TANモニター イベントレポート
2011-03-09T11:04:59+09:00
tritonmonitor
NPOトリトン・アーツ・ネットワークの活動レポートです。詳細はhttp://www.triton-arts.net
Excite Blog
TANモニターレポート移行のお知らせ
http://tanmoni.exblog.jp/13087751/
2011-03-09T11:05:01+09:00
2011-03-09T11:04:59+09:00
2011-03-09T11:04:59+09:00
tritonmonitor
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いつもTANモニターブログをご愛読いただき誠にありがとうございます。
TANホームページのリニューアルにともない、TANモニターのレポートをTANホームページ内に掲載することになりました。
今後のレポートはTANホームページ内の「公演情報>TANモニターレポート」よりご高覧下さいませ。
アドレスは下記のとおりです。
<TANモニターレポート>
http://www.triton-arts.net/ja/concert/monitor/
今後もご愛読、ご協力くださいますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
特定非営利活動法人 トリトン・アーツ・ネットワーク]]>
昼の音楽さんぽ 第3回 樋口達哉&成田博之 テノール&バリトン デュオ・リサイタル
http://tanmoni.exblog.jp/12803509/
2011-01-20T11:30:00+09:00
2011-02-02T17:07:34+09:00
2011-02-02T17:07:34+09:00
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【報告者:平山悟江/晴海在住/主婦】
衣装を着けてオペラで演じている二人を想像しながら聴くのも楽しく、オペラは苦手と思っていたけれど行ってみようかしらという気さえしてくる。
リサイタルが終わっての率直な感想は「来て良かった。」でした。樋口さんと成田さんの漫才のような軽快なトークと素敵な歌声が、お昼のほんの一時間、私の心を満たしました。昨年の秋に、大好きだったシャンソン歌手の朝倉まみさんが亡くなられ、心に爆弾が落ちたような状態で過ごした数カ月。久しぶりに足を運んだリサイタルでした。聖路加の日野原先生のおっしゃる音楽療法ではないけれど、やっぱり音楽って良い。心
が元気になりました。
晴海に越して4年。家の隣に第一生命ホールがある事は、ここに住んでいて嬉しい事の一つ。子育て真っ最中の私でも、ほんの少し時間がある時や、出かけない週末に子どもと一緒に音楽が聴ける場所です。初めてホールを訪れたのは、朝倉まみさんが出演された「ピアフへのオマージュ バラ色と黒の人生」というコンサートだったと思いながら、友人に誘われて出かけた今回のデュオ・リサイタル。
樋口さんと成田さんの第一印象は「イタリアっぽい!」でした(笑)。イタリアに留学中のお話も楽しく、お恥ずかしながら、よく耳にする「ブラヴォー」は使い分けがあることを初めて知りました。無知とは何て恐ろしいのでしょう...。男性一人に対してはBravo(ブラーヴォ)、男性が複数ならBravi(ブラーヴィ)、女性一人にはBrava(ブラーヴァ)、複数の女性にはBrave(ブラーヴェ)。使い方を間違うと、せっかくの賛辞も皮肉になりかねないので気をつけなくては。調べついでに三人の事も検索。パンフレットに[日本オペラ界のトップスター2人による華麗なるひととき 加藤昌則がはいった贅沢なコラボ…]とあった通り、多岐にわたる活躍ぶりが分かりました。
開演前、勝どき駅側の入口からホールに向かう人の波が意外と多いと感じましたが、ファンの方が多いのですね。リサイタル中にあちらこちらで少女のようにはにかみながら黄色い(もしかしたら、ピンク?の)声を上げていらしたおばさま方に納得です。
前半はカンツォーネ。どこかで耳にした事のある親しみのある曲が続きました。専門知識もなく、イタリア語が解らない私は、ホールにビンビン響く二人の歌声を聴いているだけでうっとり(笑)。同じ歌を歌っていても、歌う人によって色が違う。衣装を着けてオペラで演じている二人を想像しながら聴くのも楽しく、オペラは苦手と思っていたけれど行ってみようかしらという気さえしてくる。樋口&成田マジック。そして、ポップスの「手紙」。黒田博さんと高野二郎さんと4人で組んでいるユニット「The JADE」のオリジナル曲の二人バージョン。日本語の分だけ身近に感じ、心に言葉が届く。途中、隣からすすり泣きが聞こえ、彼女の感受性の豊かさに感心しながら聴き入りました。
2月、3月のNHKの‘みんなの歌’は「The JADE」が歌う「くじらのあくび」とか。子どもと聴くのが楽しみです。
最後に、ピアノの加藤昌則さん。素敵でした。ピアノを弾く姿がちょっと誰かに似ていて…隠れファンになります。
リサイタル終了後はサイン会の人込みを横目に、「やっぱり? そうよね!」と迷わず、トリトンのイタリアンレストランでスパゲッティランチ。心もお腹も満足の午後でした。
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レクチャーコンサート Plus#14 “魅惑のトリコロール” 古典四重奏団
http://tanmoni.exblog.jp/12803080/
2011-01-15T19:37:00+09:00
2011-02-02T15:41:16+09:00
2011-02-02T15:41:16+09:00
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【報告者:今野高/団体職員/柏市在住】
ドビュッシーの世界が少しわかった気がした。
これはなかなか手の込んだレクチャーだ。
