NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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2007年3月3日(土)A.ヴァルターのフォルテピアノとともに

2F-1-9番 佐々木久枝(会社員・華道教授/中央区在勤)

桜開花は遅れそうだけど、3月に入るといよいよ晴海にも春がやってくるなと思う今日この頃。思いがけず予定が空いたので、久しぶりに土曜日の演奏会に出かけました。
平成の世にあってベートーヴェンの頃のフォルテピアノで、珍しいプログラムの演奏を聴けるというのは思いがけないお雛祭りプレゼントになりました。

交響曲第2番二長調はピアノ三重奏版。第1楽章アダージオ/アレグロコンプリオでは歯切れ良いフォルテピアノにのって他2者も華やかに入っていきましたが、オペラ序曲を思わせる軽やかさや中間部での圧倒的な音の渦が広がりました。第2楽章ラルゲットクワジアンダンテでは穏やかなコラールが広がっていきました。対話するフォルテピアノと他2者とが中間部分での付点となめらかなフレージングのかわるがわる登場する場面や、短調部分の静かな熱さ等、次々と聴き進めていきました。奏者お互いの合いの手もぴったりで、聴き心地のよい事。第3楽章スケルツォでは軽快なフォルテピアノが意外にも音量が出るのが新鮮な驚きで、ヴァイオリンとチェロが滑らかに弾いていました。第4楽章アレグロモルトでは特色あるフレーズにトリルが彩りを添え、冒頭部分でのフォルテピアノは全力疾走に近い弾きぶりで、チェロはこの快速にのりつつもたっぷりと歌っていました。いつもは大人数で弾いていくところをいわば2人がオーケストラ部分の”ソリ”を弾くので、腕前が否応なしに露呈してしまうのですが、全体の音バランスを念頭に置いていて、圧倒的な前進の感覚がみてとれました。

続いては小倉さん独奏による「テンペスト」(ピアノソナタ第17番ニ短調)。かつてイエルク・デームス所蔵という膝ペダルの構造がようやくはっきり見えました。(余談ながら筆者はかつて成城学園のサロンでデームスによるゴールドベルグ変奏曲を聴いた事がありますが、その時にこのA.ヴァルター製のフォルテピアノで聴いたらどのような響きが聴けるか、ふと想像しました。)第1楽章ラルゴ-アレグロではメンデルスゾーンのピアノソナタ第1番の緩徐楽章での分散和音を思わせました。以前聴き慣れた演奏より早め早めのパッセージでしたが、モダンピアノとフォルテピアノではペダルの構造に大きな違いがあると共に、今回のヴァルター製楽器で聴いていると、モダンではペダリングでよく見えなかったメロディラインやフレージングがくっきりよく分かりました。第2楽章アダージオは旋回音型の右手に呼応する左手の和音がどこか懐かしさのこもった響きを生み出しておりました。モダンピアノでのきらめくような響きも好きですが、この日弾かれたフォルテピアノの響きは更に心深くしみ入っていく印象でした。この日の白眉ではないかと思われ、思わず目頭を押さえてしまいました。第3楽章アレグレットでは左手のボリュームがあれ程までによく大きく出るものだなと感服しました。冒頭から比較的たたみかけるようなテーマ提示がが実に劇的で、高音での切々とした語りに低音部分での毅然とした弾き口は、作曲者の心の葛藤をも弾き出しているように思われ、非常に印象深く聴きました。弾き上げて一瞬の沈黙の後、割れんばかりの拍手に包まれました。聴き手も皆息をのんでいたのだろうなという様子が伝わりました。一緒に聴いていた愛好仲間もこのテンペストにはすっかり感服していました。

