NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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いよいよ明日ははじめのいっぽ 藤原真理さん登場

 今年の1月から始まった「クラシックはじめのいっぽ」。明日はチェロの藤原真理さんが登場します。平日のお昼、60分の休憩なしの短いコンサート、けれどプログラムは大変充実しており、
人気の高いコンサートシリーズとして成長しつつあります。

 公演情報は以下の通り。

2007年5月31日(木)11:30開演 第一生命ホール
〈ライフサイクルコンサート#23〉
クラシックはじめのいっぽ チェロ編
【出演】藤原真理(Vc)、倉戸テル(Pf)
【曲目】黛敏郎:BUNRAKU、ヘンデル:ラルゴ、
     J.S.バッハ:カンタータ第156番からアリオーソ/無伴奏組曲第1番から前奏曲、
     エルガー:愛の挨拶、フォーレ:シシリアーノ、サン=サーンス:白鳥、
     リスト:忘れられたロマンス、チャイコフスキー:感傷的なワルツ、
     ドヴォルザーク:わが母の教え給いし歌
【チケット】一般¥1,500、ペア券¥2,000、2公演セット券¥2,000

*当日券の販売は10:30より開始します。
*明日、会場にて来年度の出演者とスケジュールが発表になります。お楽しみに。
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by tritonmonitor | 2007-05-30 20:47 | チャットルーム

2007年5月25日(金)日本音楽集団

伊福部人気晴海に炸裂
第187回 定期演奏会 伊福部昭 音楽祭 師に捧げる邦楽コンサート

【報告:音楽ジャーナリスト 渡辺和1階16列28番】
 
 伊福部昭は、際立って特別な作曲家である。恐らく、20世紀半ばから後半に書かれた「クラシック音楽」と呼ばれる作品の中で、この作曲家のものほど戦後の日本に暮らした人々の体に染みついている音楽もあるまい。チェコ人がスメタナを愛し、イタリア人がヴェルディを愛するように、日本人は素朴に伊福部を愛することができる。遅れてきたロマン派国民作曲家、といえばそれまで。そんな人がいたことを素直に喜べば良い。

 90歳を過ぎるまで現役で活動した伊福部は、かつてのお堀端の第一生命ホールにも、21世紀に生まれた湾岸の新しい第一生命ホールにも、現役作曲家として姿を見せた。旧第一生命ホールで旗揚げ演奏会を行った日本音楽集団が、この作曲家が没し1年と少し経った初夏の晩に「師に捧げる邦楽コンサート」を開催する会場としては、この場所は適切な選択だったろう。なにしろ新旧ふたつの第一生命ホールを結ぶ晴海からお堀端に向かう銀座通りは、かつて怪獣王が「ゴジラのテーマ」を繰り返しつつ何度となく闊歩した、ゴジラ東京来訪時のメインストリートだったのだから。

 湿っぽい金曜の夜、7時開演の15分ほど前にホールに向けて登っていくと、エスカレーター前のチケットブース辺りには若いお嬢さんたちがまるでハチ公前で彼氏を待っているように群れを成している。会場ロビーには、見るからに邦楽器関係のお年寄りもいれば、伊福部目当てのマニアっぽい青年も。それどころか、小学生の姿も数多い。この数年で一気に高齢化が進んでいる東京のクラシック演奏会の空気とは随分とちがった、あらゆる年齢層の人々が集まった空間だ。いかな武満徹であれ團伊玖磨であれ、追悼コンサートの会場にこんな空気を造るなど不可能だろう。

 ホールに入れば1階はほぼ満員。2階の両袖に空席が見えたけれど、どうやら下手側は小学生がまとまって座っていたのでそれと気付かなかっただけようだ。開演時にはほぼ満員の盛況ぶりである。興味深いのは、普段は日本音楽集団の演奏会には現れず、オーケストラの会場でしか見ないような顔ぶれがいくつもあったこと。それだけ伊福部への関心の高さの証拠だろう。ちなみに、小学生の集団は日本音楽集団がアウトリーチに行った5つの学校で招待した子供達だそうな。

