NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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音楽のある週末 第4回 イングリット・フリッター ピアノ・リサイタル

2010年10月9日(土)14:00開演
【報告者:齋藤健治/編集者/月島在住 1階10列36番】

澄んだ丁寧なサウンドに、ココロの張りが解き放たれる時間

週末の午後、室内楽が待っている

トリトン・アーツ・ネットワークは、今年新たな取組み「音楽のある週末」を始めた。
これは、土曜日の午後に開かれ、今回で4回目を迎える。これまでは弦楽器のリサイタルが行われてきたが、本日は初めてのピアノ。
ところで土曜日の午後は、クラシック音楽にとって、激戦の時間だ。都内のあちらこちらのホールで、オーケストラの定期演奏会が開かれている。
きらびやかな交響曲を選ぶか、一人のアーティストとあいまみえる室内楽に足を運ぶか――。1週間の仕事をやりくりしたあとの、落ち着きたい土曜日。でも、頭はなんだか昨日までのアレコレを引きずっている土曜日。
そんな気分の時は、室内楽に定評のあるこのホールの堅実な音の力で、気持ちをフラットにもっていくのも一つの手だろう。

温かな観客の雰囲気

午後2時開演の10分前にホールに入る。1階席は5分の4ほどの入りだ。2階席も人影が動いている。
会場はざわついた雰囲気はなく、これから始まるプログラムを心待ちにしているかのよう。ゆったりとした時間だ。
ホールを見渡すと、小学校中学年くらいの男の子と、おそらくは、その子の父親とが、2人で並んで座っているのが目に入ってくる。そして、時折プログラムを見ながら一言二言交わし合っているのは、ほほ笑ましい様子。
今日のコンサートに行こうと誘ったのは、どちらかな。男の子のほうが熱心のように見えるから、たぶんパパは、家族サービスだろうか。音楽を通じた子どもへの温かい気持ち。
週末の音楽の時間が、こうして始まる。

そして「イングリット・フリッター・ワールド」が展開された

ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調op.31-3」から始まった本日のプログラム。
イングリット・フリッターさんの奏でるピアノは、澄んだ音。丁寧に、丁寧に、サウンドを解き放つ。
多少のサムシング・エルスが欲しいような気がしないでもないが、この1週間のココロの張りが、少しずつ溶けていく。
第2部はショパン。「イングリット・フリッター・ワールド」と言ってもよいか、「彼女の考えるショパン」を聴いた。
たとえば「子犬のワルツ」。
スケール感にあふれつつ、キッパリとした音づくり。そして、確かに繰り広げられるリズムに、体が自然と揺れていくのを押さえられない。
        * * *
プログラム終了後のサイン会では、ファンの一人ひとりを、フンワリとした笑顔で迎えているイングリット・フリッターさん。
ホールのそこだけが、温かな繭に覆われているような錯覚を覚えつつ、和らいだココロでもって、会場をあとにした。
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by tritonmonitor | 2010-10-09 14:00
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