NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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2006年1月20日:ニューイヤーコンサート2006 【報告:川澄直美】

【報告:川澄直美/会社員/1階12列29番】

ホールに向かう電車の中で「今日はいつもより早い」ということに気づき、開演時間に間に合うかどうか瀬戸際だったので、JRの新橋駅で降りてタクシーに乗ることにしました。この時、既に7時15分前でした。運転手さんに「7時からトリトンスクエアーの第一生命ホールでコンサートがあるので、近道で」とお願いして、7時数分前にトリトン前に到着し、エスカレーターを駆け登り、開演前ぎりぎりに着席。息を整えている間に、1曲目が始まろうとしていました。ニューイヤーコンサートなんだから、本当は、ゆったりと開演時間がくるのを待てればよかったんだけど、そうはうまくはいきません。1曲目は、記念年であるモーツァルトのオペラ「フィガロの結婚」序曲。昨年の秋、このオペラを見たので、そのときのことを思い出している間に、あっという間に次の曲へ。プログラムによると、2曲目は、モーツァルトのあまり知られていない小曲4曲をチャイコフスキーが編曲して組曲にした「モーツァルティーナ」。ちょっと長めの曲だなと思い始めた頃、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を題材にしていた第3曲でした。この「アヴェ・ヴェルム・コルプス」は、合唱で歌ったことがあったからか、演奏に引込まれていました。つられて歌いそうになりそうなんだけど、そう簡単には歌わせてくれないという編曲。最後の第4曲の最後のほうの管楽器のソロを聴いていたら、このホールで管楽器のコンサート聴いてみたくなっていました。
それまで「この曲、長いな」と思っていたことを忘れていました。そして休憩時間。私にとって、演奏会の楽しみは、休憩時間でもあります。顔なじみの人に会えたとき、つかの間の立ち話は演奏と同じくらい癒されます。一人ででかけた場合でも、美味しい飲み物をいただいたりなど、ちょっとした贅沢な時間です。後半はいよいよ、シュトラウスの名曲とマスネの歌劇「タイス」より“瞑想曲”。ニューイヤーコンサートといえば、ヨハン・シュトラウス。といえば、私の場合、お正月にこたつで、みかん食べながらのテレビ鑑賞というイメージがあります。私自身、ホールに足運んで、ウィンナーワルツを聴く機会というのは、そう滅多にないこと。どう楽しもうかと、かわらばんでの沼尻さんのインタビューを読んでみたら、「お節料理みたいに楽しめば…」とのこと。なるほど。そんなんでいいのね。と、気楽に「この曲、好きだな」とか、「指揮者の動きがおもしろい」などと、楽しんでいるうちに終ってました。でも、なんか足りない。「春の声」も「皇帝円舞曲」も「美しき青きドナウ」も聴いたのに、物足りない。なんでだろう、とにかくアンコール聴きたいと拍手。そういえば、第2部が始まるときの沼尻さんのお話で曲目のことをお話していました。そのこと思い出し、早く聴かせてほしいなと思っていたら、ほどなく登場。演奏されたのは「トリッチ・トラッチ・ポルカ」「ピチカート・ポルカ」「ラデッキー行進曲」の3曲でした。まず、アンコールがあったことを喜び、「ピチカート」の奏法に目と耳を集中してしまい、最後に、沼尻さんは客席に向かっての指揮。客席のお客さんも、ウィーンにいるような雰囲気になっていたような…。楽しんでいたのは間違いない。終った後、帰り支度しながら、まわりのお客さんの表情が楽しそうでした。私も、この3曲があったので、大満足のまま、都バスに揺られて勝鬨橋の夜景を見ながら帰路につきました。第一生命ホールがあるトリトンスクエアーのイルミネーションもなかなか楽しいし、都バスの通るコースも夜景が綺麗。そんなこともホールへ出かける、楽しみのひとつです。
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by tritonmonitor | 2006-01-31 13:29 | その他特別コンサート等

