎年人気の公演で、チケットも早々に完売。特に今年は、絵本「スーホの白い馬」が取り上げられた影響からか1月に完売するという快挙。
年々、ステージもお客様も盛り上がりを見せているようです。
私もこの公演を過去に、サポーターとして、又、観客として参加。今回は、モニターとしてこれまでと違った角度から、公演全体を見渡せる機会を頂きました。

まずは、いちご組子どもスタジオ・・・・・。
ここは、小さい靴が並べられた4歳の子ども達のお部屋です。
まさにコンサート・デビュー!と言った感じのおしゃれした小さなお客様でいっぱい。子ども達も、サポーターさんに暖かく迎えられ、安心してスタジオの空気に溶け込んでました。絵本に折り紙、紙芝居・・・と、6つのグループに分かれて和気あいあい。初めて顔を合わせる子どもと子どもが、あっという間にお友達になり、部屋は笑い声が溢れてます。

そして、時間は2時。
後ろから、演奏家3名(ピンクの衣装のフルーティスト、永井由比さん、そしてピアニストの永井幸恵さん、きらびやかな着物姿の尺八奏者、遠藤直幸さん)が演奏しながら登場。間近で見て、聴くフルート、ピアノ、尺八に子ども達は、大興奮です。
永井さん、遠藤さんは子どもの輪に入り、子どもに顔を近づけたり動き回ったりしながらの演奏。子ども達は自然と手拍子しはじめ、大喜び。永井さんのテンション高いお話と演奏に、最初から最後まで子ども達も集中力が途切れる事なく楽しんでいる様子でした。
30分の間に、子ども達の心をしっかりつかんだ3人。
まるで人気ヒーローのキャラクターを見るような憧れの目で、子ども達が演奏家をみつめていたのが印象的でした。

この公演の魅力のひとつが、このスタジオ。
ステージでコンサートを聴くだけでは創られない演奏家と子ども達の心と心の密着が、このスタジオで創られます。この楽しい時間が、第2部のコンサートに生きてくる仕掛けとなっているのです。

30分の休憩を終え、親子が集い、たくさんの人たちで埋め尽くされた客席。子ども達のワクワクした声が響き、熱気に包まれた中で、第2部の幕が開きます。
9人の演奏家による、クラシックの名曲のアンサンブル演奏でスタート。9人がそろったステージは、何とも豪華!スタジオで会ったお兄さん、お姉さんがステージで別人(!?)のように演奏している姿に、目をキラキラさせ、身を乗り出す子ども達。田村緑さんの優しく、分かりやすいお話で、それぞれの楽器についての紹介。
そして、楽器の音色の美しさを感じてもらおうと8種類の楽器で1曲を演奏リレー。
見て、聴いて・・・大人にも子どもにも音の色、響きの違いがよく分かる面白いコーナーでした。

次に、朗読の市橋邦彦さんが登場し、絵本と音楽の世界へ。
「スーホの白い馬」に、グリーグのピアノ協奏曲とどうマッチするのか?が、とても興味深かったのですがこれが、見事にぴったり合うのに驚きと感動。
市橋さんの語られる「スーホの白い馬」のストーリーが、グリーグの音楽で目に見えない風景
と、言葉に出来ない感情が心の中に大きく広がっていきます。
絵とストーリー、語りの力に、音楽の力が大きく加わり、絶妙なバラン
スで繰り広げられる「スーホの白い馬」。ホールにいる事を忘れ、自分もすっかり物語の中に入り込むという心地よい時間を味わいました。田村さんを始めとする演奏家達の作品に対する情熱が、客席の心をしっかり捉え、他にはない独自の、素晴らしい世界へと導いたのだと思います。
この公演で終わらせるには、非常に勿体無い、完成度の高い作品でした。
今回、見る事の出来なかった子ども達にも、何かの機会に、是非この感動を味わって欲しいと思います。