トリトン・アーツ・ネットワークのHPのコンサート案内では、「#14」と記されてあったので、14回目のレクチャー・コンサートかなと想像し、「トリコロール」とあるからフランスものかな、どんな曲をやるのかなと想像しながら、トリトン・スクエアへ。
プログラムをもらって、完全に私の勝手な想像が間違っていたことに気がついた。私はてっきり、数曲の演奏を聴かせながら、演奏法や曲の音楽解釈などをレクチャーするのかと思っていたが大きな間違い。考えたら当然か・・・公開レッスンでも公開リハでもなく、レクチャー・コンサートはこれが普通だ。
レクチャーは、ドビュッシー、ラヴェル、フォーレの弦楽四重奏曲を軸として、これらの音楽の背景にある J.ティトルーズや L.クープランの音楽を入れ込み、また教会旋法や民族音楽の旋法がどのようにドビュッシーやラヴェルの音楽に組み込まれているかを解説するという構造。
フランスの音楽は、私には「美しい」という貧相な語彙しか持ち合わせていない。とても美しいと思うけれどけど憧れの世界。この世界は私の血には流れていない。
でも今回、この美しさの背景が何なのか、初めて入り口が見えたような気がする。
私には斬新・奇抜に感じられていた新しい響きも、その根底にはもっと何かがある、それが教会旋法だったり、民族音楽の旋法だったり、先達の音楽の緻密な学習の蓄積から生まれていたのだ。
そう、今の時代のレコード(もう過ぎ去った時代か)やCDなど複製芸術が発達していなかった時代、過去の音楽を知るには譜面しかなかった時代、弾いてみて、あるいは写譜してみたり、今では想像できないくらい手間をかけた学習と深い理解があったのだろう。
面白かったのは、ドビュッシーの3楽章の冒頭の解説。「私が先生ならこう書き換えさせます」と言っていくつかのかたちを弾いてくれた。どれもきれいで、納得!って感じ。落ち着いた美しさ。さて本当のドビュッシーはどうだったっけ?なんて思う頃に本物の冒頭。グッと腹の中が捻れるような衝撃。あぁ こういう美しさなんだ。メビウスの環がもうひとひねりしたような、それでいて妙な納得感と安定感。ドビュッシーの世界が少しわかった気がした。これはなかなか手の込んだレクチャーだ。
田崎さんの解説も楽しい。一度聴いただけでは覚えきれない、何故ノートの準備をしてこなかったのかと悔やまれる。再放送なんてないのだろう、残念。
どの曲も美しいけど、部分的なのでちょっと単調で午後の睡魔が忍び寄る(ごめんなさい)。 でもウトウトしても音楽は聴こえている。それにしても柔らかい音、木の温もりときめのこまかい音が心に沁みる。そう、普段CDの鮮やかで輪郭のハッキリした硬い音に慣れてしまっているけど、本当の弦楽器の音はこんなに柔らかいのだとつくづく感じる。
これを聴いて、私もトリコロールのカルテットを猛烈にやってみたくなった。たまたまピアノ・カルテットでフォーレかショーソンをやろうか、なんて話も持ち上がっているところ。弾いてみればこの魅惑の響きが、少しは私の血に溶け込むかも知れない。
蛇足ではあるが、このレクチャー・コンサートは入場無料。これはどういうこと?スポンサーは?余計な詮索はさておき、これは聴かなきゃ損だ。
帰り道は御徒町で電車を乗り換えるので、アメ横で道草。久しぶりに雑踏の活気を堪能する。今日は、一粒で2度美味しい経験をした。
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レクチャーコンサート Plus#14 “魅惑のトリコロール” 古典四重奏団
http://tanmoni.exblog.jp/12803092/
2011-01-15T15:41:00+09:00
2011-02-02T15:44:02+09:00
2011-02-02T15:44:02+09:00
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【報告者:竹本葆/TANサポーター】
やはり、3月13日(日)の本番を聴いて、フランスの代表的な弦楽四重奏曲を3曲じっくり楽しみたいです。
1月15日(土)はどんよりした曇り。寒いし、外出しないで家でアジア杯の録画でも見ていたい日です。
それでも予定どおりX棟5階の会議室で、古典四重奏団の方々のレチャーコンサートは、3時から始まりました。天気のせいかお客は70名ぐらい。
最初のドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」の演奏が終わると、チェロの田崎瑞博さんが立ち上がり、マイクを片手に、3月13日(日)に演奏するドビュッシーを始めとする作品について解説をはじめましたが、マイクの調子が悪い。マイクを取り替えてもダメ。それでマイクなしでの解説となりました。
ラヴェルの「クープランのトンボー」などで用いた中世の教会旋法の実例を演奏し、J.S.バッハあたりから、支配的であった調性(長調、短調)を否定するようなドビュッシーの弦楽四重奏曲第1楽章やラヴェルの弦楽四重奏曲第3楽章の一部を聴かせてくれました。
そのあと次の無調の時代(12音技法)の始まりを告げるワーグナーの「トリスタンとイゾルデ」から第3幕への前奏曲の一部などの演奏とドビュッシーの弦楽四重奏曲第3楽章で、前半が終わり、10分の休憩に入りました。
後半はフォーレの解説です。ぼくにとってもフォーレの作品で、しかもそれしか聴いたことがないと思われる、代表作「レクイエム」の一部(きょうの演奏は全部弦楽四重奏での演奏です。念のため断わっておきます。)からはじまり、難解なフォーレの弦楽四重奏曲の一部とラヴェルの弦楽四重奏曲の第1楽章の演奏で、今回のレクチャーコンサートは午後4時40分に終わりました。
ぼく個人としては、耳が悪いせいか、お話つきのコンサートは苦手なので、このレクチャーコンサート・シリーズに出席したのは今回がはじめてですが、興味深く聴くことができました。
やはり、3月13日(日)の本番を聴いて、フランスの代表的な弦楽四重奏曲を3曲じっくり楽しみたいです。生の音楽は倍音(聴こえない部分も多いそうですが)がノーカットで耳に届きますから、脳にも大変良いそうです。頭の老化防止に皆様もどうぞ
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クリスマスコンサート2010