2006年1月20日ニューイヤーコンサート    【報告:小林美恵子】

【報告:小林美恵子/1階14列15番】


 モーツアルト生誕250年という記念の年、誕生日を1週間後に控えた今日のコンサートはフィガロの結婚序曲で始まりました。沼尻竜典氏指揮のトウキョウ・モーツアルト・プレイヤーズの演奏も活き活きとしていて、文字どおり新しい年の幕開けにぴったりでした。2曲目はチャイコフスキーがモーツアルトの音楽をもとに作曲したという組曲モーツアルティーナです。初めて聴きましたが「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が美しい響きの管弦楽で現れ、チャイコフスキーもこの曲が好きだったのかと、嬉しいような気持ちでした。続いての曲はピアノの為の変奏曲を管弦楽にしたものです。ピアノでも多彩な表現に富んだ曲で良く弾かれますが、チャイコフスキーの管弦楽曲ではヴァイオリンのソロが活躍し、華やかさを増しているように感じました。木管の柔らかな響きも印象的でした。

 休憩後はシュトラウスのこうもり序曲で始まりました。ウイーンの雰囲気たっぷりの曲に、たちまちホールの中が華やぎました。ペルシャ行進曲では、タンバリンの音が、目から下をベールで隠した踊り子が足首につけた鈴をならして踊っている様を想わせます。ウイーンの人々はオリエンタルなものにエキゾチックな魅力を感じていたのでしょうか、そう言えばモーツアルトも、ベートーヴェンもトルコ行進曲を書いています。
続いてはタイースの瞑想曲。オペラ「タイース」で、主人公がそれまでの放埒な生活を続けるか信仰の道に入るか苦悩する場面で奏でられる間奏曲ですが、佐分利さんのヴァイオリンは、甘く叙情的なだけに留まらず、オペラの場面にふさわしい深いものが感じられる演奏だったと思います。最後の高音の美しさが心に残りました。
そして再びシュトラウスのワルツとポルカの演奏です。お馴染みの美しいメロディーと軽快で楽しいリズムに、自然と体がスイングして動きそうでした。ウィンナーワルツの特徴である2拍目の『溜め』の具合がちょうど良く、節度と品格のある演奏と感じました。チェロのソロが好演だったと思います。

 アンコールには3曲を演奏して下さいました。トリッチ・トラッチ・ポルカでは沼尻氏のスマートな指揮ぶりに魅了されましたが、続くピチカート・ポルカはオーケストラに任せ、舞台下手に座ってしまわれました。オーケストラの方々が真剣な顔でコンサートミストレスの手元を見つめ、気持を一つにして見事に演奏し終えると、コンサートミストレスの端正な美しいお顔も、この時ばかりはほころんだように見えました。合奏の醍醐味を目の当たりにして、演奏者をうらやましく感じたところにタイミング良くラデツキー行進曲です。会場の我々も手拍子で参加させていただきました。手拍子も立派に一つの楽器になり得ます。ピアニシモからフォルテシモまでディナーミクを表現して、演奏参加の満足感を得る事ができました。

 楽しい音楽を聴いて幸せな気分となり、ウィンナーワルツのリフレインが頭の中を駆け巡っています。沼尻さんも仰っていらしたように、『今年も頑張ろう』とつぶやきつつ帰途につきました。
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by tritonmonitor | 2006-01-26 11:14 | その他特別コンサート等

2006年1月20日ニューイヤーコンサート    【報告:杣野祐子】

【報告:杣野祐子】


開演前、クラリネットの音合わせをしてらっしゃる演奏者を見ると、偶然にも知人で、まずびっくりしました。オーケストラ等で活躍されているとは聞いていたのですが、コンサートにはお伺いしたことがなかったので、笑顔で開演を待つ様子を拝見し、私まで嬉しくなりました。