休憩後は弦楽パートが更に増え賑やかになったところでピアノ協奏曲第4番ト長調の室内楽版。第1楽章アレグロモデラートでの、あのおなじみの冒頭フォルテピアノ独奏の問いと伴奏部分の応えがリズム取り等斬新な響きでした。とは申せ、モダンピアノに比べると随分とまろやかな響きで、室内楽版にいかにも似つかわしい響きと思ったのは私だけでしょうか。それをふんわりと受けて応答する弦楽陣も心地良い響きを奏でていました。展開部分の短調部分でのフォルテピアノの軽やかかつ力強い弾き口に弦アンサンブルも寄り添うような演奏でしたが、続くカデンツァでは随分ストレートに弾き進められており、聴き手にもストレートに伝わってきました。コーダに向かう弦楽も艶やかに加わり、1つの楽章で随分”お腹いっぱい”のアンサンブルでした。第2楽章アンダンテ・コンモートでは前楽章と対照的に弦が鋭く切り込むように曲に入り、フォルテピアノがつぶやくように弾き進めていましたが、いずれもメリハリがよくついている演奏でした。第3楽章ロンドヴィヴァーチェではピアノフォルテの冒頭主題でのフレージングに独特の”ため”をきかせており、この楽器の持つ表現の広さや面白さが披露されたように感じられましたし、普段聴かれるよりも幾分かゆっくりと弾き出される全体ピチカートが絶妙でした。カデンツァはモダンピアノよりもむしろ迫力があり、旋回音型で徐々にクレッシェンドしていく部分は聴きどころに感じられました。

アンコールはピアノ協奏曲第5番「皇帝」の第2楽章。愛聴するルービンシュタインのロンドンフィル盤でも聴かれたつぶやきと、それよりもやや速めのテンポのアンサンブルとが調和しており、是非「皇帝」も全編聴いてみたいと思いました。
出演者の方々もこのホールでの響きを堪能したようで、改めて奏でる人と楽器と楽曲との調和というものの大きさを感じさせられたひとときでした。
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by tritonmonitor | 2007-03-27 00:24 | TAN's Amici コンサート

2007年3月21日(水・祝)プレアデス・ストリング・クァルテット

2F-1-3番 佐々木久枝(会社員・華道教授/中央区在勤)
「師匠達、デビュー」

作曲者にとっても時代にとってもあまりポジティブに取り扱われなかった、ピアノソナタ第9番ホ長調を移調編曲した弦楽四重奏曲ヘ長調。これは個人的にピアノで練習しようと考えていたので、和声や強弱の点で非常に参考になりました。第1楽章アレグロモデラートでは第1ヴァイオリンが初めややたたみかけるように弾いており、続く第2楽章アレグレットでは艶やかな付点をもって流れるようなアンサンブルが繰り広げられ、ヴァイオリンどうしが寄り添うように弾き合っておりました。変二長調のトリオ部分でのいっそう緩やかな揺れ動きが印象的でした。第3楽章アレグロでは飛躍する音型の妙を楽しめました。第1ヴァイオリンの激しい提示に呼応するかのように他3者の揃って鋭い三連がフィナーレを形作っていたと思います。

続いてはこれに対して人気曲でもある弦楽四重奏曲第1番へ長調。第1楽章アレグロコンブリオは優雅な第1ヴァイオリンとチェロに挟まれて2つの内声部は細やかに弾いておりました。トリオ音を交えて旋回部分での激しさ増したビオラは味わいあるメロディを奏でておりました。軽やかで文字通りゴキゲンな楽章ですが、難度高さを何ら感じさせない、さすがは師匠達の演奏でした。ロメオとジュリエットから着想を得たという第2楽章アダージオでは、明るい部分での夢見るような響き、中間部で突如チェロが激しくもめまぐるしい強音での展開する短調部分はまるで嵐の中を思わせる、恋の刹那を描き出していました。ビオラに始まる長調部分は慰め部分は大変対照的かつ丁寧に描かれており、ストップモーションを思わせる緊迫部分にも聴き入りました。これだけ内面を描き出せるベートーヴェンが歌劇を1作しかものしていないのが何とも勿体無いと思い起こさせてくれる演奏でした。第3楽章スケルツォのヘ長調部分は正に起承転結の「転」、中間部での舞曲風の刻みはまるで第1ヴァイオリンの為のコンチェルトのようで、拍の後ろも意識しつつここをさり気なく弾き通すところにも改めて敬服。第4楽章アレグロはこれもまた軽快にして快活な節回しに低音部の合いの手が絶妙。どのパートの響きをも均等に置いたと言われているハイドンの如く、どの奏者も対等に渡り合っている演奏でした。