http://tanmoni.exblog.jp/12803061/
2010-12-23T16:37:00+09:00
2011-02-02T15:37:42+09:00
2011-02-02T15:37:11+09:00
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【報告者:井出春夫/会社員/2階L1列46番】
愚直なまでにまじめな演奏。そして音に芯があって美しい。
午前中の「子どものためのクリスマスコンサート」に引き続き、午後の4時から「クリスマスコンサート2010」が行なわれた。これまで、多くの名演、熱演を生んだコンサートで、コンサートを聞き終えると体が熱くなっていた。このクリスマスコンサートが始まった当初は、2日間コンサートがあり、1日目がホールを支援してくださる企業や個人会員そしてサポータのためのコンサートそして2日目が通常のコンサートである。毎年、オーディションで選ばれた受講生が違うのでできてくる音楽も違うのが面白かった。そして、最近はよくわからないけれど、3年連続でアドヴェントセミナーに参加した人もいた。
また、最初の頃松原先生は、ヴァイオリン協奏曲を弾かれていたが最近は弦楽合奏になった。
クリスマスコンサートを聞く時、私が最初に目が行くようになったのは松原先生だ。
これもこのコンサートが始まったころのことだが、3年目くらいまで松原先生は、全身でオーケストラを引っ張っているようだった。それについていくかのように必死にオーケストラがついていくというような感じだった。その光景を思い出させるような演奏会だったのが前年のクリスマスコンサートだった。
さて、今年のコンサートである。今年の演奏はといえば、愚直なまでにまじめな演奏。そして音に芯があって美しい。
第1曲目は、キッズの時と同じモーツァルトの「ディベルティメント」。キッズの時よりは若干テンポを落としている。この方が音を感じながら弾いてるみたいで私は好きだ。
パッヘルヴェルの「カノン」は素朴な感じの演奏で魅力的である。
ブリテンの「シンプルシンフォニー」はキッズの時もよかったが、こちらは真剣勝負(キッズは少しショウ的な見せ方をしていた)音楽に食らいついて行くような気合の入った演奏である。
フランセの「3重奏曲」はすばらしい演奏。松原先生も、山崎先生も、川崎先生もそれぞれ自由に弾いているみたいなのに息がぴったりだし、真剣勝負なのに楽しそう。
最後は、ドヴォルザーク「弦楽セレナーデ」これはアドヴェントセミナーの総決算という曲で3人の講師の先生が各パートのトップで一緒に弾いてくださる。とっても幸せで、色々勉強になったのではないだろうか。演奏はとても美しく集中力が高い。音が体に染み込んでくる。そして、音が輝いている。アンコールは、「きよしこの夜」コンサートの中でも演奏された(山本祐ノ介編曲)がアンコールは中川俊郎編曲のもので、だいぶ前に聞いたときは少しわかりにくいと感じていたが、最近は中川さん編曲のものが聞いてみたくなっていた時であったのでとても嬉しかった。
ところで、このアドヴェントセミナー受講生によるクリスマスコンサートも今回で最後となってしまうようだ。とても残念なことである。長い年月の間には多くの卒業生がいた。
ここで終わってしまうわけだが、アドヴェント受講生の皆さんとこれからもつながりを持っていくことが大事なのではないだろうか。講師の先生方ともそして地域の方々とも。
皆さん今後ともよろしくお願いします。
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子どものためのクリスマスコンサート
http://tanmoni.exblog.jp/12803040/
2010-12-23T10:26:00+09:00
2011-02-02T15:32:02+09:00
2011-02-02T15:32:02+09:00
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【報告者:井出春夫/会社員】
ホールの中もいつものコンサートとは少し感じが違って仄々としている。
12月23日、第一生命ホール恒例になっているアドヴェント受講生による恒例のクリスマスコンサートが開かれた。この日の公演は、朝10時30分開演のキッズのためのコンサートと16時開演の「クリスマスコンサート2010」の2公演。
12月クリスマスの頃ともなると、晴れていても朝は寒い。午前中のコンサートにはどれだけお客さんが来られるのだろうと思いながらホールに向かう。結果としては、ホールはほぼ満員で、それも家族でコンサートにいらした方が多いように感じた。朝のコンサートは出かけてくるには、大変かも知れないけど午後の時間が他のことに使えるという意味では非常に効率がいい。ホールの中もいつものコンサートとは少し感じが違って仄々としている。
最初の曲は、モーツァルト「ディヴェルティメントK.136」テンポがかなり速い。演奏者はかなり弾ける人達なのだが、もう少し余裕があったほうが私はすきだ。
この曲を聞いていてはっとしたことがある。ヴァイオリンがステレオのように聞こえる。
そして、ステージをよく見てみると、ヴァイオリンが左右に分かれて座る対向配置になっていた。今年で10回を数えるクリスマスコンサート(キッズのためのコンサートとしての回数は少ないが)としては、初めてである。確かにこの曲は、この並びの方が魅力的に聞こえる。
パッヘルベル「カノン」は、とても丁寧な演奏。バッハ「主よ人の望みの喜びよ」はチェロがメロディラインを担当した編曲で、聞きやすくとても楽しかった。
そして、クリスマスには定番の「きよしこの夜」(山本祐ノ介編曲)であった。
この曲の終了後、松原先生の呼びかけで子供たちがステージに上がり音楽を聞いてもらう(事前予約制)ため子供達はステージ後方の長椅子に座わった。この際、長椅子に空席ができてしまったところがあり、客席から見るとバランスが悪く感じた。
松原先生による楽器紹介。各楽器の紹介に使われた曲は子供達のよく知っている曲が多く取り上げられた。ブリテンを聞く。松原先生がピツィカートのやり方を説明すると客席で真似をしている子がいたり、楽器紹介の時もそうだったが客席の反応がいい。