 さて、演奏の中身に関しては、もう一方のモニター氏が取り上げてくれるとのことなので、筆者はちょっと違った視点から記しておこう。この晩に取り上げられた作品は、伊福部の人気オーケストラ曲を作曲者との親交厚い秋岸寛久が日本音楽集団用に編曲した邦楽オーケストラ曲がふたつ。あとは、恐らくは伊福部が独奏楽器のために書いた作品としては最大規模の作品であろう二十五絃筝曲「琵琶行」と、日本音楽集団のために邦楽オーケストラ編成を前提に書かれたオリジナル作品である。

 最も興味深かったのは、今回が編曲初演となった「SF交響ファンタジー」であった。伊福部の全管弦楽曲中でも最も人気のこの音楽、東宝怪獣映画などのために円熟期の伊福部が遺した数多い作品を組曲に編んだ第1番の邦楽編曲である。田村代表がいつものダンディさで満員の聴衆の前に登場、両腕を振り上げるや、ゴジラの咆吼が響き始める。この瞬間、かなり途惑った。なんだかちょっと様子が違うぞ。

 当然といえば当然なのだが、邦楽器の音程に対する考えかたはモダンな西洋オーケストラのそれとは相当に異なる。結果として生まれるのは、悪く言えば、なんとも団子のような混濁した響きなのだ。おっと、これは西洋オーケストラではないのだっけ、と思い直し、鳴っている音にじっくり耳を傾ければ、明快に積み上げられた和音とは異なる複雑な響きが衝突するパワー、エネルギーの蠢きがが、はっきり伝わってくる。良く言えば、昨今のヨーロッパで主流となるつつあるオリジナル楽器への関心を、極端にまで突き詰めた実験とも言えよう。人知を越えた怪獣の原初的なエネルギーや不気味さを表現するには、邦楽器オーケストラの方が精妙にして精密なモダン西洋オーケストラよりも威力を発揮するのではないか、とすら感じさせてくれる。

 勿論、宇宙戦艦と異星人の戦闘の背景に流れたモダンなアレグロ行進曲は、邦楽オーケストラで完璧な精度で描ける筈もない。60年代に夢見たモダニズムが、どこか竹槍戦闘のアナクロニズムに強引に転写されたような不思議さは、これはこれで面白いものだ。

 なんにせよこの編曲、邦楽オーケストラへの編曲によって見えてきたものと見えなくなったものによって、伊福部音楽の個性をまるで別の視点から再確認させてくれる貴重な機会であった。安易に「土俗的」と形容される伊福部の響きが、実はモダンシンフォニーオーケストラに対する完璧な知識と熟達したオーケストレーションのテクニックによって造られているのかがよく判ったのは収穫である。

 そんな感想を抱いた後、最後に演奏された日本音楽集団のための委嘱作品では、オーケストレーションの違和感などまるで感じなかった。オーケストレーションの天才伊福部昭は、邦楽器合奏の特色をもきちんと捉えて作曲していた事実を突きつけられるようで、あらためて驚かされた次第。

 終演後、あちこちからブラボーの声が上がる客席に、袖に引き上げてきた演奏家一同、「創設当時を思わせる熱気です」と高揚していたとのこと。編曲者秋岸寛久の努力で生まれたゴジラ邦楽合奏ヴァージョン、今後の演奏を重ねれば、日本音楽集団の定番とも出来るだろう。邦楽入門曲としてのスタンダードとして定着することを願う。

渡辺和氏ブログ http://blog.so-net.ne.jp/yakupen/

演奏曲
日本音楽集団版 交響譚詩(2005年) 秋岸寛久編曲
二十五絃筝曲「琵琶行」(1999年) 二十五絃筝独奏:野坂惠子
SF交響ファンタジー 邦楽器版 委嘱初演  秋岸寛久編曲
郢曲「鬢多々良」(1973年) ソロ筝:野坂惠子

指揮=田村拓男
客演=野坂惠子
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by tritonmonitor | 2007-05-30 20:40 | TAN's Amici コンサート