NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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2007年3月1日(木)クラシックはじめのいっぽ プレ企画2 ~ピアノ編~

小山実稚恵は昼間の1時間も夜の厳しさで満たしそして満足させる
【報告:渡辺 和(音楽ジャーナリスト) 1階18列30番】

 前回1月末の「はじめのいっぽ」プレ企画、ヴァイオリンの矢部達哉氏演奏会があんまり素敵だったものだから、今度は我が長屋のお隣りさん、築地魚河岸ご隠居に声をかけてみた。なにしろ夜の9時過ぎには寝ちゃって、筆者が寝ようとする頃には起きて路地の掃除を始めてらっしゃる健全なる佃島住民なのだ。いくら運河筋を歩いてすこしの第一生命ホールだろうが、夜のコンサートにお誘いするわけにはいかぬもの。

 冬らしい寒さもないままに梅も咲き、3月になった湾岸の昼前、トリトンスクエア・グランドロビーに向かう大エスカレーターに吹き付ける風は、まだちょっと冷たい。朝潮運河の向こうに林立する高層マンション群を眺めながら、夜の演奏会ではお見受けしないような奥様方が、「海が近いと風が強いわねぇ。まあ、あちらが日本橋の方かしら、ちょっと来ないと東京の田舎者になっちゃうわ」って、カラカラカラと高笑い。こんどはうちのお父さんと一緒に来ましょう、なんて興奮気味に語り合ってらっしゃる。ホント、一緒にいらしてくださいね。魚河岸ご隠居も「昼間なら行ってみましょう」と仰ってたし。隣近所でコンサート、なんかちょっと不思議です。
 ホールに入っても、聴衆は圧倒的に奥様ばかり。思いのほか熟年2人連れが見えるのは嬉しいけれど、意外に多いとは言えない数だ。客席を埋める人の数そのものは、かなり入ってるなというくらい。やっぱりピアノのコンサートは敷居が低くなるのかな。1階平戸間まで、きっちりネクタイを締めた老旦那からご挨拶された。ぼーっとしながら「あ、どうも」なんて返しておいて、「誰だっけな、なんて思ったら、あれ、なんとお隣の魚河岸ご隠居じゃあありませんか!」スーツ姿なんて初めて見た。そうか、コンサートホールというところは、佃の老兄さんにきっちりした格好をしなければと思わせるハレの場なんだっけ。
 
 さて、時間となって、小山さんが登場。夜のコンサートと違わぬ白いドレス、考えてみれば、このクラスの人が、客席わずか750のホールで1000円というのは、とっても安いんだろうなぁ。聞くところによれば、小山さん、この演奏会前に「アウトリーチをやってみたい」と申し出られたそうな。そんな活動とは遠そうなイメージのアーティストだけに、逆に「演奏会にあまり来ない人向けの昼間の短いコンサート」に向けた意気込みが感じられる。
 とはいうものの、今時の「オリジナル楽器」趣味とは正反対、モダンピアノでしか不可能な柔らかくレガート名バッハの平均律が流れ出すと、そこにあるのは何一つ妥協のない小山実稚恵の世界である。このホールは案外響くのだな、とあらためて確認させられる。
まずは1曲を終え、「こんにちは」とお話。「ピアノが良い」、「ホールですけど教会の感じを。シューマンは子供の無邪気さを。ショパンはピアノの魅力を聴いてください。」

 舞台からのお話を終えて安心したのか、そこからはすっかり小山実稚恵のいつものペースとなる。続くバッハのコラールは、クレッシェンドもダイナミックスもロマン派音楽の世界だ。お得意のシューマンは「子供の情景」だって、ちっとも気楽な子供時代の想い出じゃあない。気の抜きどころがまるでない、弾き手ばかりかコンサートホールの中にも緊張を強いる本気の音楽だ。「気楽に音楽を聴いてください」というのじゃあなくて、「これがコンサートホールにわざわざ来ていただいた方にお聴かせする私のホントの気持ちなんですよ」って。第一生命ホールのピアノで高音を綺麗に響かせるシューマン、小品たちの間に拍手をしようとする者など誰もいない。少しは発散される要素があるショパンにしても、完成度の高い、夜の公演となにひとつ違わない音楽たちだ。