シンプルシンフォニーは、骨太のしっかりした演奏である。また、セコンドヴァイオリンは、ピツィカートを胸に抱えながらギターのように弾くなど見せ方などを工夫していて楽しかった。そして、最後は、3人の講師の先生方と普通の並びでドヴォルザークの弦楽セレナード。とても綺麗だった。
このコンサート中ずーと立ってステージを熱心に見ていた男の子がいた。小さな子供達には椅子に座っただけだとステージが見えにくかったのではないかと思う。また、休憩なしで行なうコンサートとしては、子供達には少し長かったのではなかったか。演奏途中でトイレに行かれた人が何人かいた。曲目を減らすか、思いきって休憩をはさんだ方がよかったのではないかと思う。
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アドヴェントセミナー 室内楽ロビーコンサート
http://tanmoni.exblog.jp/12644219/
2010-12-22T13:34:00+09:00
2011-01-06T11:38:34+09:00
2011-01-06T11:38:34+09:00
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アドヴェント&クリスマス
【報告者:佐藤浩子/TANサポーター】
受講生達の若い力がロビーという身近な空間でズンズン伝わってきました。
前夜から降り続いた雨も明け方にやみ、12月にしては暖かな快晴になったこの日、アドヴェントセミナー受講生が10日間の練習の成果を発表するロビーコンサートが行われました。
当日はロビーコンサートを待ちわびていたお客様が開場とともに入られあっという間に100席の椅子は埋まりました。
プログラムは、
Ⅰ ハイドン:弦楽四重奏曲第62番変ロ長調(全楽章) 約19分
松原勝也(1stVn)講師&受講生3人
Ⅱ ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲第2番ト長調(全楽章) 約34分
山崎伸子(Vc)講師&受講生4人
10分間の休憩をはさみ
Ⅲ ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調(第1.2.4楽章)22分
市坪俊彦(Va)講師&受講生3人
Ⅳ メンデルスゾーン:弦楽八重奏曲変ホ長調(全楽章) 約32分
川崎和憲(1stVa)講師&受講生7人
と、ホールでのコンサートを聞いているような、聞き応えのあるコンサートでした。
受講生達の若い力がロビーという身近な空間でズンズン伝わってきました。
今回、お子様連れのお客様も15組ほどいらっしゃいましたが、1作曲家だけ聞いて帰られたり後半だけ聞いていたりと小さい子供が飽きないようにお母さんが工夫していました。そういうことが出来るのもロビーコンサートの良い点だと思います。
このアドヴェントセミナーは10年前に「若い音楽家がプロの演奏家として社会にはばたいてゆくのを応援しよう」という主旨のもと毎年12月に行われていましたが、残念なことに今年で最後となるそうです。
これからもどこかのホールでこのアドヴェントセミナーの卒業生達の演奏を聞ける事を期待しています。
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音楽のある週末 第5回 梯 剛之 ピアノ・リサイタル
http://tanmoni.exblog.jp/12401783/
2010-11-20T19:15:00+09:00
2010-12-01T19:18:48+09:00
2010-12-01T19:18:48+09:00
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【報告者:中川和子/フリーエディター/東京都在住 1階10列21番】
力強く優しいショパンの調べに、観客全員が酔いしれた午後
『お願い』の看板に、スタッフの行き届いた配慮を感じる
晴海トリトンスクエアには仕事で何度が足を運んだことがあったが、第一生命ホールに入るのはこの日が初めて。休日のせいか、スクエア内には人影はまばらで、少し不安になる。
ところがエスカレーターで会場ロビーに着くと、そこは音楽好きの熱気が溢れ、室温が少し高く感じられた。窓からはゆっくり流れる川と秋の陽差しが望める。土曜の午後の非日常空間に、コンサートへの期待が一気に高まる。
ホールの入口付近には『お客様にお願い』の看板があった。それは「盲導犬を連れていらっしゃるお客様がいらっしゃいます」という知らせとともに、盲導犬に対する注意事項を列記したものだった。実は会場に入る前、化粧室でゴールデンレトリバーを連れた方たちとすれ違った。看板はこの方たちに配慮したものだったのだろう。スタッフの行き届いた心遣いに感心すると同時に、どこのホールにも、目の不自由な方が積極的にコンサートを楽しめるような環境作りをお願いしたい。
ホールの中は白木を基調にしていて、大き過ぎず、とても落ち着いた雰囲気だ。私の席は2つ目のブロックの最前列でほぼ中央付近にあった。少し早めに席に着き、プログラムで曲目などを確認する。土曜の午後のせいか、はたまた11月22日の『いい夫婦の日』が近いためか、想像以上に男性客の姿も多い。年齢もバラバラという印象を受けた。ただ、オール・ショパン・プログラムで土曜の午後ということを考えると、ピアノのレッスンに通っているお子さんや、若い人たちがもっとたくさんいてもいいような気がした。
梯さんの゛力強いショパン”に圧倒される
本日の主役、梯剛之さんのピアノを聴くのは初めてだ。恥ずかしながら、目が不自由でいらっしゃることぐらいしか予備知識はない。今年はショパンの生誕200周年にあたり、世界各地でショパン関連のコンサートが開催されているようだが、私自身はその波に乗り遅れている。しかし、子どもの頃、ピアノのレッスンに通っていたこともあり、ショパンの曲にはなじみがある。『子犬のワルツ』をよく練習したっけ……。そんな感傷に浸りつつ、開演を待った。