休憩後はこれもまた人気”ラズモ”ものの弦楽四重奏曲第9番ハ長調、第1楽章アンダンテコンモート/アレグロヴィヴァーチェは、最初の不安気な減7和音から文字通り揺れ動きを伴ったフレーズを経て突如明朗快活な展開ではすっかりツボを心得た演奏、自在にテーマを操っており、コーダ部分でのたたみかけるようなアンサンブルは、今や恒例となっているアドヴェントのみならずこの時期にあっても受講生達にも聴いてもらいたいと思いました。現に私の周辺にもお弟子さんとおぼしき若きお客様が楽器携えて聴き入っておりました・・・・彼らは幸せ者です。何故か私はここで「告別」ソナタの第2楽章からフィナーレに向けての揺れ動きや次の瞬間の喜び弾ける部分を思い浮かべましたが、いずれも私の”ツボ”にはすっかりはまりました。第2楽章アンダンテ、アレグレットでのチェロの”ジャジー”なピチカート演奏には一瞬コンサートホールにいるのを忘れさせるような(笑)ノリの良さ。このリズムに乗ってオリエンタルな趣を持つ他3者のメロディが絶妙でした。展開部で代わってチェロがメロディ歌う部分も秀演でした。イ長部分での描くパートの歌い交わしや、ラスト部分にも聴き入りました。第3楽章メヌエットもまた起承転結の「転」で、チェロが悠々と支える上で他3者も伸びやかに歌を聴かせておりました。注目の第4楽章アレグロモルトで多くのクァルテットはここを”超快速”に駆け下りるとの事ですが、当夜の演奏イメージは「センプレ・ヴィヴァーチェ」。速度を響きの幅に見事置き換えてシンフォニックに聴かせてくれました。第1ヴァイオリン→ビオラ→第2ヴァイオリン→チェロと次々リレーされていく中でも熱いテンション保って弾ききっており、フィニッシュ後は場内から熱烈な拍手が送られました。

アンコールでは冒頭の「ややマイナー」な曲の第2楽章。晴海”初登場クァルテット”のみずみずしくも熟された師匠達の音色を堪能しました。
この日第2ヴァイオリンの方がケガされていたようですが、いざ楽器を手にして曲に入ると全く違和感がありませんでした。スポーツ選手ではないですが、「気合だー!!」ではなくとも「集中だー!!」なのでしょうね、きっと。
当夜ベートーヴェンの弦楽四重奏曲全曲演奏に出発した”新しき百戦錬磨”の面々。今後の展開が楽しみです。
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by tritonmonitor | 2007-03-26 19:43 | SQWシリーズ

2007年3月25日(日)育児支援コンサート子どもを連れてクラシックコンサート

前半:ねこ組スタジオ/後半:1F-10-5番 佐々木久枝(会社員・華道教授/中央区在勤)

この日は朝から雨風が強く、前夜は傘が吹き折られそうになったのもあってお客様は大丈夫だろうかと思いつつ準備に入りました。私の入ったスタジオはいわば御近所の4-5才の子供達。事前に知らされた人数より参加者が増えており、一体どうなるのかと思いました(笑)。さて、スタジオに加わって下さったのはフルートコーナーで、実演は佐久間さんとお弟子さん男女お二人でした。リハーサルでも男性のお弟子さんの軽快なトークを聞かせていただき、我々サポーター達も大うけ。また恒例の”楽器解体”では普段ステージやテレビで見かける楽器があっという間にケースに入る大きさになり、はるか昔にリコーダーを習った身にとっては非常に懐かしいものでした。