演奏が始まってからは新春らしい楽しく華やかな旋律を楽しんでいると2時間はあっという間ですね。「タイス」の瞑想曲は、穏やかなメロディーが好きで就寝前に聞いていたりするのですが、生の演奏で聞くと、やはり歌劇の曲だけあって、同じ曲とは思えない迫力でした。チャイコフスキーの組曲は、初めて聴いたのですが、今で言うと、チャイコフスキーによるモーツアルトの「カバー」であり、「コラボレーション」なんですね。いつの時代も、音楽の作り方には共通点があるのだなあと興味深く思いました。どの曲も明るく晴れやかで、本当に楽しめました。そして、指揮者の沼尻さんのユーモラスなパフォーマンスと軽やかな口調も会場全体を盛り上げてくれましたね。

曲自体の話ではないのですが。晴海トリトン、並木のイルミネーションがとてもきれいでした。動く歩道もあって駅からもアクセスしやすいですし、ホールの大きさもちょうどいですね。ただ、トリトンスクエアのお店は5時半開店のところが多くて、7時開演のコンサートの時は、5時に開店してくれたら早めに着いて食事をしたり一休みしやすいのでは、と思いました。
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by tritonmonitor | 2006-01-24 15:27 | その他特別コンサート等

2006年1月20日:ニューイヤーコンサート2006  【報告:渡辺和】

【報告:渡辺和/音楽ジャーナリスト/2階C3列1番】



アウトリーチの反対はなんというの?
~豊海小学校リング・アンド・リンク「沼尻氏&トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ」



d0046199_1643118.jpg 1月20日に第一生命ホールで開催される沼尻竜典指揮トウキョウ・モーツァルト・プレイヤーズ(TMP)の「ニューイヤー・コンサート」は、TANというNPOが始めて主催する新年演奏会である。出演は沼尻竜典率いるTMP。東京都下三鷹市の公共文化施設「風のホール」を拠点にしている室内オーケストラだ。

 この演奏会には、もうひとつ重要なミッションがあった。財団法人日本音楽財団助成事業「親子を定期的にクラシック演奏会に招待する事業」のひとつとして、TANが一昨年から実施している「リンク&リング」なるプロジェクトである。

 一言で言えば、「演奏家が学校に行き、その後、関心を持った子供にホールに来て貰う」プロジェクト。アウトリーチ活動とホールでの本番演奏会を積極的にリンクさせる試みである。無論、単に出かけた学校の子供らに来て貰うだけではなく、アウトリーチでのワークシートや、招待した子供らのためには演奏会で専用の配布物など、かなりのスタッフワークが必要とされる事業のようだ。TANのような専任スタッフと専門家を抱えた文化サービスNPOでなければ、なかなか引き受けにくかろう。

 今回のプロジェクトで特徴的なのは、アウトリーチするのが器楽奏者や声楽家ではなく、指揮者のみだったこと。ミネソタ管以来お馴染みの大フィル監督大植英次、東フィルのチョン・ミュン・フン、最近では都響のデプリーストなど、オーケストラを伴わぬ指揮者が単身で出向き、学校のブラスバンドやオーケストラを指導するタイプのアウトリーチは、これまでTANでは殆ど扱っていないはず。初めての試みかも。

 本番の前日、リコーダーやらピアニカやらも含むアンサンブル用に音楽の先生が編曲した「運命」第1楽章を、1年間かけて練習しているという豊海小学校4,5年生のところに趣いたプロの指揮者沼尻氏が、どんな指導をしたかは知らぬ。ただ、先生に率いられて第一生命ホールにやってきた50数名の生徒達に向けて、まだ私服ながらちゃんと楽器も用意して席に着いたオーケストラの前に登場した沼尻氏が発した第一声は、「ハイ皆さん、昨日はお疲れ様でした」。なんだかプロの音楽家を相手にしてるみたいな、とっても日常的な風景に見えたから不思議。

 本日の本番演目に「運命」はない。子供達のために、夜の本番前の総練習の始めに、特別に「運命」第1楽章をお手本演奏する、という趣旨である。数ヶ月前、この演奏会とアウトリーチプロジェクトについて沼尻氏にインタビューをした際の言葉をそのまま引用し、この特別公開リハーサルの説明とさせていただく。