お母様に手を引かれた梯さんは、グレーのスーツに白い蝶ネクタイ姿で登場。想像以上に小柄でスリムだ。そして、スタインウェイの鍵盤の上で白い指が動き始める。
「ショパンの曲って、こんなに力強かったっけ?」最初の『舟歌 嬰へ長調 作品60』でこんな感想を持つ。続く『幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66』はショパンのピアノ曲の中でも名曲中の名曲。右手と左手の流れるようなリズムの中でも、その力強さは変わらない。「あんなに華奢な体の、どこにあんなパワーがあるのだろう」と驚嘆。
『スケルツォ第2番 変ロ短調 作品31』『ワルツ第3番 イ短調 作品34-2』、そして『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22』と演奏は続く。主旋律はあくまで力強くダイナミックに、そこに、ショパンらしい繊細な音の動きが混じり、とても心地良い。あまりの気持ち良さに船を漕いでいる観客も見受けられた。
5曲が終わったところで15分の休憩に。ロビーに出ると、グラスワインを片手に歓談する観客の姿が見られた。土曜の午後にこんな時間が過ごせるなんて、なんて幸せなことなんだろう! もちろん、夜のコンサートもいいが、今日のような昼下がりのコンサートも心身を芯から和ませてくれる。
5度のアンコール、そして夢の空間の終わり
第2部は『ピアノ・ソナタ第3番 ロ短調 作品58』の演奏だ。ショパン最後のソナタは、彼の波乱の人生が凝縮されているような曲である。プログラムのメッセージの最後に、梯さんは「もし可能なら……やっぱり僕は「ショパンの再来」になりたいな……。」という一文を添えられていた。病気を克服され、ピアノとともに生きてこられた梯さんは、ショパンの人生にご自身を重ねているのかもしれない。激しく、そして切ない演奏を聴いていると、何とも表現のしようのない感情が湧いてくる。
演奏が終わると、梯さんは観客に向かって何度も深々と礼をされた。拍手が鳴りやまず、アンコールが始まった。1曲、そして2曲……。日本人はシャイなのか「ブラボー」と叫ぶ人は少なかったが、それでもいっこうに拍手は鳴りやまない。あまりにも心地良く、素晴らしい演奏の場から、現実に引き戻されるのが怖くて、私たちは何度も何度もアンコールを要求してしまったのだ! また、その気持ちを察してか、体力の消耗を心配されるお母様を尻目に、梯さんの演奏は続いた。4曲目は『12の練習曲op.25 第11番「木枯らし」イ短調』。そして、5曲目のそれまで以上に優しく響く温かな演奏を聴き、私たちは席を立った。たぶん、観客全員が「これ以上は申し訳ない」という気持ちだったに違いない。終演は4時22分頃。予定を30分もオーバーしていた。
ロビーでは梯さんのCDを買い求めようという人たちが売場に殺到。即席のサイン会も催された。サインを求める人、一人ひとりに「ありがとうございました」と声をかけられる梯さん。その様子を見てから、私は会場を後にした。外はすっかり夕闇に包まれていたが、素敵なリサイタルに出会えたことに感謝しつつ、足取りはとても軽くなった。
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音楽のある週末 第5回 梯 剛之 ピアノ・リサイタル
http://tanmoni.exblog.jp/12591056/
2010-11-20T10:00:00+09:00
2010-12-28T16:27:14+09:00
2010-12-28T16:27:14+09:00
tritonmonitor
未分類
【報告者:井出春夫/会社員 1階4列30番】
梯さんの体の中から自然に沸き上がって来た音楽。
「音楽のある週末」のコンサートシリーズも5回を数えた。シリーズがスタートした当初はあまり興味が持てず、1回冷やかしのつもり出来てみたら、とても素晴らしい演奏だった。しかし毎回、今度の演奏会は「はずれる」かもという不安が頭の隅をよぎる。演奏会が終わってみれば、結構満足して帰宅する自分がいた。
今回の演奏会の入場者は、ざっと見た感じで350人位だろうか。その中で盲導犬をつれた方が6名いらしたそうである。年齢層も幅広かったようで、私の隣の方々は、家族みんなでいらしているようだった。
第1曲目「舟歌」が始まる。かなりの安全運転で始動だ。音楽は淡々と進む感じがあったが、ショパンの素朴さが感じる。
梯さんの使用したピアノは音が鳴りやすく、メロディがうき出てくるように聞こえとても弾きやすいように思えた。音量的にはさほど大きいとは思えなかったが、幻想即興曲では、すこしかげりのあるような音を混ぜたり、スケルツォの2番では、ダイナミックスに変化を持たせたりと曲毎にいろいろ工夫がなされていた。音楽的な細かなことはよくわからないが音楽が聞き易くリラックスして楽しめた。
後半のソナタも集中力があり、しっかりした演奏でとてもよかった。
今日の一通りのプログラムを終えアンコール。これがとても素晴らしかった。梯さんの体の中から自然に沸き上がって来た音楽。音楽がとても自然でかなり自由な演奏のように思えた。アンコールは全部で5曲弾かれた。全部が素晴らしいが、個人的には1曲目の子守歌と3曲目のワルツNo.10が特によかった。
とても素敵な演奏会だった。
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〈TAN's Amici Concert〉 日本音楽集団第201回定期演奏会
http://tanmoni.exblog.jp/12591092/
2010-11-17T19:00:00+09:00
2010-12-28T16:31:24+09:00
2010-12-28T16:31:24+09:00
tritonmonitor
TAN's Amici コンサート
【報告者:M・A(高三)、K・M(高二)/都立高校箏曲部】
演奏会が始まり、舞台が明るくなった時、次々と舞台袖から出てくる団員のみなさんが輝いて見え、とても素敵でした。
初めて第一生命ホールでの演奏会を聴きに行きました。