 こういう緊張感の強い空間だと、かえって客席のゴソゴソ音やら携帯のピープーがとても大きく聞こえるのかしら。筆者の座った席の並び、通路側のレセプショニストの前の半袖シャツでひとりでいらしている男性が、聴衆の騒音や遅刻者の出入りの音に、妙に過敏に反応している。ゆったりした昼なんだからもっと気楽にしましょうや、と声をかけられる雰囲気でなかったのは、小山さんが創ろうとしていた音楽的空間の質そのものにも理由があったろう。なにしろものすごい集中力、「お気楽に過ごしてください」という音楽でなかったことだけは確かなんだから。

 こんな緊張感を強いるのは、もしかしたら2時間のフルコンサートでは厳しかったかも。家の中やiPODでのながら試聴では絶対に不可能な、ピリッとしたハードコアな音にじっくり向き合うコンサートホールの時間とすれば、昼の60分というのは丁度良いのかもしれない。こんな昼間のコンサートも、ある。
 後に仕事が続いていたため慌てて第一生命ホールを離れねばならず、お隣のご隠居がどんな風だったか、会場では確認できなかったのが気がかりだった。翌日、いつもの気楽な格好で顔を合わせた魚河岸ご隠居兄さんは、「いやぁ、あの人はすごいピアニストなんだねぇ、」と、盛んに繰り返しておりました。そう、ホンモノは、たとえそれが食べやすいものではなかろうが、誰にでも凄さが判るものだ。ましてや元築地の目利きならなおさらね。

*公演について*
出演:小山実稚恵(Pf)
バッハ=ブゾーニ:コラール「われ汝に呼ばわる、主イエス・キリストよ」BWV639
バッハ:平均律クラヴィア曲集第1巻より 第1番ハ長調
シューマン:子供の情景Op.15
ショパン:ノクターン 第2番 変ホ長調 Op.9-2、バラード第1番ト短調Op.23、アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22、ポロネーズ第6番変ホ長調Op53「英雄」
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by tritonmonitor | 2007-04-17 19:26 | ライフサイクルコンサート

実は,大人も弾いてみた~い 弦楽器体験Vol.3(for TANサポーター)

3月17日 実は,大人も弾いてみた~い 弦楽器体験Vol.3(for TANサポーター)
【報告:齋藤健治/月島在住・編集者/TAN会議室より報告】
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「松ヤニを用意しなくっちゃね」
「弓を動かす方が,よく塗れますよ」
サポーターによる,サポーターのための“弦楽器体験”第3回目が始まった。
1月からスタートし,毎月行われてきたこの企画も本日が最終日だ。
ピアノ,ギター,ホルンを演奏したことはあっても,ヴァイオリンやヴィオラは初めて,または全くの楽器初心者のサポーターが参集。当初はケースから楽器を出すことさえ一人きりではできなかった受講生が,今ではすっかり慣れた手つきでネックに触れている。
講師を務めているのも,同じくサポーター。2人のアマチュア・ヴァイオリニストだ。そのうちの1人はヴィオラ指導も兼ねる。さらに,2人の友人であるチェリストも参加。

* * *

今日の受講生は5人。
プログラムは調弦から始まった。
チューニングは前回も取り組んでおり,その成果が「弦を貼り過ぎないようにしないと」などといった声に反映されている。
受講生の中からはチェロに挑戦する者も現れてきた。今日が初めてのチャレンジだという。

音が合ったところでハ長調の音階をたどる。スケールを上昇し,そして下降。
「指の感覚を覚えてください」
「上るのは簡単だけれども,下るのは難しいでしょう」
「ほらほら,きちんと音をとらないと,速いパッセージが弾けませんよ」
1回のレッスンは1時間半。今日が3回目なので,ここまでに費やした時間はわずか3時間たらず。まったくの初心者がこまでたどりついた。

* * *

「さあ。『家路』をみんなで弾きましょう」
各パートごとに分かれ,ドボルザークが部屋の中にこだまする。
多少音が揺れるが,温かなメロディ。
「どうせだったら,コンサート形式で合奏しましょうか」
「そうそう。何事も形から」
「それでは第一ヴァイオリンはこちら,チェロは向こうへ」
「観客もいるわねえ」
「TANの事務局の方に聴いてもらいましょうか」

事務局長と制作スタッフが呼ばれて即席演奏会がスタート。コンサート・ミストレス役だっている。
「ブラアヴォ! アンコール!」
「すみません。ネタはこの曲しかないんです」
笑顔に囲まれ,“サポーターによる,サポーターのための弦楽器体験”は成功裏に終了した。