演奏家、サポーター、スタッフと多くの大人達が、音楽を通じて、未来ある子ども達を育てる理想的な環境が、このコンサートでは整っているように感じました。
すべての人たちにとっての“やりがい”がうまく集まり、良い出逢いを生み、そのエネルギーが更に次へと繋げてゆく良い流れが出来ていて、それぞれにとって、ここが居心地よいと思える場所となっているのではないでしょうか。

私も2歳の子どもを持つ母親として、「是非、親子で楽しみたい」と強く思う公演です。
こんなコンサートがあったら良いな・・・が、現実になったコンサート。これからもずっと継続され、音楽の魅力を多くのみなさんと共有出来る場所であって欲しいと心から願ってます。
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by tritonmonitor | 2010-04-30 18:00 | ライフサイクルコンサート

育児支援コンサート~子どもを連れてクラシックコンサート

3月28日(日)14:00開演

【報告者:岡野惠子/美大絵本授業助手/2階L1列25番】


今回の絵本は、社会人の息子が今でも懐かしむモンゴル民話「スーホの白い馬」(1967年)でした。スーホは斧という意味を持つ人名で、モンゴルの伝統楽器モリンホール(馬頭琴)の由来にまつわる悲しくも美しい物語です。馬頭琴奏者である季波が作曲した作品や小学生のための音楽劇・物語集(2008年NHK東京児童合唱団)もあります。

子どものための音楽スタジオでは、開演を待つ子どもたちが臨機応変に対応するサポーターを中心とするスタッフとあやとり・折り紙・お絵描き・絵本でくつろぐ様子が印象的でした。いよいよスタジオが始まると空気は一転、活発な活動が伺えます。クラリネットのクラスのご挨拶は、ドビュッシーからジャズのガーシュイン等の演奏でした。クラリネット奏者の西尾さんの笑顔で軽快なクイズに嬉々と答え、黒く硬い材質が「グラナディラ」と知りました。動から静へと導く楽しい内容でした。

休憩を挟み、待ちに待ったみんな一緒のコンサートは、子どもたちを虜にする田村さんの問いかけとヴァイオリンより深い音色のヴィオラ、チェロ、クラリネット、澄んだフルート、豊かなホルン、軽快なマリンバ、ピアノとバトンの無い音のリレーで始まりです。「音楽と絵本」では、グリーグ「ピアノ協奏曲」にスクリーンいっぱいの赤羽末吉の絵と大塚勇三再話の朗読が、スーホの愛馬である白い馬が夢枕に現れ、横暴な領主に殺された自分の亡骸で楽器を作るようにスーホに伝える場面を、より一層深みの有る美しい物語として響かせます。何より演奏者の名司会が心地よく流れたプログラム構成でした。
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by tritonmonitor | 2010-04-20 15:37 | ライフサイクルコンサート

育児支援コンサート~子どもを連れて、クラシックコンサート~

3月28日(日)14:00開演

【報告者:齋藤直美/月島在住/2階C3列2番】

 毎年3月下旬に行われているこのコンサートは、今年で9回目になります。3歳未満のお子様は託児サービスが用意され、コンサート終了まで専門スタッフが見てくれます。プログラムは2部構成ですが、第1部は、幼稚園児は親とわかれて「子どものための音楽スタジオ」で楽しめる内容です。演奏家によるミニコンサートや楽器体験など、年齢別に毎年企画されています。小学生以上は大人と一緒にホールで「大人のためのコンサート」を鑑賞。そして、第2部はホールで「みんな一緒のコンサート」という構成なのですが、毎年のように完売しています。
 今回、完売の時期がいつもより早く、しかも小学生以上に人気があると聞いていたので、「大人のためのコンサート」とはいえ、子どもたちの賑やかな感じがあっても不思議ではないかなと予想していました。
 ところが、そんなことはなかったのです。考えてみれば、この数年、中央区ではTANが「アウトリーチ」として幼稚園や小学校で、田村緑さんや数々の演奏家の生演奏を音楽室などで経験している子どもたちがいるわけで、今回のコンサートへ足を運んでいる児童たちは、もしかしたら「学校で聴いた。ホールに行きたい」と、親御さんを説得していて、ここに座っているのかもしれないなと思う雰囲気でした。
 