雨が降り、寒い中トリトンまでの道のりは長いように思いましたが、会場の入口はとてもわかりやすく、良かったと思います。入口を入ってからも、受付の方々が笑顔で明るく出迎えて下さいました。会場の案内もしてくださっていたので、初めての私も迷うことなく座席につくことができました。
今回の演奏会は自由席だったため、私は上から見える二階席へ行きましたが、会場を見渡す限り、空席が少し目立っていたように思えました。
演奏会が始まり、舞台が明るくなった時、次々と舞台袖から出てくる団員のみなさんが輝いて見え、とても素敵でした。
1曲目「子どものための組曲」
最初の方はゆったり軽やかに進んでいく音楽に一緒になって揺れていましたが、段々と激しくなりはじめ、生き生きと鳴り響く太鼓の音に釘付けになってしまいました。打楽器の演奏者の方々がとても格好良かったです。
2曲目「雨のむこうがわで」
今までの様々な演奏会を見た中で、初めて打楽器だけの合奏を聴いたので、少し不思議な感じがしました。普段目にすることはできないたくさんの種類の楽器もとても魅力的でした。演奏者自身も楽器になったような感じで視覚からも音楽を楽しむことができました。
3曲目「夢もよい」
語りが朗読のように聞こえたと思うと、次は感情のこもったお芝居のようになり、変化の速さに少し驚きながらも、その様々な世界観に圧倒されてしまいました。
4曲目「火の曲」
箏の音だけでなく、竜笛の音がとても響いていて、とても美しかったです。並びも十七絃から箏へ広がっており、音も広がっていくように聞こえました。
5曲目「ディヴェルティメント」
この曲は今回の演奏会で私の印象に一番強く残りました。私も少し練習したことがあったので、無意識に手がリズムをうっていて、とても楽しく聴くことができました。ゆったりとしていて優しくきれいな所も好きですが、全員が同じテーマを弾いている所は力強く迫力もあり、とても素敵でした。
今回の演奏会を通して、私個人の意見ではありますが、洋楽器よりも和楽器の音色が好きだと改めて感じさせられました。
また機会がありましたら、様々な演奏会に足を運びたいと思います。]]>
〈TAN's Amici Concert〉 日本音楽集団第201回定期演奏会
http://tanmoni.exblog.jp/12401721/
2010-11-17T18:59:00+09:00
2010-12-01T19:09:35+09:00
2010-12-01T19:09:35+09:00
tritonmonitor
未分類
【報告者:Sho/勝どき在住 2階席C2列】
あ、これは邦楽のオーケストラなんだ、というのは後になって思ったことで、次々に演奏される変化に富んだ音のアンサンブルにすっかりはまってしまった。
朝から雨の降る寒い日だった。
友人からの電話で誘われたコンサート。棚から降ってきた“ぼた餅”ではなく“日本音楽集団の定期演奏会”のお誘い。お断りするのは勿体ないと、何の知識もなく軽い気持ちででかけた。
開演を待ってプログラムをめくる。解説を読んでみても見当がつかない。
今までの洋楽のコンサートなら、私でも何曲か知っている曲や作曲家(バッハとかドビュッシー)があるのだけど、まるで様子がちがう。
曲目は『子供のための組曲』、『雨のむこうがわで』、『夢もよい・・・』、『火の曲』、『ディヴェルティメント』。なんだか難しそう・・・と思った。
ステージは三段の舞台に設えられ、着物や袴姿の演奏家が登場する。奥に打楽器と三味線と琵琶、中間に尺八、手前には箏と十七絃がずらりと並ぶ。総勢19人の豪華なメンバーで、女性の淡い着物の色が美しい。
一曲目が始まった。箏、尺八、三味線、音色はどれも心地よく、初めてのようだけど、懐かしいようで、醸し出されるリズムは調子よく、打楽器のパッカパッカに体が弾む。あ、これは邦楽のオーケストラなんだ、というのは後になって思ったことで、次々に演奏される変化に富んだ音のアンサンブルにすっかりはまってしまった。
今まで私にとって、日本古来の楽器で演奏される音楽は、伝統音楽として、または日常の生活の中の音楽として耳にしてきた。それがこんなふうにおもちゃ箱みたいに楽しい「子供のための組曲」になってしまうなんて、本当に驚きのスタートだった。
次の『雨のむこうがわで 4人の打楽器奏者のために』には、またびっくりした。4人の演奏者の体が楽器になってしまって、好き勝手にやっているのではないかと思ったけど、楽譜をめくっているところを見ると、これはこういう音の世界なのだ。
続いて『夢もよい・・・』は唯遊湯人(たゆたふと)の詩に遊ぶ奇想組曲という不思議な曲で、休憩後の二つの演奏も玉手箱の連続だった。けれどもなぜか、耳にも心にもなじんでしまう。どこか私の体内のリズムに共鳴してしまう何かがあるようで、音楽を聴くという構えなしに体の中に入り込んでしまう。そして最後の曲、名残を惜しむかのようなエンディングは、もう一発、もう一発と打ち上げられた夜空に浮かぶ大玉の花火のようだった。
コンサートが終わってホールで演奏家の方々とTANの皆さんの温かいお見送りを受けて家路に向かう。今日の“ぼた餅”は美味しかった。美味しいものは洋食か和食かジャンルを問わない。TANと第一生命ホールという素晴らしい音楽のレストランが身近にあるなんて本当に恵まれている。 今後もいろいろなメニュー、楽しみにしています。
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〈TAN's Amici Concert〉 ショパンの愛したプレイエル・ピアノ~弦楽器と奏でる美しい詩~
http://tanmoni.exblog.jp/12401605/
2010-11-09T18:40:00+09:00
2010-12-01T19:10:16+09:00
2010-12-01T18:50:03+09:00
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未分類
【報告者:N・F/大学生/静岡県在住 1階15列25番】
響きが衝突することなく、それぞれの楽器が掛け合いながら混ざり合うことによって音が広がっていく感じがとても聴いていて心地よく感じられた。