さていよいよ開場してスタジオも受け入れ開始。猫のイラストの描かれた水色のカードを首に下げていつもよりちょっとおめかしした子供達が次々とスタジオに入ってきました。尚、今回は後述の全体コンサートで使用するおはなし本に登場するキャラクター毎に色分けカードが用意されました。他には黄色カードのあひる組、ピンク色カードのりす組、緑色カードのかぼちゃ組。それぞれファゴット・オーボエ・ホルンの演奏家がスタジオ参加下さいました。全体開演までの約30分間は私達サポーターもフル回転。折り紙でいろいろと折りながら絵の描かれた模造紙に次々と貼っていきましたが、どの模造紙ゾーンも満員御礼!!皆はいろいろな折り紙の折り方を知っていて、お家や小鳥、チューリップ等を次々と折っては糊をつけて!!と私に差し出してきました。私も犬やトトロ(?)を折って一緒に貼ってみましたが、子供達の折り上がりの方が上手だったかもしれません(笑)。
友人との話題にもよく出るのですが、このくらいの年齢から指先が細かく動くと楽器を始めるにもちょうどよいのだろうなとも改めて思いました。さっきお家を折ってくれた女の子は前日ピアノの発表会で2曲弾いたんだと報告してくれましたっけ。フルートは皆初めて!!とちょうど遠足の前夜のようにはしゃいでいました。

さて、スタジオ開始となり、魔笛のパパゲーノのアリアから。佐久間さんと女性のお弟子さんが二重奏している中で男性のお弟子さんがパパゲーノよろしく吹きつつ登場。このお弟子さんの話術はさすがで、リハーサル以上にテンションが上がっておりました。最低音から最高音まで一気に吹いていく中で能管を思わせる甲高い音に子供達はウワーっと大騒ぎ!!勿論これは予定内の展開でしたが、更にコップ等の小道具で楽器の仕組みを分かりやすく説明するあたりでも大喜び。またカルメン抜粋の演奏では子供達も実はよく聴いた事があるようで、演奏後には口々にこれ知ってる、知ってる!!と叫んでいました。途中クーラウのトリオ直前で何人かの子供達とお手洗いに走る場面もありましたが、受付サポーターさん達の協力もいただき無事に演奏中に戻る事が出来ました。今回は前回までの反省をふまえ、親御さんのお迎え時にスタジオ内に順次入っていただいた事もあって大きな混乱なく引き合わせる事が出来ました。片付けをお手伝い後、私がホールへ行きましたが、本日満員御礼のカフェ前ではさっきまで一緒に遊んだ子供達が親御さんにスタジオの報告をしている光景があちらこちらで見かけられました。今回はホール内は勿論、スタジオお迎えの際にもお父様の姿が多く見られましたが、共通の楽しみを分かち合って一日を過ごすというスタイルが日本でも徐々ながら出てきつつあるのでしょうか。

第2部「みんな一緒のコンサート」ではまずイベールの3つの小品から。第1曲は軽快なリズムが前面に出ており、第2曲では佐久間さんのフルートがグイグイ音楽を推し進めていく印象で、クラリネットの高橋さんが伸びやかに重なって、音色の重なりには子供達でなくとも聴き入りました。第3曲はオーボエの広田さんの艶やかさとフルートとの絡みがコミカルに展開していき、周りの子供達も身を乗り出さんばかりに聴き入っていました。
続いて音楽と絵本「かぼちゃスープ」(ヘレン・クーパー作・せなあいこ訳)が披露されました。春色を思わせるパステルグリーン調の衣装で登場した山下千景さんの表情豊かでリズミカルな朗読は親御さんも熱心に聞いておられたようです。ピアニスト仲道さんとの共演コンサートの御経験もあるので、音と言葉とで織り上げていくステージを堪能出来ました。選曲もテュイレからリゲティまで変化にとんだ構成で、物語の展開にはまっていたと思います。

第2部終了後はすぐにロビーへ。ねこ組メンバーとさっきスタジオで作った折り紙模造紙を掲げながらお客様をお見送りしました。程なくホールを出てきた同じ色のカードを下げた子供達が模造紙に駆け寄って自分の折った折り紙を親御さんに指差して見せていましたが、親御さんも我が子の力作に驚くやら喜ぶやらしつつ我々サポーターに様子を聞いてきました。また来るね!!と手を振って声かけてきた子供達にとって、この一日がもっと音楽を好きになるきっかけとなりますように。
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by tritonmonitor | 2007-03-26 17:31 | ライフサイクルコンサート

春らしい装いで・・・

 3月ももう半分を過ぎましたね。さて春の訪れは、といえばこちらはまだまだのようです。

 佃の桜はつぼみがだいぶふくらんできましたが、開花まではまだ少しかかりそう。せめてTANモニターブログでは一足先に春を感じてもらおうと、壁紙を春らしい装いにしてみました。

 いかがでしょうか?

