NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
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〈TAN's Amici Concert〉 ショパンの愛したプレイエル・ピアノ~弦楽器と奏でる美しい詩~

11月9日(火)19:00開演
【報告者:N・F/大学生/静岡県在住 1階15列25番】

響きが衝突することなく、それぞれの楽器が掛け合いながら混ざり合うことによって音が広がっていく感じがとても聴いていて心地よく感じられた。

今年はショパン生誕200年ということでショパン関連のコンサートが多くで開かれていたが、今回の演奏会は一味違っていた。
今回使用されていたプレイエル・ピアノは浜松市楽器博物館に所蔵されているものである。開場後まもなく小岩氏によるプレトークが行われていた。このプレイエルはアクションがシングル・エスケープメントであるためキーを完全に戻さないと次の音が出てこず、キーのタッチがデリケートであるため演奏が非常に難しいという。

しかしながらそういった繊細な楽器であるからこそ、小倉氏の演奏は本当に1音1音を楽器と対話しながら紡いでいっているという様子で、見ていても凄く引き込まれた。
オープニングの「華麗なるワルツ」では飛んだり跳ねたり、テンポを揺らしたりして、軽やかに音が転がっていったと思えば、「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」ではずっしり、しっとりとした響きで多彩な表情が見られた。しかしプレイエルの音はどんなに力強い場面でもどこか優しく、上品な響きをしていたのが印象的であった。

弦楽五重奏版の「ピアノ協奏曲 第2番」では、他の弦楽器とプレイエルの音色が溶け合っていた。響きが衝突することなく、それぞれの楽器が掛け合いながら混ざり合うことによって音が広がっていく感じがとても聴いていて心地よく感じられた。当時の楽器での演奏を聴くことで、ショパンがその音楽をつくった時に思い描いていた音や世界に近づくことができたように感じる。
それから、アンコールで演奏された弦楽五重奏版の「別れの曲」が新鮮だった。弦のピッチカートやトレモロが加わり原曲より軽やかで動きが伝わってくるアレンジで、この曲のまた新たな面を発見することができた。そして当時はもっとこんな風に自由にサロンや様々な場所で演奏がなされていたのだろうか、と色々思いが巡った。

このシリーズは静岡文化芸術大学との共催で、私は2008年の3月に開かれた『クララ&ロベルト・シューマン~愛、輝きと優しさ~』の公演も聴いたのだが、ここで使われていたグラーフのフォルテピアノと比べるとプレイエルの方がつくられたのが新しいということもあり、もう少し音が明るく輪郭がくっきりしているような印象を受けた。フォルテピアノだけ見ても、シリーズを通して聴き比べるとそこにも楽器の変化が見られて興味深かった。

歴史の中で楽器も聴衆も変化し続け、そして現在に至っている。音楽をひも解いていく中で、そんな歴史の大きな流れを会場に居合わせた人々は感じられたコンサートだったのではないかと思う。
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by tritonmonitor | 2010-11-09 18:40
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