今年はショパン生誕200年ということでショパン関連のコンサートが多くで開かれていたが、今回の演奏会は一味違っていた。
今回使用されていたプレイエル・ピアノは浜松市楽器博物館に所蔵されているものである。開場後まもなく小岩氏によるプレトークが行われていた。このプレイエルはアクションがシングル・エスケープメントであるためキーを完全に戻さないと次の音が出てこず、キーのタッチがデリケートであるため演奏が非常に難しいという。
しかしながらそういった繊細な楽器であるからこそ、小倉氏の演奏は本当に1音1音を楽器と対話しながら紡いでいっているという様子で、見ていても凄く引き込まれた。
オープニングの「華麗なるワルツ」では飛んだり跳ねたり、テンポを揺らしたりして、軽やかに音が転がっていったと思えば、「レント・コン・グラン・エスプレッシオーネ」ではずっしり、しっとりとした響きで多彩な表情が見られた。しかしプレイエルの音はどんなに力強い場面でもどこか優しく、上品な響きをしていたのが印象的であった。
弦楽五重奏版の「ピアノ協奏曲 第2番」では、他の弦楽器とプレイエルの音色が溶け合っていた。響きが衝突することなく、それぞれの楽器が掛け合いながら混ざり合うことによって音が広がっていく感じがとても聴いていて心地よく感じられた。当時の楽器での演奏を聴くことで、ショパンがその音楽をつくった時に思い描いていた音や世界に近づくことができたように感じる。
それから、アンコールで演奏された弦楽五重奏版の「別れの曲」が新鮮だった。弦のピッチカートやトレモロが加わり原曲より軽やかで動きが伝わってくるアレンジで、この曲のまた新たな面を発見することができた。そして当時はもっとこんな風に自由にサロンや様々な場所で演奏がなされていたのだろうか、と色々思いが巡った。
このシリーズは静岡文化芸術大学との共催で、私は2008年の3月に開かれた『クララ&ロベルト・シューマン~愛、輝きと優しさ~』の公演も聴いたのだが、ここで使われていたグラーフのフォルテピアノと比べるとプレイエルの方がつくられたのが新しいということもあり、もう少し音が明るく輪郭がくっきりしているような印象を受けた。フォルテピアノだけ見ても、シリーズを通して聴き比べるとそこにも楽器の変化が見られて興味深かった。
歴史の中で楽器も聴衆も変化し続け、そして現在に至っている。音楽をひも解いていく中で、そんな歴史の大きな流れを会場に居合わせた人々は感じられたコンサートだったのではないかと思う。
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〈クァルテット・ウィークエンド2010-2011 Galleria〉 エルデーディ弦楽四重奏団
http://tanmoni.exblog.jp/12803551/
2010-10-17T17:12:00+09:00
2011-02-02T17:15:34+09:00
2011-02-02T17:15:34+09:00
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【報告者:齋藤健治/編集者/月島在住 1階8列9番】
今年も我が町に、クァルテットの季節がやってきた
お待ちかねのシーズン、再開
シューベルト「死と乙女」が鳴る。
甘美なメロディに流されず、抑制をきかせた演奏。エルデーディQは、丹精に音を織り込んでいく。そして冒頭のテーマの再現部から徐々にサウンドが活気づいていく。
今年度の「クァルテット・ウィークエンド」は、弦楽四重奏の定番であるこの曲からスタートした。
開演前のロビーはザワザワとした雰囲気。この日を待ちかねていたかのようだ。
秋から冬、そして春にかけて、第一生命ホールで繰り広げられていく“クァルテットの季節”は、まためぐってきた。
「クァルテット・ウィークエンド」は、様々な人が集う「場」
観客は、1階席は半分ほど、2階席後方も埋まっている。年齢層は高めだ。
その中で、「クァルテット・ウィークエンド」でいつも見かける方々と出会う。どの人たちも、このホールでのイヴェントがなければ知り合えなかったお顔ばかりだ。
それにしても年を重ねるほどに、背負うものも多くなってくる。仕事、家庭、子育て、近所付き合い等々。どれもこれも大切なものだ。その限りある時間をやりくりして、演奏会にかけつけてくる人々。
ある人は仕事の休日かな。ある人はお孫さんのお世話に明け暮れていると聞いている。ある人は主婦業で忙しい。
そうした多様な暮らしを送る人々が集う場。おそらく「クァルテット」がなければ、出会いが生まれえなかった場。
地域社会の崩壊を背景に「新しい公共」という考えが議論されているが、「我が町のホール」が新しい人と人との関係をつくってきたことを、改めて実感した。
シーズンの始まりを緻密な職人芸で聴かせる
エルデーディQのこの日の演奏にも触れてみたい。
「シューベルト&シューマン、ロマンの胎動と爛熟」と題されたプログラムのうち、後半のシューマンでは、「弦楽四重奏曲第3番イ長調op.41-3」を演奏。第1楽章は各パートがやさしい音色を繰り広げ、それをあたかも水彩画のように溶け合わせていく。第2楽章も滑らかな味わいで、とてもシルキーだ。
第3楽章はいぶし銀のような光沢を思わせ、第4楽章は圧巻。奇をてらうことのない緻密な職人芸で、聴衆を音の世界へと引きずり込んでいった。
アンコールはメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調op.13」より第2楽章だったが、この演奏とシューマンを聴き比べることで、彼らの曲の解釈についてのていねいさが伝わってくるものであった。
つまりメンデルスゾーンでは作曲家のあふれんばかりの才能がよく感じられる演奏であったのに対し、シューマンはおそらく研究に研究を重ねてきた音の構築、それをエルデーディQは楽譜を通して追い求めているかのようであった。けっして大向こうに構える演奏ではなく、じっくりと足下を固めていく表現。でもまだ完成し切ってはいなくて、これからさらに深みを探ろうとしている音。
次の「クァルテット・ウィークエンド」ではどのようなアーティストの姿に触れられるのだろうか。