 【開演前~第1部】
 開演直前は、大人の静かなおしゃべりが華やいでいて、外の寒さとは対照的なあたたかな雰囲気で、子どもたちはしずかに始まるのを待っているようでした。
 第1部が始まり、鮮やかな衣装の田村緑さんが登場し、早速1曲目、メンデルスゾーンの『春の歌』を演奏。最初の第一音から、引き込まれてしまいました。
 演奏を終えて、田村さんがマイクをもって挨拶すると、子どもたちからお返事がかえってくるのを聞いて、小学生が確かに多そうだと納得した瞬間でした。田村さんは、ゆっくりと語りかけるようにお話をされています。そのためか、小学生だけでなく、大人もゆったりと落ち着いてコンサートを楽しめる雰囲気になっていきます。
 メンデルスゾーンについては、“風景や情景を音にするのが得意”と語りかけ、次のプログラムのキーワードは“恋”ということでお話を進めていきます。幸せ絶頂に書いたシューマンの歌曲をリストがピアノ曲に編曲した『献呈』と、逆に悲しい恋物語として、プロコフィエフが作曲した『「ロメオとジュリエット」より「モンタギュー家とキャピュレット家」』を紹介します。これはうれしい「おまけ」でプログラムにはのっていませんでした。曲のモチーフを少しずつ披露して解説をしてくれます。両家がぶつかりあったような演奏部分から一転して静かな部分があるとおっしゃってから演奏すると、会場はシーンとして引き込まれているのが伝わってきました。
 そして、ショパンの『別れの曲』では、曲の世界に没頭しました。演奏後、ショパンについて生誕200周年であること、ショパンのピアノ協奏曲が演歌のメロディと似ているのでは……田村さんの学生時代のエピソードを交えお話が続きます。第1部の最後は、『華麗なる円舞曲』で第1部が終了しました。
 
 【休憩時間のロビー】
 ロビーに出てみると、この日の演奏家のCDと第2部で朗読される絵本を中心とした即売会が行われていました。中には、CDの前でたっている女の子の姿も。きっと、第1部を聞いて、欲しくなったのかしらと思いました。他にも、昨年までは音楽スタジオだったお子様が、今日から第1部を一緒に聴いたというお母様のうれしそうな表情から、長く続いているシリーズに毎年参加している親子もいるという発見もありました。
 実は、私自身はこの「育児支援コンサート」をホールで聴くのは始めて。今までは、サポーターとして音楽スタジオのお手伝いをしていたので、スタジオでのお子様の音楽体験の様子は何度か拝見しています。その子たちがいつの間にか、小学生になって……まさにライフサイクルコンサートとはこのことだなと思いました。

 【第2部 前半】
 そして、「みんな一緒のコンサート」が始まる直前は、小さな子どもたちの可愛い声があちらこちらから聞こえてきます。スタジオでの時間がいかに楽しかったのかが伝わってきます。1曲目はビゼーの『《カルメン》組曲より〈前奏曲〉』で賑やかにスタートしました。演奏後、参加したスタジオの確認や楽器の説明をしているときの子どもたちの反応が微笑ましく、それに応える演奏家もいい感じです。
 続いて、「楽器の音色を覚えてほしい」という狙いで、演奏家がリレーをしながら楽曲を演奏していくコーナーが始まりました。目と耳で楽しむことができた内容でした。弦楽器から管楽器そして打楽器とリレーしていくという場面は、なかなか見ることができません。音色の違いを知ることが出来てよかったです。
 そして、プーランクの『3つのノヴェレッテより第1番』を管楽器とピアノが、リムスキー=コルサコフの『熊ん蜂の飛行』をマリンバとピアノが演奏しました。管楽器の音のやわらかさには、うっとりしてしまいました。