「(オーケストラは)学校は行きません。向こうから来て貰う。僕は、最初から来て貰わなきゃダメだと思うんです。そのために僕が三鷹のホールの人に言ったのは、ちゃんとチケットも印刷しろ、ということ。それをひとりひとりに配る。何が嫌かって、ああいうところに行くと、先生が、はいそこから詰めて、って、出席番号で詰め込まれたりする。あれは屈辱的ですよね、子供としては。僕は小さい頃はそう思ったね。そうじゃなくて、やっぱりひとりひとりのお客さんとしてチケットを貰って、自分で席を捜して座る。そういうところから始める。劇場に来たときの、最初に席を捜すワクワクする気持ちから味わって貰いたいし。学校にオーケストラが行っちゃったら、それは授業の中の時間にあったっていうい記憶しか残らないでしょう。劇場に来るというのは、ある種の文化の凝縮された狭い空間に入るということ。バブルの頃にDCブームというのがありましたよね。コムデギャルソンのお店に入る、というところでまず勇気がいるじゃないですか。生意気そうなマヌカンに睨まれただけで逃げちゃう、とか(笑)。でも、今、そういうお店も変わってきてるでしょ。プライドは下げないけど、普通の人に入って貰おうとしている。まあ、これは僕のアイデアですよ。これまで1回しかやってないし、定着しているわけじゃない。」

 今回のプロジェクトでは、この沼尻氏の言葉がそのまま実現された。学校からトリトンブリッジを渡り、第一生命ロビー下に集まるまでは先生に引率されている。でも、そこでTANディレクターから「みなさん、チケットは自分で一枚づつもってるかな」と問われ、はあああい、と特別に摺られたチケットを高く掲げる様子は、ホントに嬉しそうだ。どこか普段と違う場所に行く晴れがましさ。それが学校から見える高層ビルの間にあるホールという特別な場所である楽しさ。入口ではもぎりのお姉さんがチケットをもぎってくれるし、ちゃんと開演前にはホールに開演チャイムが鳴るし。ホントに豊海小学校の「運命」演奏家諸君のための特別コンサートだ。ロビーから眺める風景は、見慣れた隣町のいつもと違う俯瞰図。

 で、沼尻氏が登場し、まずは楽器紹介。おっとその前に、「みんな、じゃあ上に上がってきて」と、生徒を楽器の後ろに集めてしまう。楽器紹介はワイワイガヤガヤ。フォーマルな感じは一気に吹っ飛んじゃったけど、みんな面白そう。うううん、日本中どこの音楽祭に行っても若者連中と飲み仲間になっちゃうコントラバスの黒木さんは、やっぱり小学生にも人気者みたい。もう取り巻きの男の子連中をつくってる。

 ひとしきり楽器紹介を終え、「これから演奏しますから、好きなところで聴きなさい」と指揮者が言うと、殆どの子供達が自分に与えられたチケットの席にいそいそと戻っていく。沼尻氏の目論見は成功、ということなんだろう。

 目の前で自分らが練習している曲のプロの演奏を聴いたあと、親が同伴で残りたい子供たちにはGPが公開されていた。今日は部活はなし。それはそうでしょう。ちなみに、夜の演奏会に来ると手を挙げた小学生は5名とのこと。約1割という数字は、多いのか少ないのか。

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 数時間後の本番。ニューイヤーコンサートだからなのか、いつものTAN主催演奏会よりも15分早い7時開演だ。それにしても、客席に子供の姿が多い。そもそもTAN主催の第一生命ホールでの演奏会、急激に聴衆の高齢化が進み、あちこちで問題となっている最近のホールにしては珍しく、極めて年齢層が広い。特にそれが今日は際立った。東京のメイジャーコンサートホールではなくて、まるで地方の公共ホールみたい。三鷹という東京近郊をホームベースとしている団体に敢えて隅田川を渡って貰ったのは、「地域密着でたまたま都心にあるローカル民間ホール」を目指すこの場所のあり方とも関係しているのだろう。