そして、クァルテットを通して知り合った聴衆の方々と今度もまた出会えるかしら――始まったばかりのシーズンに、これからの思いは膨らんでやまない。]]>
音楽のある週末 第4回 イングリット・フリッター ピアノ・リサイタル
http://tanmoni.exblog.jp/12081919/
2010-10-09T14:00:00+09:00
2010-10-15T10:40:11+09:00
2010-10-15T10:40:11+09:00
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未分類
【報告者:齋藤健治/編集者/月島在住 1階10列36番】
澄んだ丁寧なサウンドに、ココロの張りが解き放たれる時間
週末の午後、室内楽が待っている
トリトン・アーツ・ネットワークは、今年新たな取組み「音楽のある週末」を始めた。
これは、土曜日の午後に開かれ、今回で4回目を迎える。これまでは弦楽器のリサイタルが行われてきたが、本日は初めてのピアノ。
ところで土曜日の午後は、クラシック音楽にとって、激戦の時間だ。都内のあちらこちらのホールで、オーケストラの定期演奏会が開かれている。
きらびやかな交響曲を選ぶか、一人のアーティストとあいまみえる室内楽に足を運ぶか――。1週間の仕事をやりくりしたあとの、落ち着きたい土曜日。でも、頭はなんだか昨日までのアレコレを引きずっている土曜日。
そんな気分の時は、室内楽に定評のあるこのホールの堅実な音の力で、気持ちをフラットにもっていくのも一つの手だろう。
温かな観客の雰囲気
午後2時開演の10分前にホールに入る。1階席は5分の4ほどの入りだ。2階席も人影が動いている。
会場はざわついた雰囲気はなく、これから始まるプログラムを心待ちにしているかのよう。ゆったりとした時間だ。
ホールを見渡すと、小学校中学年くらいの男の子と、おそらくは、その子の父親とが、2人で並んで座っているのが目に入ってくる。そして、時折プログラムを見ながら一言二言交わし合っているのは、ほほ笑ましい様子。
今日のコンサートに行こうと誘ったのは、どちらかな。男の子のほうが熱心のように見えるから、たぶんパパは、家族サービスだろうか。音楽を通じた子どもへの温かい気持ち。
週末の音楽の時間が、こうして始まる。
そして「イングリット・フリッター・ワールド」が展開された
ベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調op.31-3」から始まった本日のプログラム。
イングリット・フリッターさんの奏でるピアノは、澄んだ音。丁寧に、丁寧に、サウンドを解き放つ。
多少のサムシング・エルスが欲しいような気がしないでもないが、この1週間のココロの張りが、少しずつ溶けていく。
第2部はショパン。「イングリット・フリッター・ワールド」と言ってもよいか、「彼女の考えるショパン」を聴いた。
たとえば「子犬のワルツ」。
スケール感にあふれつつ、キッパリとした音づくり。そして、確かに繰り広げられるリズムに、体が自然と揺れていくのを押さえられない。
* * *
プログラム終了後のサイン会では、ファンの一人ひとりを、フンワリとした笑顔で迎えているイングリット・フリッターさん。
ホールのそこだけが、温かな繭に覆われているような錯覚を覚えつつ、和らいだココロでもって、会場をあとにした。
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630コンサート~充電の1時間~ 塩谷 哲・松本和将(ピアノ・デュオ)
http://tanmoni.exblog.jp/11992830/
2010-09-15T18:30:00+09:00
2010-09-28T10:19:27+09:00
2010-09-28T10:19:27+09:00
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ライフサイクルコンサート
【報告者:K.T/千葉県在住/団体職員】
最高潮のところで終わった感じですが、大丈夫です、悔いは残りません。
ただただ、音楽を楽しませていただきました、の一言です。それ以上でも以下でもありません。さはさりながらいくつか、思いつきで恐縮ですが感想を記しておきます。
1時間のコンサートというのは、初めてでしたがとても満足しています。後1時間あれば、別の世界を見せてくれたのだろうな、という物足りなさの一方で、ここでお二人とお別れしたくない、もっと聴かせてという欲求が心地よかったです。最高潮のところで終わった感じですが、大丈夫です、悔いは残りません。余韻を残し、だからいつまでも忘れないです。
目に付いたのは、30代~40代の男のサラリーマン風でした(数は多くはないようですが)。これから一杯飲んで別のリフレッシュ、そんな感じで軽やかにホールを後にしているように見えました。好きでなければ、2時間はしんどいけれど、1時間だったら、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。音楽(の魅力)に接する良い企画、機会だなとも思いました。
構成も良かったです。親しみのある曲から始まりましたが、違和感なくジャズとクラシックとを行き来でき、最終的にはふたつが融合し、最後には音楽の楽しさ、豊かさが心を満たしてくれていました。
塩谷さんの曲も演奏も初めてでしたが、「ヴァルス」という曲には魅かれました。ラテンとおっしゃったでしょうか。陽気な旅をさせてもらった感じです。それと松本さんの動きが良かった(おもしろかった)。一緒に音楽を楽しんでください、と言われているようで、こちらも弾みます。ピアノ・デュオというのは迫力があるものなんですね。塩谷さんと松本さんの触発の仕合が客席まで届き、規律あるライブハウスの感じで楽しめました。塩谷さんの演出でしょうか、いや人柄ですよね。
とにかく、音楽を楽しめる企画内容、コンサートでした。良質なホスピタリティに包まれた1時間でした。これからも良い演奏、良い企画を楽しみにしています。次は歌を聴きたいです。
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