 3月はあさってのプレアデスSQ、育児支援と続きます。その後、4月はハープの吉野直子さんまでホールでの公演はありません。

 来シーズンのSQWシリーズの中身も決まりつつあります。5,6月の公演もお忘れ無く。

 
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by tritonmonitor | 2007-03-19 19:29 | チャットルーム

2007年3月3日(土)ベートーヴェンのアンサンブル


<A.ヴァルターのフォルテピアノとともに>
ベートーヴェンのアンサンブル

【報告:井出春夫 (会社員・TANサポーター) 2階C2列1番より】



 黎明橋の動く歩道に乗りポーと川岸の木々を眺めていると、つい最近までイルミネーションが飾られていた木々が自ら赤い花をつけていた。それまでは、そんなことかんがえてもみなかったけど、「春の気配は結構近くまできてるかも」と思いながら橋を渡った。

 今日は、ベートーヴェンの交響曲第2番(ピアノ3重奏版)、ピアノソナタ17番「テンペスト」最後にピアノ協奏曲第4番である。これをベートーヴェンが生きていた頃のピアノで聞くというのがとても興味深い。

 第1曲目の交響曲第2番が始まった。正直なところ、現在使われているヴァイオリンとチェロではピアノがかなり健闘をみせてもやや押されているように感じられた。

 2曲目の「テンペスト」はとても素晴らしいということに尽きるのではないだろうか。
 この楽器ならではの実に繊細な音楽の表現が聞いていて感じられる。そして音があたたかい。


 休憩をはさんで、ピアノ協奏曲第4番。実は、1曲目でピアノがやや押されていたので心配していたのであるが、こちらはとりこし苦労であった。ピアノと弦楽器が見事な調和を示していた。私事を書かせていただくと、この曲の2楽章を聞くときいつも自分が思い出すことがある。「この楽章は、オーケストラがとても威張っている男の人でピアノは何もいうことができない女の人みたいな感じの楽章なのだと。」テレビかなんかで聞いたように思う。少なからず、今まではそんな風に思っていた。しかし、室内楽で聞いてみると、弦楽器が必ずしも威張っているわけでなく、ピアノは必要な事はしっかり言えてしかも甘え上手なのではないかと感じた。3楽章は、掛け合いがとても素晴らしくさらに、同じフレーズが繰り返されるときの曲想の変化がとても楽しかった。

 アンコールは、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」の2楽章。この曲の演奏も素晴らしかった。


 来年は、シューマンだそうである。どんなピアノが登場し、どんな演奏を聞くことが出来るのだろう。今からとても楽しみです。

 
 
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by tritonmonitor | 2007-03-19 19:21 | TAN's Amici コンサート

2007年2月21日(水)パシフィカ・クァルテット

2F-1-43番 佐々木久枝(会社員・華道教授/中央区在勤)

確か、前回聴いた時はあのアクシデントが起きた直後だったと思う・・・・アクシデント発生により本来のスケジュールでの公演がかなわず、その後”自腹で”カーターの全作演奏会を行った時だったような。そのひたむきなアーティスト魂に打たれた音楽愛好者達による会場カンパの光景にこの上なく感動したのが昨日のように思い出されました。リベンジと位置付けられるような演奏会だったかもしれませんが、彼らの紡ぐカーターの楽曲には今、この場で音を紡ぎ、それを聴き手も同じ場で分かち合うこの上ない喜びが満ち溢れていました。

・・・・あれからどれだけ経ったのでしょう。
彼らは音楽を紡ぐ喜びはそのままに、一回りも二回りもうんと大きくなって晴海に帰って来てくれました。スタッフさん達からその後の彼らの精力的な活動の報告をいただいた時も思わず目を細めて聞いていた私ですが(まるで親みたいですが・・・・)あのカーターでの勢いある演奏ぶりが懐かしくも感じられつつ当日の開演を迎えました。

メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第1番変ホ長調では、作曲者のうら若き勢いとパシフィカの若々しい勢いとが重なり合った演奏でした。第1楽章アダージオでは第1ヴァイオリンのシミン嬢奏でる艶やかで甘いメロディ提示に他3人が寄り添うように弾き合うのが印象的。アンコールピースとして多く弾かれる第2楽章カンツォネッタアレグロでは小粋で透き通るような響きがホールに広がりました。少し前に書かれたピアノソナタ第1番ホ長調の第2楽章をも思い起こさせましたここで聴かれたテーマとユニゾンのサブテーマからテンポが上がって中盤ではピアノの両手交差を思わせるようなヴァイオリン2人と低音部との対話が軽やかさに満ちた中にも旋律がよく歌い出されていました。第3楽章アンダンテエスプレシーヴォでは有名な無言歌を彷彿とさせるものがあり、弦の無言歌が丁寧に歌い進められていました。中でも第1ヴァイオリンの表情豊かにアンサンブルを引っ張っていく(否、導いていく)様子が客席にも伝わってきました。第4楽章モルトアレグロエヴィヴァーチェでは、タランテラ風な熱狂的テーマが激しくもメランコリックに弾き進められていきましたが、第1ヴァイオリンの思い切りの良さには身を乗り出しました。中間部でのやや抑え気味の部分も巧みでしたが、野生的でなくとも音楽の”芯”というものをさり気なく掴み取っていく上手さというのが、作曲者のみならずこのパシフィカにも備わっているんだな、という事を改めて感じました。調性がめまぐるしく変わっていく中あたかも彼ら自身がこれを心から楽しんでいるという印象を受けました。

ヤナーチェクの弦楽四重奏曲第2番「ないしょの手紙」は今回初めて聴きましたが、テーマがオペラ等で取り上げられるとややもすると”どぎづく”なりがちなものを、この作曲者の手によると、どちらかと言えば「そうかそうか」と膝突き合わせて(一献交えつつ?)話を聞いてあげたくなるような近さを描き出していたように思われました。第1楽章アンダンテコンモートでは現代ドラマのBGMにも使えそうなヴィオラの旋律に、心の揺れ動きを感じ取りました。マクロ(?)的視野から見ても、反復する初対面モチーフとヴィオラの奇妙な響きは内心ただならぬ心の揺れ動きがよく描かれていたと思います。第2楽章の冒頭アダージオでは神秘的で秘め事と思い起こさせる印象でした。その後テンポが緩急織り交ぜ展開する中にも心の動揺が色濃く時系列的に描かれており、初めて聴いた割にはすんなりと入っていく事が出来ました。第3楽章モデラートでは全体的にスラヴィックな色合いが濃く、中間部でのトロイカを思わせるような細かい動きでも、パシフィカは余裕を持って更に表情を込めて弾き進めていました。彼女に心ときめいているものの同時に何かに怯えている心の針の揺れが不安定に行き来するかのように進む心境を巧みに表していました。第4楽章ロンドでは荒れ狂うような主題が最初から展開していき、いわば「愛のエレジー」とでも申せそうなテーマが弾き進められていましたが、中でもチェロが驚くくらいの迫力でした。フィナーレでの第2ヴァイオリンのピチカート、低音部分の分散和音が聴き所で、終盤のたたみかけていく部分とヴァイオリンのメロディから激しくテーマ提示する第1ヴァイオリンとチェロのモチーフ表現は見事でした。「死のモチーフ」で激しい感情を吐き出した後のフィナーレでのほのかな明るさや静けさを以て、全てを”告白”した安堵感もしくは脱力感を描き出していました。このように明快な描き出しをするパシフィカのヤナーチェクはお勧めかもしれません。

後半はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第13番、大フーガ付でした。作品発表時からその難しさ故に非難ごうごうだったそうですが、彼らの紡ぐベートーヴェンサウンドはそのような難解さを感じさせないどころか、気が付くと曲に入っていたというような自然なものでした。土台をしっかり固めていると、どのような作曲家についてもより積極的にアプローチ出来るものだという事を、身を以て示してくれたと思います。本番後に他のサポーターさん達とも「今回のベートーヴェンはすんなり入れた!!」と見解を一にした次第です。