 「フィガロの結婚」序曲に始まり、珍しいチャイコフスキーのモーツァルトへのトリビュート「モーツァルティアーナ」が前半。後半はコンミストレスの佐分利を独奏とする「タイスの瞑想曲」(独奏者が座ったままでした)を挟み、正月らしいヨハン・シュトラウスⅡのワルツ、ポルカ、行進曲の名曲が並ぶ。全体にちょっとヴィブラートが強いかなぁ、という気もしたのは、三鷹とは随分と響きが違うホールとのマッチングなのかしら。それにしても、話をしているときはどこか醒めたところがある‘マエストロ沼尻’、指揮台に立つとすっかり熱血漢で、指揮姿を視ているだけで音楽が出てくるような気持ち良さ。面白いキャラクターの指揮者さんですねぇ。小規模編成のシュトラウスって、管楽器やリズムの切れがハッキリして、これはこれで舞踏音楽らしくて楽しいこと。よく聴くと指揮者は細かいことをいろいろやってるけど、うるさくならないのは立派です。

 最初のアンコール「トリッチ・トラッチ・ポルカ」を終え、続く「ピチカート・ポルカ」では、曲の名前を伝えたら、指揮者はリズムにのせて下手に下がっちゃう。そしてコンサートを締める定番中の定番「ラデツキー行進曲」。‘マエストロ沼尻’はもういきなり聴衆の方を向き、最初から最後まで手拍子を指揮、コントロールしておりましたとさ。

 客席には子供も、近所のオバチャンも、それからTANスタッフの家族の顔も沢山。マニアは評論家はあまりいないけど、こういう演奏会もあるべきなんだろうなぁ。
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by tritonmonitor | 2006-01-23 16:37 | その他特別コンサート等

2006年1月16日(月)モンテヴェルディ・ガラコンサート 【報告:渡辺和】

 【報告:渡辺和/音楽ジャーナリスト/2階C1列12番】

最先端ニューイヤー・コンサート

 1月16日、第一生命ホールで「ニューイヤー・コンサート」が開催された。今時の季節、あちこちの文化施設がこの名前でおめでたい演奏会を行うのは、いつのまにやら恒例になっているようだけど、この晴海の場所で、トリトン・アーツ・ネットワークが主催なり共催なりして行うのは始めてじゃないかしら。今年は週末にも主催のそれが控えているようだし。

 さて、この晩の新年演奏会は、ひとことでいえば「ニューイヤー・オペラコンサート」である。なぜかNHKが松ノ内に全国放送を続けたおかげで、いつのまにかオペラ歌手がオーケストラ伴奏でオペラアリアなどを歌い上げ自慢の喉を披露するイベントは、新年の定番となっている(完全に日本独自の文化のようだが)。この日に第一生命ホールで披露されたのも、作りは同じ。オーケストラ、というわけにはいかないが、著名オペラ指揮者が統率する歌劇場のアンサンブルが、傑作オペラの抜粋や、限りなくオペラに近い独唱を披露するのだ。

 ひとつだけこの演奏会がそんじょそこらの「ニューイヤー・オペラコンサート」と違ったのは、披露されるのがヴェルディではなく、モンテヴェルディ、ということ。

 それだけの違いである。でも、決定的な違い。要するに、今、音楽ファンの間で最も最先端の流行となっている「バロック・オペラ」なのだ。「オルフェオ」、「ウリッセの帰還」、「ポッペアの戴冠」の3大傑作から名場面を抜粋。さらにはオペラにも匹敵する劇的なソロカンタータの傑作「アリアンナの嘆き」まで。アンサンブルを披露してくれるのは、モーツァルト以前のバロック歌劇上演では世界的に高い評価を受けるドロットニングホルム歌劇場の歌手と同オーケストラのバロックヴァイオリン2丁。テオルボを弾きつつ全体を統率するのはヤコブ・リンドベルイ。同歌劇場での世界最初の歌劇ペリ「エウリディーチェ」上演で絶賛されたバロックオペラの第一人者である。チョン・ミュン・フンが指揮するNHKニューイヤー・オペラコンサートにも匹敵する豪華なラインナップ。正しく21世紀の最先端ニューイヤー・オペラコンサートだ。

