NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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2009年4月12日(日)エルデーディ弦楽四重奏団 #79ハイドン没後200年を記念してⅡ

佐々木久枝(TANサポーター/華道教授) 1F7-26

うららかな春の陽射しにいざなわれてホールに足を運ぶと、ホールでも穏やかな中に熱を帯びた演奏が出迎えてくれました。室内楽といえば中高年になってその味わいが分かると巷で言われますが、会場には比較的若い聴衆も多く見受けられ、響きの良いホールで熱のこもった演奏を今のうちから堪能出来るのを喜ばしく感じました。

第24番イ長調
冒頭目まぐるしく動く中にあって、第1ヴァイオリンが生き生きとしており、チェロも軽やかさを前面に出していました。第1ヴァイオリンに対する他の3パートの音の重なりも美しく、今日の演奏会の成功を早くも想像させました。第2楽章メヌエットでは音の重なりが美しく、力が良い意味で抜けていました。滑らかなテーマ提示に続き、トリオに入った辺りは上声部3パートがタテに揃った響きを聴かせており、再現部では一層の優美さを込めて弾いておりました。第3楽章アダージオではディベルティメントの名にふさわしく、穏やかな第1ヴァイオリンの響きに他の3パートの和音の重なりが非常に心地良く響き、第1ヴァイオリンの特に中音から低音にかけての田園風の響きが滑らかでした。カデンツァも幅広い音域を軽やかに動いて心地良い響きを聴かせており、安心して身を(耳を)委ねて聴く事が出来ました。第4楽章プレストでは小気味良くまとまった快活な響きが印象的。タテにもよく揃った響きで、ハイドン風ジョークにふさわしい伸びやかさの中に歯切れ良さをも感じさせる見事な演奏でした。

第23番変ロ長調
第1楽章ポコアダージオの変奏曲楽章ではまず伸びやかな重音が魅力的なテーマから始まりました。第1変奏では第1ヴァイオリンが落ち着いた語り口で中音部を聴かせており、第2変奏ではチェロが深みある対旋律を聴かせておりました。中声パートも美しく、第1ヴァイオリンのオブリガードも効果的。第3変奏では目まぐるしく動き回る第1ヴァイオリンが、下手すると練習曲のように聞こえてしまう所を表情豊かに奏しており、最終変奏も単純な音の並びもしっかりとたっぷり歌っていました。第2楽章メヌエットアレグレットでは優美なテーマを伸びやかに演奏しており、第2ヴァイオリンのメロディラインも美しく描かれていました。第1ヴァイオリンの装飾音に他の3パートが寄り添うようなアンサンブルが印象的でした。第3楽章ラルゴカンタービレではチェロがしっかりとアンサンブルを支えており、どこかコラールを思わせるのどやかな調べが感慨深さを引き起こしました。いつもならやや緊張して聴く第1ヴァイオリンも今回は非常に穏やかで心地良い音の重なりを堪能しました。第4楽章プレストでは第1ヴァイオリンの余裕見せつつの名人技を堪能しつつ、他3パートの粒の揃った弾き口にも魅了されました。一音一音に集中している印象が強く、ピアニッシモに向かっていくラストの求心力は圧倒的でした。

十字架上のキリストの最後の七つの言葉
演奏機会が少ないとの事でしたが、これ程の劇的な展開を描いた力作は一度聴いたら忘れ難く、この演奏に立ち会う事が出来る幸運をかみしめつつも、もっと知られても良いのではとの思いを強くしました。当日は来場者にも冒頭テーマ譜例が合わせて用意され、演奏者のこの曲に対する熱い思いが伝わってきました。
序奏では付点に彩られる劇的展開の予感を思わせ、チェロの重厚な支えにのって第1ヴァイオリンの悲痛なメロディライン、上声3パートの音の重なりが印象に残りました。
ソナタ1(父よ彼らをお許し下さい~)では慈悲の心に満ちたキリストの父なる神へのとりなしのテーマが奏され、チェロがよく響かせて緊迫感を生み出していました。転調を繰り返す”Pater”部分も心のひだを汲み取って演奏している印象で、ヴァイオリンの重奏も切々としていて美しかったです。ソナタ2(あなたは今日私と一緒に天国に~)では重々しいチェロに切々とした第1ヴァイオリンが加わっていました。変ホ長調やハ長調に転調する場面では穏やかで清らかな天国の光景を第1ヴァイオリンが第2ヴァイオリン共々巧みに甘美に弾き出しており、ヘ短調に転調時は人間キリストの苦悩を巧みに描いておりました。ソナタ3(女よ、これがあなたの息子です~)では母やヨハネに優しく呼びかける様子が表情豊かに歌われていました。重音を巧みに用いて幅広い音量・音色で弾き進められていっており、別の長調に転調時は回想場面を思い起こさせるような遠くを見やるような演奏でした。ソナタ4(わが神、わが神~)では激しい慟哭を思わせる冒頭テーマが奏され、神の恵みにあって活発に宣教していた頃を思い起こさせるような長調部分と好対照な組み合わせを、第1ヴァイオリンの細やかな動きにあって中声パートがさり気なく支えていました。ソナタ5(私は渇く)では冒頭第1ヴァイオリン以外の3パートのピチカートと第1ヴァイオリンの切々としたメロディは身体的な渇きと経ちゆく時間の刻みとを描き、ヴァイオリンどうしの突如の強奏ユニゾンとチェロの対旋律とで絶望とあきらめの心境が巧みに描かれていました。再現部では通常の奏法ながらいや増す感情の高ぶりを弾き出していました。ソナタ6(すべては終わった)ではファンファーレ風に奏されるテーマに始まりますが、ここではもはやなすすべもなく時が経つのを見守るさまを描いていました。長調に転じて心は天国に近付いている状況を激しい第1ヴァイオリンの起伏に富んだ演奏で表しておりました。ソナタ7(父よ、私の霊を~)では全てを父なる神に委ねるという精神的に揺るぎない様子が幅広い音使いで弾き進められており、ヴァイオリンどうしの重奏部分がこの上なく盛り上げておりました。ここで一瞬やや遅れ気味かな、と感じた第1ヴァイオリンは実は一音一音更に心を込めて弾いていたようです。最後の「地震」では4人揃っての強奏が地響きを容易に思い起こさせ、圧倒的な存在感で全曲を締めくくっていました。

