NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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長澤勝俊追悼演奏会(2009年1月9日)

2FL1-29 佐々木久枝(会社員・華道教授:中央区勤務)

翌日に没後1周年を迎えるこの日は邦楽界の名だたる皆さんが晴海で一堂に会して長澤さんを偲ぶひとときを過ごしたのですが、ややもすると湿っぽくなってしまいがちな追悼演奏会は、驚くほどの華やかさに満ちていました。前売りの時点でチケット完売、当日券は一切出ないという事を聞いて、天国の長澤さんも驚きながらも喜んでいらっしゃるだろうなと感じました。関係者150名分の楽屋も足りない中、皆さんが目指していたのは長澤さんへの親愛なる思いに裏付けられた熱い演奏。ご挨拶したとある出演者の方からも皆いつになく気合が入っていますとの事を伺い、期待を抱きつつ席に着きました。会場には長澤さんの笑顔の写真が明るい色合いの花に囲まれて飾られており、来場のお客様を温かく迎えていらっしゃいましたが、そこに長澤さんが立っていらっしゃるような存在感がありました。

会場では日本音楽集団40周年記念に出版された「音に命を吹き込む・・長沢音楽のすべて」(原表記通り)があわせて配られましたが、団員との対談や音楽活動で関わった方々のエッセイが満載、この冊子の中でも長澤さんは人形劇団からスーパー歌舞伎に至るまで幅広く長い音楽生活のこぼれ話や音楽への愛情をたっぷりと温かな口調で語っておられ、いかに長澤さんが皆さんから愛される作曲家だったかというのを改めて思い返しました。

「飛騨によせる三つのバラード」は背中に荷物を背負って徒歩で運搬する事・運搬人を指す「歩荷(ほっか)」から。幅広い琴のめくるめくような響きに満ちたところは軽やかな足取りを感じさせました。正派合奏団・山本邦山尺八合奏団は暗譜で演奏していましたが、西洋音楽のアンサンブルでは譜面を見ながらなので新鮮でした。また正派合奏団の皆さんは揃いの薄水色のお着物で、まるで飛騨の澄み切った水を思い起こさせました。再現部でのうごめくような琴とむせぶような尺八の対比が鮮やかに描かれていました。保育器を指す第2曲「立円(たちつぶら)」では琴のソロのアルペジオに乗って尺八のソロが即興的にオクターブを歌い上げており、琴のスフォルツァンド風の弾き口には優しさを感じさせました。新酒の出来上がりを告げる看板を指す第3曲「杉玉」では邦楽にロック風ビートを付した大変リズミカルな一曲で、5拍子の不思議な心地良さに思わず実はそっと足踏みをしてしまいました。D音を延ばす琴の上を尺八が自在に舞っており、アフタービートの歯切れ良さには曲が終わっても足踏みをしてしまうくらいに感じさせました。

続いては私にとってはおなじみ日本音楽集団による「春の一日」。第1曲は軽やかな打楽器に乗ってうららかな春の光景が描かれ、流れるような琴と三味線とのかけ合いも見事な演奏でした。第2曲は琴のオクターブ分散和音に乗って日なたでうたたねする心持ちを描き出しており、打楽器と琴のユニゾンとのかけ合いに、尺八が息を多めに混ぜて応ずるところはほのぼのとした響きを聴かせていました。第3曲は鉦と鈴が空気を切り開くように進む中、琴のオクターブの幅広い響きを聴かせ、テンポが急激に上がる部分でも全体がタテに揃いひとひらの花の舞を思わせる演奏でした。終曲では尺八の息のかかった吹き口がまるで春風が自在に舞う様子を思い起こさせ、三味線と琴が入り乱れる部分もなかなかの聴きもの。一転静まり返る中で尺八の「カデンツァ」リレーでは艶っぽささえも感じさせるものでした。春は五感を目覚めさせてくれるものですが、この日の演奏会では一足早く春の気分を味わう事が出来たかな、と感じました。

続いては沢井忠夫合奏団による「雪三態」。第1曲ではしんしんと降る雪を独特の付点リズムで表現しており、よどみなく続く琴の響きの幅広さ、特に低音部分の響きが広がるのはなかなか圧巻でした。第2曲では同じ音型を繰り返しつつ次から次へと音の連なりが静かに降り積もっていく様子を描き出していました。第3曲ではややテンポを上げてA-E-Aの音の波に乗って揃ったりかけ合ったり、細やかに歌う部分は粉雪の舞い落ちるのを連想させました。テンポを落として和音が重なり合っていたり不思議なコード下降の部分では細雪を彷彿とさせました。

宮城合奏団による「北国雪賦」の第1曲「かまくら」では琴の静かに弾く音は静かなかまくらの中に響く温かな歌声を思わせ、団員によるユニゾンは聴き応えがありました。オクターブに乗って細やかに動くところはしんしんと雪降る夜を思わせ、遠くに三味線が響かせつつ琴がアルペジオとオクターブを繰り返すのはまるで夢の中にいるような描写をしておりました。第2曲「ぼんてん」は三味線がやや強めに弾くところは琴が歯切れ良くスタカート気味に弾くところ共々雪国の人々の内に秘めた思いが込められていました。終盤ポーズを置く場面では拍の裏にも緊張感が満ちており、この曲の演奏を引き締めていたと思います。