 音楽の内容については、別の方がモニターなさるだろうから、そちらをご覧あれ。背景に黒い屏風を立て、そこを出入りするだけの簡素極まりない舞台だが、歌手の表現力と演技で場面を作り上げる。恐らくはフィレンツェ・カメラータで世界で最初のオペラが始まったときには、ちょうど第一生命ホールの空間程度のメジチ家の一室が使われ、こんな風な演技が成されたのだろう。後にヴェネチアの裕福な商人やフランス絶対王朝の宮廷が派手な見せ物に堕落させる前の本来のオペラのあり方に接するには、丁度良い規模である。

 それにしても、ディスクやらDVDでは大人気、マニアも多いはずのこのジャンルである。レベルの高さはマニアであればあるほど判るはずだ。どうして晴海の夜会場が聴衆で溢れかえらないのかしら。「セネカの死」の絶唱を聴き、新年に相応しい安らぎと独特の厳しさを感じながらも、不思議に思ったものである。このメンバーで北とぴあ音楽祭ででも上演すれば、古楽愛好家が日本中から押し寄せるはずなのに。オーセンティシティ趣味と抜粋は相反するのかしら。もったいないこと。
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by tritonmonitor | 2006-01-23 16:31 | TAN's Amici コンサート

Link&Ringプロジェクトとニューイヤーコンサート

本日、第一生命ホールでは沼尻竜典指揮、東京・モーツァルトプレーヤーズ演奏によるニューイヤーコンサートが開催されました。

コンサートに先立ち、午後のリハーサルに、中央区・豊海小学校の皆さんが見学にいらっしゃいました。

これは、TANが2004年度より開催しているアウトリーチ「Link&Ringプロジェクト」(http://www.triton-arts.net/community/etc_action/index.html#01)の一環で開催されたもの。

1月19日に豊海小学校にて開催されたアウトリーチでは、児童の皆さんが演奏するベートーヴェンの「運命」を、沼尻さんが指導。

本日は、児童の皆さんは第一生命ホールにてリハーサル中のプロの演奏家と間近でふれあい、楽器紹介や特別に「運命」の演奏など楽しみました。

コンサートレポートを含め、詳細レポートは後日公開します。


TAN WEB編集部
NPOトリトン・アーツ・ネットワーク



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by tritonmonitor | 2006-01-20 22:51 | コミュニティ活動

2006年1月16日(月)モンテヴェルディ・ガラコンサート 【報告:羽柴真楠】

 【報告:羽柴真楠/大学生/1階4列27番】


d0046199_16475661.jpg 生まれて初めて聴くバロック声楽に包まれて、それが何の違和感もなく入ってくることに、新鮮な驚きを与えて頂いた演奏会でした。クラシック音楽という、長い歴史を持つ音楽のなかですら最初期に位置づけられる時代のモンテヴェルディの音楽から、私たちが心から美しいと感じ、感動する部分を抽出し、少しも完成度を損なわず隅々までわからせてくれるような配慮が、隅々にまで感じられました。

 プログラムは、音楽監督でありキタローネ・バロックギター奏者であるヤコブ・リンドベルイさんが、「モンテヴェルディのオペラの最も美しい部分」と、「大好きなマドリガーレ」を選んだものでした。歌劇のクライマックスは、どれも激しく、鮮烈なものでした。これらの曲を歌ったスウェーデンの若い歌手6人(名ソプラノ3名、テノール2名、バス1名)は、リンドベルイさんがこのプログラムに最も適した声を探し求め選んだそうです。

プログラムの前半はマドリガーレから始まり、歌劇「オルフェーオ」からオルフェウスがエウリディチェの死を告げられ、幸福の絶頂からどん底へと突き落とされる場面で終わりました。休憩をはさみ、後半は再度マドリガーレですっかり引き込まれたところで、歌劇「ポッペーアの戴冠」からセネカの死の場面、そしてポッペーアがアルナンタの腕の中で眠りにつく場面……というように、歌劇の劇的な場面に観客が自然に入りこむ事が出来るよう構成された演奏会で、自然な流れと波の高まりのなかで少しも飽きることなく最初から最後まで夢中で聴き入ってしまいました。