いずれの曲にも全力投球で向かっていたエルデーディではありますが、曲に対するひたむきな愛情とその思いを聴衆と分かち合いたいという親密な思いが演奏にも顕著にあらわれていたのだと感じられるひとときでした。
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by tritonmonitor | 2009-04-13 02:08 | SQWシリーズ

育児支援コンサート~子どもを連れてクラシックコンサート

2009年3月29日(日)15:00開演

【報告:三添 聡/中央区在勤 2階L3扉L1列34番】


 春めいた気候の中、第一生命ホールですでに恒例となっているライフサイクルシリーズの一環、育児支援 コンサート。
 今回が8回目となるこの育児支援コンサートはもとより、ライフサイクルシリーズも私にとって初めての鑑賞になります。

 第一部は「大人のためのコンサート」として、西野ゆかさんのヴァイオリンと小坂圭太さんのピアノデュオとピアノ独奏。なじみぶかいエルガーの「愛の挨拶」やモンティの「チャルダッシュ」があり、人口に膾炙していなくとも、小さな子供の存在を喚起させるようなショスタコーヴィチの小品まで、思索をこらしたプログラミングでした。
 果たして演奏を聴くと、たとえば、エルガーの「愛の挨拶」を聴くと、ぶれない技術と作曲家の世界を踏まえた、十全の音楽。これならば、エルガーのソナタや協奏曲を弾いたら、どう調理してくれるのかな、と想像をたくましくさせてくれるような、細部に目をこらした演奏に感じられました。ベートーヴェンのスプリングソナタも第一楽章だけの演奏というのがもったいないくらいに、情報量が豊かで、もっと長くこの空気に接したいほど。
 西野さんの語りはクァルテット・エクセルシオとして豊富なアウトリーチの経験をくぐってきたことをうかがわせる、優しくも記憶に残る語り口。
 小坂さんの音楽とお話は格調が高く、聴衆だけでなく、ピアノ初学者に対しても刺激になるのではないでしょうか。

 第二部は「みんな一緒のコンサート」。冒頭のモーツァルトとドヴォルザークは小さなお子様にはやや重いのでは、と自らの4~6歳時を思い起こしつつ聴きました。しかし、これを聴いている子供たちは前半、スタジオでクァルテット・エクセルシオと音楽を題材に遊んできたんだ、と考えると、聴衆としての子供たちは、案外頼もしく聴けたのではと、一方で前向きに感じるところでした。そのあとは、絵本「くものすおやぶんとりものちょう」をステージ奥のスクリーンに投影し、飯原道代さんの情感ゆたかな朗読を交え、小坂圭太さんのピアノと古部賢一さんのオーボエを加えての演奏。映像・朗読・音楽のバランスもよく、幸松肇さんの作品に、ロシア音楽を中心とした諸作品がはさまれたスタイルによる組み立ては、さながらオペラやミュージカルを見ているような愉しさがありました。
 育児支援コンサートいう非日常の場をもつことにより、参加した子供たちも、クラシック音楽の楽器や世界に興味をもつきっかけにつながり、大変有意義で、今後も育児支援コンサートが継続されることを願ってやみません。
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by tritonmonitor | 2009-04-03 10:26 | ライフサイクルコンサート