最後には今回出演の5団体による「子供のための組曲」。いわば邦楽界のドリームチームによる記念すべき演奏で、これは聴衆も特に熱心に聴いていたと思います。
第1章は琴が流れるような快いリズムを刻み、幅広い響きの中に面白みがこもっていました。第2章は明るさの中にかげりを帯びたメロディを尺八群が息を多めに混ぜられて奏されており、曲へは勿論、長澤さんへの思いをも込められているように感じられました。第3曲は2つの木魚と琵琶の振り子を思わせる刻みに他の楽器も引き込まれていく展開が面白く、また琴のアルペジオの波が振り子の刻みと相まって奥深く響いていました。第4章では琴と琵琶の半音刻みに加えて尺八のシンコペーション気味の子守唄が聴き手にも大変心地良く響きました。第5章は突如空を切るような和太鼓2人の力強い響きが乗り移ったような三味線や琵琶の力強い演奏が会場をあっという間に包み込み、じょんがら風ソロ部分も圧倒的。中間部のほのかな祭囃子は夢の中での回想を思わせ、再び全体の合奏に戻ると熱さは更に倍増して長澤勝俊記念祭は熱狂のうちに幕となりました。鳴り止まぬ拍手の中、演奏者の皆さんの表情は実に晴れやか、来場のお客様も熱のこもった演奏を満喫された様子でした。

本番後もステージ上の興奮さめやらぬお客様が出演者と談笑しつつ華やかなひとときを過ごされていましたが、私も新年から心が大変温まる素晴らしい演奏会に立ち会う事が出来て本当に幸運だったなと感じた次第です。
日本音楽集団の結成時も流派を超えた邦楽器アンサンブルを目指したとの事ですが、この日の演奏会を聴いていると、その思いは長澤さんを通じて更に確かなものになったのではないかな、と思いました。長澤さんはこれからもきっと天国から温かな眼差しで邦楽界を見守って下さっているでしょう。
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by tritonmonitor | 2009-01-10 19:57 | TAN's Amici コンサート

12月24日 クリスマスコンサート2008 レポート

 【報告:井出春夫 会社員 /2階C3列1番】

 このコンサートで演奏するアドヴェント弦楽合奏団は、オーディションにより選抜された弦楽セミナー受講生による合奏団。この合奏団の名前になっている「アドヴェント」とはキリスト教会でクリスマスを待ち望みろうそくに火を灯す幸福な期間だそうである。
 受講生は、この期間コンサートのために講師の先生の暖かい指導の下、毎日リハーサルを繰り返して、クリスマスコンサートの日を迎えたように思います。日本中でベートーベンの第九交響曲が至るところで鳴り響き、合唱団が「汝の優しき翼の覆うところすべてのものは兄弟となる」なんて歌っている時、受講生の皆さんは第九での歌詞を引用すればバリトンソロが歌う「おお、友よ。この音ではない。もっと快い、よろこびに満ちた調べに声を合わせよう」という言葉をかみしめていたかも知れない。(勝手な推測です。)
 アドヴェントセミナーの初日を少しだけ聴講してみると、とても緊張した感じで周りの状況を見ながら合わしているように思えた。休憩時間もみんな静かであった。初日の感想としては、今年はどんな風に変わっていくのだろうと思った。一週間後ホールの袖で聞いてみるとかなり完成度が高い。本番が楽しみだと思った。
 今年、アドヴェントセミナーでの特徴は、聴講にいらっしゃる方が昨年まで比べると多かったこと。何回も聴講に足を運んで下さり、長い時間演奏を聞いて下さる方も多かったのではないだろうか。中には、「コンサート当日どうしても今年は来られないので今年は少し前に聞きに来た」といわれた 方もいらした。
 22日は、講師の先生と受講生による室内コンサート。23日は子供のための公開リハーサル。(残念ながら今年は聞けませんでした)そして、クリスマスコンサート当日。
 クリスマスコンサートの第1曲目はメンデルスゾーンのシンフォニアで始まる。昨年は第6番で今年は第3番。共にメンデルスゾーン12歳の時の作品。今年の曲は友人のクリスマスプレゼントとして捧げた曲だそうである。
 この曲は、受講生のみで演奏された。
 気持ちの入ったきれいな演奏だった。昨年まではあまり意識していなかったので聞き逃していたのかも知れないが、今年は、全体の響きにはよく溶けている響きですがホールによく響く音が合奏団の何人かから聞こえてきた。なんだかこんな音を聞くとうれしくなってしまう。
 2曲目は、グリーグの組曲「ホルベアの時代より」
この曲は、講師の松原勝也氏と受講生による演奏。曲の冒頭からテンションが高く、音にしなりがある。音の1音1音が生きている感じがする。
 3曲目のバルトーク「弦楽四重奏曲第2番」は講師の先生方によって演奏された。
なんだかとても暗い曲。決して前の2曲のように聞き易くはなかったが、この曲の持つとても深い響きがあるように思えた。
 休憩後、チャイコフキー「弦楽セレナーデ」これは、確か2004年に一度取り上げられた曲である。前回は、素晴らしい熱演で体が熱くなった記憶がある。今回も素晴らしい演奏だった。第1楽章の冒頭を聞いたとき、今回は少し渋めかなぁと思ったが、弾き込んでいくうち音が輝いてきて、響きの透明感が増し、呼吸も見事なまでに一つになっていた。演奏者だけでなくホール全体が一つになったようになったような気がした。こんな演奏は、1年に何回も出会えるものではない。演奏を聞きながら、昔、小澤征爾さんが時折言っていた「神様って本当にいるんだよね」という言葉を思い出していた。
 アンコールは、山本祐ノ介編曲による「聖夜」。とても親しみ易い編曲できれいだった。
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by tritonmonitor | 2009-01-08 10:25 | アドヴェント&クリスマス