 【第2部 後半】
 第2部のメインでの「音楽と絵本」は今年は、『スーホの白い馬』です。このお話はモンゴルが舞台ですが、これを田村さんは、ノルウェーの作曲家グリークの『ピアノ協奏曲』と朗読で進めていきます。この組み合わせが、こんなにピッタリと合うとは、やはりアーティストの想像力の強さなのでしょうか。迫力のある演奏で、時折、お客様の「すごい」というつぶやき声が聞こえてくるほどでした。また、場面によって、絵本の表示方法を幅や高さなど変化させて、目で見ても楽しめる演出がありました。朗読と演奏と絵本のバランスが絶妙で、最後まで飽きさせません。朗読の市橋さんは、声楽を専門に勉強して小学校の音楽の先生を長くされてきたとか。だからこその朗読の説得力がありました。

 【終演】
 アンコールでは『「動物の謝肉祭」からフィナーレ』で、賑やかにコンサートが終わりました。これまでは、サポーターとして参加していたので最後のお客様まで見送って、子どもたちの笑顔を見てほっとしておわるのですが、今年は違います。自分の子どもを託児に預けて、私がコンサートを楽しみ、主人は音楽スタジオでお手伝いと、家族でそれぞれの場面で参加することができました。
 いつか、私の子どもも音楽スタジオに参加するのかなと考えながら託児サービスに向かったのでした。
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by tritonmonitor | 2010-04-12 18:47 | ライフサイクルコンサート

クラシック はじめのいっぽ vol.19 チェロ&ピアノ ~石 坂団十郎&マルクス・シルマー

2月10日(水)11:30開演
【報告:齋藤直美/月島在住/1階14列28番】

 今回は、チェロとピアノで全曲、そしてベートーヴェンの作品 だったので、とても楽しみにしていました。
 チェリストの石坂さんの座った場所は、ピアニストのすぐ横で、 寄り添うような感じで座っていました。通常、あまり見たことのない風景が、まず印象的でした。そして今日の演奏が楽しみになってきました。
 プログラムの解説によれば、この日の選曲は、ベートーヴェンが 20代に書いた作品が中心となっているとのこと。ベートーヴェン は、チェロの曲でありながらも、ピアノが大活躍していることが多 いので、ついついピアニストに注目してしまいます。
 その期待以上に、マルクス・シルマーさんのピアニシモ (pp)には、震えがとまりませんでした。そして、ソナタで は、力強くチェロを誘導していると思いきや、ときおり、相手を気遣っているような雰囲気で振り返る。そんなとき、チェリストも、堂々と弾いていながら、ピアノの方に身を傾けている感じが微笑ましく感じました。寄り添いながらの二人の様子は、奏でられる音に表れていて、ここちよい雰囲気が伝わってきました。
 変奏曲では、一つ一つのモチーフが短く次々とうつろっていくので、その変化を追いかけているのが楽しかった。また、ヘンデルの主題による変奏曲の中の短調の時のチェロは、楽器そのものの味わいを響かせ、最後の変奏では、チェロとピアノの掛け合いが見事でした。

 ところで、このシリーズのもうひとつの楽しみは、演奏者によるお話なのですが、アンコール曲のタイトルをアナウンスするまで、今回ありませんでした。珍しいことですが、プログラムの楽しさを半減させるほどではなかったように感じます。その要因は、緊張感をもって聴くことができ、そして全曲ベートーヴェンの作品だったことも関係していると思います。アンコールが仮になかったとして も、それで満足なほどの充実感がありました。
 そんな印象でしたが、お待ちかねのアンコールは、シューベルト「アルペジョーネ・ソナタ(第2楽章)」。チェロらしい柔らかな音でメロディーが流れてきて、「いいコンサートだった」とひとり、にっこりしてしまうほどの出来映え。違う作品も聴いてみたいし、何年か後に再び、本日の二人のベートーヴェンを聴く機会を、このホールで持てることを期待してしまいました。
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by tritonmonitor | 2010-03-08 09:50 | ライフサイクルコンサート