 最初のマドリガーレ「天と地と」は、歌手6人全員が、代わる代わる声を重ねながら、繰り返し詩の言葉を歌い上げていきます。6人の多彩な声が一行一行詩を歌っていくとき、詩の言葉の韻(tace-affrena-mena-giace)が繰り返し現れながら、同じ言葉の音の中にある無限の色彩をめくるめくように展開していきます。それらの韻と、完成された美しさを持つ不思議な対位法が、音の響きの多彩さの中に、驚くべき統一感を与えていました。

歌手の個性の違いは、最初のマドリガーレからすっかり伝わってきました。そして、ひとりひとりの声をじっくり聴きたい、と思ったところで、数名あるいは一名で歌われるマドリガーレが期待通りに続きます。どの歌手も、言葉の余韻が持つ翳りのようなものに、とても敏感な印象を与えてくれます。言葉が高く歌われるとき、また、低く唸るように歌われるとき、音符には書きこめない声の厚み、暖かく生々しい響きが、抑制と充実をもって使い分けられていました。特にソプラノのアンナ・エミルソンさんにこれを特に強く感じました。またすべての歌手から、バロック声楽に共通するのか、北欧独特のアクセントがあるのか、内面からじわじわと暖かいものがこみ上げてくるような、内面的で神秘的な翳りを感じました。

また歌劇では、こういった声の使い分けが、劇的な感情の表出に最大限に生かされていました。「オルフェーオ」でオルフェウスが絶望する場面の、情景の劇的な移りかわりは、単に登場人物の感情が移り変わるだけでなく、辺りの風景までいっぺんに昼から夜の闇に移り変わってしまったかのように劇的で、登場人物の言葉を歌うことで、これだけの世界を表現できることにただ驚くばかりでした。

ほかにも印象に残った事がいくつかあります。演出や衣装替はささやかながらも気が利いていて、音楽も不純物が無く、核心をしっかり味わわせてくれるものでした。選び抜かれたモンテヴェルディの「音楽の花々」は、私たちの心に身近なものとして、又印象深く届いてきました。よい演奏会を聴くことができました。
 
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by tritonmonitor | 2006-01-20 16:41 | TAN's Amici コンサート

TANモニタープロフィール:羽柴真楠(はしばまくす)


お名前  
羽柴真楠(はしばまくす)

ご所属  
文学部文学専攻 (→大学院開発経済学専攻)

音楽・音楽以外で興味のある事 
クラシック音楽は古典派からロマン派にかけてを一番よく聴きます。UKロック(デヴィッド・ボウイ)やジャズ、ブルースも聴きます。
近代芸術全般と、近代化を生み出した経済発展のあらゆる側面に興味があり、それらを現代とのつながりの中で考えたいと思っています。
              
自己紹介
東京生まれの千葉育ちです。現在千葉県在住です。今年大学を卒業し、新潟の南魚沼市で暮らし始めます。雪深い地です。早稲田まちの文化祭、東京デザイナーズブロック、横浜トリエンナーレ2005アーカイヴなどの活動に関わってきました。大学はサボりながら他学部の授業に潜り、東京では街をそぞろ歩き、千葉ではサイクリングをし、家では本を読んでいます。

TANモニター開始日
2006年1月16日「モンテヴェルディ・ガラ」
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by tritonmonitor | 2006-01-20 11:35 | TANモニタープロフィール

2006年1月16日(月)モンテヴェルディ・ガラコンサート        【報告:上田淳子】

報告:上田淳子/1階4列8番

 お恥ずかしながら、オペラやプロの合唱をホールで聴いた経験が殆どありません。そんな私の、このコンサートでの一番の感動は、”人間の声とは、これほど美しいものなのか”ということでした。バロックの歌、歌唱法については、まったく知識も持ち合わせておりませんが、キタローネの演奏と共に、音楽監督でもあるリンドベルイが「このプログラムの演奏に最も適した声の質を探し求め、スウェーデンの若い歌手たちを選びました」ということも功を奏していたかもしれません。(プロフィールによれば、みなさんバロックの専門家のようでした)