瑞々しくどこか艶っぽささえ感じられた第1楽章アダージオ~アレグロに続き、第2楽章プレストではあっさりと細かいフレーズを弾き、緩急も巧みな彼らの底力にただ圧倒されるばかりでした。第3楽章スケルツォ(アンダンテ)ではチェロの刻みに乗ってシンフォニックな演奏でした。ステージ上には4人しかいない筈なのに、オーケストラ並みの響きの幅広さを存分に発揮していました。第4楽章ドイツ舞曲風のアレグロアッサイではト長調の典雅な響きが魅力的で、全体的に第1ヴァイオリンが特に艶っぽさが際立っていました。所謂大人の響きとでも申せましょうか。第5楽章のアダージオのカヴァティーナでは情感込めて歌い上げられ、ヴァイオリンの艶やかさと敬虔さには思わず感涙にむせてしまいました。恐らくこの部分で感動された方は多いのではないでしょうか。この時ばかりは世の憂いを振り払ってくれ、心洗われるような歌い口にしばし聴き入ったひとときでした。
さて、いよいよ大フーガ。3つのテーマの同時進行なのに、彼らパシフィカの手にかかると糸の絡みやもつれがすっとほぐれて綺麗に三つ編み(否、四つ編み!?)されていくのが不思議なくらい心地良さ。フーガのテーマを追うのも聴きものですが、演奏という行為を通じて語り合っているパシフィカの面々の姿もまた魅力的。ユニゾンをストップモーションを巧みに織り交ぜていく部分の手腕には思わず唸らされました。

アンコールはマスミさんのMC(?)でバルトークの弦楽四重奏曲第4番から第4楽章。こちらも今正に旬のパシフィカのイキの良さを聴かせてくれました。本番後のサイン会には熱心な聴衆の列が続き、東京の弦楽シーンの静かな熱さを感じさせてくれる光景でした。
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by tritonmonitor | 2007-03-04 23:17 | SQWシリーズ

2007年2月21日(水)SQW#54 パシフィカ・クァルテット 

【報告:川澄直美(TANサポーター)1階14列25番より】

 今回の演奏会で凄いと感じたのは、演奏力の底力のようなもの。

 プロフィールによれば、シカゴ大学とイリノイ大学で、クァルテット・イン・レジデンスを務めているとのこと。日本では馴染みのない、クァルテット・イン・レジデンスとはどんな制度なんだろう、考え込んでしまいました。確か、ボルメーオ・ストリング・クァルテットもそうだったなと思い出しながら。

パシフィカQもボルメーオSQに続き、A(アーティスト)I(イン)R(レジデンス)のプログラムでSQWの演奏会の他、近隣の地域での小さなコンサートを10日くらいの間で何ヶ所かこなし、さらに、広島・鵠沼・名古屋・横浜でもコンサートが開催されていたとのこと。私が聞いた第一生命ホールでのSQWでは、そんなハードスケジュールを感じさせない。そして、それぞれの曲の個性を楽しませてくれたと、そんなことを感じながら聴いていました。

 最初はメンデルスゾーン20歳の時の作品で、弦楽四重奏第1番。
若いときの作品とは思えないような凄みみたいのを感じました。確か第1バイオリンが誘導して終った第1楽章で、思わず拍手しそうになった人がいたような。そんな小さな音が、2楽章との間に聞こえたような感じがしました。思わずって感じがよくわかる。そんな演奏でした。

 ヤナーチェクの弦楽四重奏第2番は晩年に作られたそうで、最初は「ラブレター」そして後に「ないしょの手紙」とタイトルが変更になったとのこと。その経緯をプログラムで読んだ後、演奏を聴いていたら、なんとも楽しい。ほほ笑ましい。ちっとも「ないしょ」じゃなくて全部、描きだしているように感じられました。苦手だと思ってた現代音楽なのに、そんなこと関係なくなってしまったようで聴かされてしまった。