* * *

「子どもたちへの体験活動を手伝っているうちに,実は大人だって楽器を弾きたいんじゃないかって気づいたんですよ」という,サポーターのちょっとしたアイデアから始まったこの企画。練習のプログラムも,教材も,すべてサポーターの話し合いから創られていった。
「いろいろな人たちと音楽が幸せに出会う機会をつくりたい」と願うTANの取組みは,このような“アートを通した人と人”との関わりも,また新たに生みだしたのである。

※弦楽器体験では,JPモルガンならびに菊池サポーターよりご寄贈頂いた楽器を使用いたしました。
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by tritonmonitor | 2007-04-17 19:15 | コミュニティ活動

3月21日(水・祝) プレアデス・ストリング・クァルテット


プレアデス・ストリング・クァルテットを聞いて。
【報告:上田淳子(1階 L1扉 10列 15番)】

 祝日ということで、この日の開演は午後3時のマチネ。明るい時間にホールを訪れるのは、とても久しぶりのこと。いつものクァルテット・ウェンズデイと比べると、お客様が多いような気がしました。それは、祝日だからでしょうか、それともメンバーの顔ぶれによるものか・・・。

 1曲目は弦楽四重奏曲へ長調、op.14-1。もとはピアノ・ソナタで、ベートーヴェン自身による、編曲とのこと。そういえばベートーヴェンのピアノ曲の中には交響曲第3番「エロイカ」の変奏曲がありますが、交響曲を知っていると、その編曲具合にとても楽しく聞けます。
ベートーヴェンはとてもアレンジが上手な作曲家だったようですが、この曲については原曲を知らないので、そのアレンジのほどは分かりませんが、出だしのみなさんの音の美しいこと。これは弦楽器ならでは。ピアノでは出せない音色です。松原さんの演奏はこの日初めて聞いたのですが、意外にも(大変失礼な言い方ですみません)とても繊細な音で演奏されるのだという驚きと共に、他のメンバーの方々が松原さんに寄り添った演奏をされているのに感心いたしました。

 2曲目は初期の第1番へ長調 op.18-1。
特に第1、2楽章は演奏経験があったので、ボーイングも見ながら、興味深く聞かせていただきました。1楽章は緊張感を保ちつつ、軽快な演奏で、やはりプロの方は違う!とただただ驚くばかりでした。また2楽章は美しいだけに、ややもするともたれてしまうのですが、先に進めつつ、歌っていけるという、素晴らしい間の取り方に4人の息の合ったところを見せて(聞かせて?)いただいた気がしました。

 休憩をはさみ、最後の曲は、第9番ハ長調 op.59-3「ラズモフスキー第3番」。
1楽章、冒頭の減7の和音。アマチュアなら弓を持つ腕が震えてしまう、そんな雰囲気の中でこの曲は始まります。会場の静寂した空気の中で、この和音を響かせるのは、非常に勇気が要るような・・・。でも、プレアデスの方は、もちろんそんなことに動じることはなく、整然とこの和音をならし、軽快な音楽へと導いていってくれました。2楽章はチェロのピチカートがポイントですが、チェロの山崎さんはとても丁寧にピチカートを弾かれていました。チェロという楽器の特質かもしれませんが、山崎さんは他の曲の中でも、時に背中を曲げ、小さくなったり、背筋を伸ばして堂々とされて弾かれたり、と見た目ににもその場の音楽が伝わってきました。美しい3楽章に酔いしれているうちに、4楽章があっという間に終わってしまいましたが、この曲は聴き慣れると、とても耳に馴染み、頭にメロディーが浮かんできます。そんな所が人気のある要因なのでしょうか。

 内声部の2ndバイオリンとヴィオラのお二人にも是非触れておきたいのですが、2ndの鈴木さんは、足を怪我されての出演で、車椅子で舞台にいらっしゃり、椅子に移られて演奏されていましたが、バイオリンもある程度足で踏ん張らなければ大変演奏し辛い部分があり、いつもと勝手が違う状況の中で、よく頑張られたなぁ、と思いました。またヴィオラの川崎さんは、まさにいぶし銀の演奏というべきか、目立たない音域の中、旋律ともなれば、朗々と歌わせるあたりはヴィオラ奏者の鑑だな、と思わずにはいられませんでした。

 ベートーヴェンのクァルテットをこれから全曲演奏してくださるとのこと。これから益々息の合ったベートーヴェンを聞けるかと思うと、楽しみで仕方がありません。
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by tritonmonitor | 2007-04-04 13:15 | SQWシリーズ