 プログラムは前半にマドリガーレ(マドリガル)を5曲、その後に歌劇「ウリッセの帰郷」より数曲、そしてまたマドリガーレ、最後に歌劇「オルフェーオ」より数曲。休憩を挟んで後半はまたマドリガーレ5曲に、歌劇「ポッペーアの戴冠」より抜粋、最後にマドリガーレという内容でした。

 マドリガーレは世俗歌曲などと訳されたりしていますが、モンテヴェルディの作品は牧歌的なものから劇的なものまで様々です。このコンサートの一番最初の曲「天と地と」は、ヴァイオリン2本、キタローネによる通奏低音の伴奏にソプラノ3人、テノール2人、バス1人の6声でしたが、あっという間に彼らの声に魅了されてしまいました。ホール全体に6つの声が溶け合って、響いてきました。

 歌劇「オルフェーオ」の前の「ニンフの嘆き」ではソプラノのマリア・コヘインが可憐な声で愛の苦しみ、悲しみを歌いあげましたが、少し振りも付き、恋に破れたニンフを演じていた姿に引き込まれました。

 後半の歌劇の前の一曲「ほんとうのことだ」ではテノールのリンデロートが朗々と歌うのですが、合間合間に合いの手のようなヴァイオリンとキタローネの演奏が入り、そこから歌への受け渡しもなかなか見事なものでした。

 さて歌劇のことも書かなくてはなりません。バロック時代の作品なだけに、題材がギリシャ神話、ローマ時代のものである事も面白いものです。ガラ・コンサートと言いつつも、演奏者(歌手)たちは、ちょっとした小道具を使ったり、女性たちは、それほど豪華なものではありませんが、曲にあった衣装に着替えたりして演出も気が利いていました。「オルフェーオ」では、喜びの歌をみんなで歌っていたと思ったら、使者であるヘレナ・エックによって死が伝えられますが、悲しみを見事に表していました。それまでの雰囲気をガラっと変えてしまうのはすごいことだと思いました。最後の「ポッペーアの戴冠」では、それまでの曲では、どちらかといえば縁の下の力持ちの役まわりであったバスのビョークが哲学者セネカを重々しく、存在感たっぷりに、一方ポッペーアのコヘインは無邪気な女性を演じていたのが対照的で楽しめました。

 歌い手のことばかりに触れてきましたが、初めてキタローネという楽器も目にしました。リュートの仲間だそうですが、ネック(竿)がとても長い楽器で、低音の撥弦がとてもよく、17世紀ごろの歌の伴奏には通奏低音としてよく演奏されたそうです。今回耳にした、モンテヴェルディの音楽にはヴァイオリンも現代のものでなく、古楽器を使って演奏したことで、非常に効果があったと思いました。

 自分からは行かなかったであろう演奏会をモニターさせていただきましたが、非常に良質で、とても素敵な音楽に巡り会えたことに感謝です。
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by tritonmonitor | 2006-01-19 14:05 | TAN's Amici コンサート

TANモニタープロフィール:上田 淳子(うえだじゅんこ)

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上田 淳子(うえだじゅんこ)

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大学図書館

音楽・音楽以外で興味のある事 
音楽はクラシックを一番聞きますが、演奏する方が好きかもしれません。最近は人に誘われて、ジャズのライブに行くようになりました。お酒を飲みながらなど、クラシックとはまた違った聞き方を楽しんでいます。

 音楽以外でも色々興味を持つことはあるのですが、手がまわらないのが現状で、少し音楽にかける時間を減らさなければ、と思う今日この頃です。               
    

自己紹介
両親の話によると小さい頃から何か音楽が聞こえてくると、ご飯を食べながら、体でリズムを取っていたようです。
 4歳ごろから高校1年生まで細々とピアノを習っていましたが、大学でオーケストラに出会い、ヴァイオリンを手にして早○○年。現在はオーケストラや、室内楽での演奏を楽しみ、練習の合間に家事と仕事をしております。
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by tritonmonitor | 2006-01-19 14:02 | TANモニタープロフィール