 そして、最後はベートーヴェン。これも晩年の作品。6楽章編成で、最後は大フーガ。
昨年の暮れに公開されたベートーヴェンの映画でも描かれていたけれど、作曲された当時、難しいと批判されていたとか。21世紀になって、難しい曲が易しくなるわけではないけれど、どんな演奏してくれるんだろうといった楽しみを聴く人が持っているのは、変わってきたことなんだろうなと思う。(確か、映画の中でのベートーヴェンは、この曲は未来の人のために作った。というセリフがあったような)気になる大フーガよりも、この日、私が一番ぐっと来たのは、第5楽章のカヴァティーナでした。それこそ思わず、涙が滲んでしまったほど。泣かされました。

 この泣かされてしまうほどの底力は、レジデンスということで、生活と弦楽四重奏が一体となっている時間が確保されているのだろうか。だからこそ、積み重ねられた練習の賜物を、聴くことができたんだろうなと思ったら「ないしょの手紙」を聴き直したくなり、CDを購入してました。

 パシフィカQは来年以降、ベートーヴェンを演奏するとか。楽しみが増えてしまいました。
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by tritonmonitor | 2007-03-03 17:05 | SQWシリーズ

2月17日 実は、大人も弾いてみた~い 弦楽器体験Vol.2 (for TANサポーター)

【体験レポ:山白真代(体験サポーター)】

 先月の弦楽器体験に続き、第2回目の弦楽器体験が実施されました。
前回経験した方、また体験が初めてという方等合わせて10人程の方に参加頂き、アットホームな雰囲気の中、スタート。

 今回は、ゲスト・ナビとして柏原さんを迎え、ヴァイオリンに加えてチェロの楽器体験をしてみようというプログラムでした。まずは、チェロという楽器の話を交えて、チェロの音色や響きを知る為に1曲ご披露。
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(写真A)


 そして、前回の復習を兼ねて、楽器の出し方や手入れ方法をナビゲーターよりレクチャー。弓の緩め方、楽器の持ち方等ひとつひとつを配布資料に基づいて、 丁寧に説明。いざ、私たちも実践。まずは、楽器を出すところから・・・。
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(写真B)


最初は、楽器に触れるのも恐々な感じでしたが、慣れると、意外と簡単!次は、弓に松ヤニをつける練習です(塗りすぎないように注意しないと。)

 準備は、オッケイ!いよいよ、楽器を構えて音を出してみます。皆さん、かっこよく様になっていました!今回登場のチェロにもトライ!
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(写真C)


 基本のテクニックを教わったので、スムーズに音を出す事が出来ました。こうやって、自分で実際に弾けるとますます、楽しくなってきます。

 音が出たところで、次に調弦。まずは、チェロの「ラ」の音に合わせて、調弦します。楽器のネックの部分の糸巻きネジを撒き、音の高さを合わせます。あっ!撒きすぎたのか弦が切れてしまいました。
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(写真D)

 これも経験!折角なので、弦を張るデモストレーション。弦を張るところなんて、普段の生活の中ではなかなか見られません。これも貴重な経験です。

楽器の準備が整ったところで、音階のレクチャーです。最後は、みんなで音階の合奏までたどり着きました。慣れるまで、なかなか難しかったですが、1時間半の時間でここまで出来るなんて、予想外。次回(3/17)は、いよいよ総まとめ。『家路より』の有名なフレーズに楽しく挑戦してみます。乞うご期待!

♪弦楽器体験とは・・・
実は、大人も弾いてみた~い!弦楽器体験”は、子ども達に向けての弦楽器体験をお手伝いした時に、実は、大人も(子ども以上に!?)弦楽器を直に触 れ、体験したいのではないかと感じたのをきっかけに始まりました。この体験を通して、参加したみなさんが共に楽しい時間を過ごし弦楽器の新たな魅力を見つけてもらえると、とてもうれしく思います。

また、この体験を重ねる事により、今後のアウトリーチ活動や、楽器体験のワークショップ等に活かせるサポートテクニックを身につける事を目的にしています。


*弦楽器体験では、JPモルガン・菊池サポーターより寄贈頂いた楽器を使用しております。
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by tritonmonitor | 2007-03-03 16:48 | コミュニティ活動